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熱海にまなぶ盛土の怖さ!宅地造成等規制法をわかりやすく解説

宅地造成等規制法

宅地造成等規制法ってなに?

崖崩れや土砂流出の災害を防ぐために、必要な規制をかけるための法律です。

記憶にも新しい、2021年に熱海市で起きた土砂災害が起きた場所では、広範囲にわたって盛り土が行われていたそうです。

この土砂災害の原因は、盛り土にしみこんだ雨量が限界に達し、一気に噴き出して崩壊し速度の速い泥流になったと推定されています(産経ニュース

このような災害を防ぐためにあるのが、宅地造成(たくちぞうせい)等規制法です。

今回は画像を交えながら、宅地造成等規制法とはなんなのかを解説していきたいと思います。

盛土が引き起こす災害について

まずは、盛り土の怖さを考えてみましょう。

盛り土とは、その名の通り土を盛ることです。

私も休日に子供を連れて公園の砂場に行ったりしますが、その時に公園で山を作ったりもします。

ご経験がある方はお分かりかもしれませんが、盛り土はフワッとしているため崩れやすい、のです。

盛り土のイメージ

仮に、このように盛土をした場所に家を建ててみましょう。

盛土の上に家があると、なんだか不安定で怖くありませんか

一軒の規模であれば、被害も少ないですが、熱海市のように広範囲にも渡って盛土が行うには、しっかりと対策をねる必要がありそうですよね。

いい加減な工事をしてしまうと、甚大な被害が生まれ、土砂災害・崖崩れを引き起こす恐れがあります。

実際に、山手を切り崩してできた場所では多くの土砂災害被害が起きています。

九州北部豪雨の被害(2017年)

広島市安佐南区(2014年)

広島市安佐南区 土砂災害

日本は災害大国とも言われており、これらの被害を抑えるためにも、盛土や切土を行う場合に、災害の危険性がある場所で工事をするには、知事の許可や届け出をもらってくださいね、という場所があります。

この工事のことを宅地造成といいます。

規制がかかる場所のことを宅地造成工事規制区域といいます。

それらの規制を定めることを宅地造成等規制法です。

と言います。

それぞれの概念を見ていきましょう。

宅地造成とは

まずは、宅地造成のイメージから掴みましょう。

宅地造成とは、宅地以外のものを宅地にすることです。

例えば、元々田んぼだった場合を分譲地(宅地)にする場合などですね。

街中でこのような工事風景を見たことはないでしょうか?

これが宅地造成工事です。

さらに、造成工事には、切土をすること、盛り土をすること、または両方行う場合があります。

例えば、切戸を行う面では、固い土を切り崩します。

盛り土を行う面では、先ほど説明したように土を盛るため、広範囲にわたる場合、土砂災害の恐れがあります。

このような場合に、ある一定の広さや高さを超える盛り土や切土をする場合には、きちんと許可をもらう必要がありますよ、という場所が宅地造成工事規制区域なのです。

宅地造成工事規制区域とは

災害の恐れがありそうな場所では、各都道府県知事は、宅地造成工事規制区域を指定することができます。

この場所で、宅地造成をする場合は、許可がないとできませんよ!というイメージです。

知事のチェックがないといい加減な工事が行われかねません。

宅地造成工事規制区域のイメージ

これらは山手のところに存在することが多いです。

例えば、大阪府を例に見てみましょう。

色がかかっているところが、宅地造成工事規制区域の指定がある事がわかります。山手に多い区域であるというイメージでも良いでしょう。

大阪府 宅地造成工事規制区域

しかし、全ての行為に許可が必要か?となるとそのようなわけではありません。

知事の許可が必要な場合

以下のような場合、工事をする人(造成主)は許可権者(知事)に許可をもらう必要があります。

基準は、盛土や切土の高さや広さ

造成主が「こういう工事をしたいんだけど?」と、都道府県知事に許可を出して、知事はそれに対して「OK or NG」というジャッジをする流れになります。※しかし、開発許可を受けた工事は許可は不要です。

許可が必要な場合は大きく4つあります。

切土により2mを超えるがけが出来る場合

切土を行なった時に2mを超えるがけが出来る場合、知事に許可をもらわなければなりません。

大阪府HP

盛土により高さ1mを超えるがけを生じるもの

盛土の場合は高さ1mを超える場合に許可が必要です。

大阪府HP

切土と盛土が合わせて2mを超える場合

また、両方行う場合は、がけが2mを超える場合に知事の許可が必要です。

大阪府HP

造成面積が500㎡を超える場合

両方合わせて2mを超えていない場合でも、面積が500㎡を超える場合、許可が必要です。

大阪府HP

このように規模が大きい場合は、知事の許可が必要なんだね!

実際の許可の出し方

実際に許可を出す場合は、各都道府県によって異なりますが、ここでは例として大阪府の許可申請書を見てみましょう。

大阪府HP

内容を見てみると、造成主や設計者の住所氏名欄があることがわかります。

加えて、工事の概要(イ)欄、ここが大切です。

切土や盛土、この高さや面積によって許可が必要になるかどうかが変わることがわかりますね。

また、擁壁や排水施設を作るときも許可が必要になる場合があります。

擁壁や排水施設も要チェック

山道の車を走らせていると、このような光景を見たことがあると思います。

この山の斜面に建てられているのが擁壁(ようへき)です。

この擁壁の高さが5mを超える設置をする時には、一定の資格を有する者の設計で行われなければなりません。

また、切土盛土の面積が1,500平方メートルを超えて排水施設を設置する場合も、一定の資格を有する者の設計で行わなければなりません。

資格者とは一級建築士などの建築の専門家を指します。

知事が許可or不許可の処分をする

都道府県知事は、許可の申請があった場合、遅滞なく許可または不許可の処分をしなければなりません。

これらは文書によって行われ、知事は工事に必要な条件をつけることができます。

これは許可申請書に付されている条件ですが、このような条件をつけることができるのですね。

大阪府HP

そして、工事が完了したら造成主は都道府県知事の許可を受ける必要があります。

検査の結果、都道府県知事が基準を満たしていると認めた場合、検査済証を交付しなければなりません。

許可が不要な場合

そもそも、宅地造成に該当しなければ許可は必要ありません。

宅地を宅地以外にする場合、などですね。

届出で良い場合

また以下のような場合は、届け出をしなければなりません。

1 宅地造成工事規制区域指定の際、すでに工事が行われている場合
  指定があった日から21日以内に届出が必要

2 高さが2mを超える擁壁等に関する除却工事その他一定の工事を行おうとするとき
  工事に着手する日の14日前までに届出が必要

3 宅地以外の土地を宅地に転用した場合
  転用した日から14日以内に届出が必要

まとめ

以上、今回は熱海の事例を例に、宅地造成工事規制区域を解説してみました。

宅地造成工事規制区域かどうかを調べるためには、市役所で「ここは、宅地造成工事規制区域に該当しますか?」と聞けば教えてくれます。

造成行為が絡んでくる「開発行為・開発許可」についてはこの記事でも紹介していますので、是非参考にしてみてください。