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【宅建】その他法令上の制限の覚え方を解説

中々手が回らない分野に、その他法令上の制限の分野があります。

この分野は必ず出るわけではありませんが、全く知らずに試験に挑むのも不安な分野です。

大きくは、知事の許可が必要なものと、その他の法令で定める管理者の許可が必要なものに分かれます。

ここでは、主な法律の第一条を並べることで、ざっくりイメージをつかむことを目的としています。

都道府県知事の許可が必要なもの

まずは、都道府県知事の許可が必要なものから見てみましょう。

ワンポイントアドバイス

各法律の第一条は、その法律の定められた目的が書いてあります。

特に都道府県知事が許可するものは「国民」というキーワードや「災害」というキーワードが入っていますので、重大なものは知事が決定する!という覚え方もおすすめです。

森林法

この法律は、森林計画、保安林その他の森林に関する基本的事項を定めて、森林の保続培養と森林生産力の増進とを図り、もつて国土の保全と国民経済の発展とに資することを目的とする。

森林法 第一条

地すべり等防止法

この法律は、地すべり及びぼた山の崩壊による被害を除却し、又は軽減するため、地すべり及びぼた山の崩壊を防止し、もつて国土の保全と民生の安定に資することを目的とする。

地すべり等防止法第一条

土地収用法

この法律は、公共の利益となる事業に必要な土地等の収用又は使用に関し、その要件、手続及び効果並びにこれに伴う損失の補償等について規定し、公共の利益の増進と私有財産との調整を図り、もつて国土の適正且つ合理的な利用に寄与することを目的とする。

土地収用法第一条

急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律

この法律は、急傾斜地の崩壊による災害から国民の生命を保護するため、急傾斜地の崩壊を防止するために必要な措置を講じ、もつて民生の安定と国土の保全とに資することを目的とする。

急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第一条

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律

この法律は、土砂災害から国民の生命及び身体を保護するため、土砂災害が発生するおそれがある土地の区域を明らかにし、当該区域における警戒避難体制の整備を図るとともに、著しい土砂災害が発生するおそれがある土地の区域において一定の開発行為を制限し、建築物の構造の規制に関する所要の措置を定めるほか、土砂災害の急迫した危険がある場合において避難に資する情報を提供すること等により、土砂災害の防止のための対策の推進を図り、もって公共の福祉の確保に資することを目的とする。

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第一条

急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律

この法律は、急傾斜地の崩壊による災害から国民の生命を保護するため、急傾斜地の崩壊を防止するために必要な措置を講じ、もつて民生の安定と国土の保全とに資することを目的とする。

急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律 第一条

自然公園法

この法律は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与することを目的とする。

自然公園法第一条
注意!

なお、自然公園法の中には、国定公園国立公園があります。

国定公園は、都道府県知事ですが、国立公園は、環境大臣の許可が必要です。

国定の定(てい)がタ行なので、知事(ちじ)のタ行(て・ち)でお揃い!と覚えておきましょう。

国立(りつ)はタ行が入っていないので、環境大臣!

都市緑地法

この法律は、都市における緑地の保全及び緑化の推進に関し必要な事項を定めることにより、都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)その他の都市における自然的環境の整備を目的とする法律と相まつて、良好な都市環境の形成を図り、もつて健康で文化的な都市生活の確保に寄与することを目的とする。

都市緑地法第一条

※市の区域内にあっては市の長の許可が必要です。

なお、次の点に注意です。

  • 特別緑地保全地区については許可が必要
  • 緑地保全地域は届出が必要

都道府県知事以外

次に都道府県知事以外の法律です。

イメージとしては、海や川、道路に関する普段の生活に身近なもの、緑や景観などの景色に関することは都道府県知事以外とイメージできます。

注意

都道府県知事の許可が必要な中にも森林法や都市緑地法など、緑と関連のある法律もありますので、ご注意ください。

文化財保護法

文化庁長官の許可が必要

この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。

文化財保護法第一条

海岸法

海岸管理者の許可が必要

この法律は、津波、高潮、波浪その他海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するとともに、海岸環境の整備と保全及び公衆の海岸の適正な利用を図り、もつて国土の保全に資することを目的とする。

海岸法第一条

河川法

河川管理者の許可が必要

この法律は、河川について、洪水、津波、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、流水の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより、国土の保全と開発に寄与し、もつて公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進することを目的とする。

河川法第一条

港湾法

港湾管理者の許可が必要

この法律は、交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、環境の保全に配慮しつつ、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図るとともに、航路を開発し、及び保全することを目的とする。

河川法第一条

道路法

道路管理者の許可が必要

この法律は、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もつて交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的とする。

道路法第一条

生産緑地法

市町村長の許可が必要

この法律は、生産緑地地区に関する都市計画に関し必要な事項を定めることにより、農林漁業との調整を図りつつ、良好な都市環境の形成に資することを目的とする。

生産緑地法第一条

景観法

景観行政団体の長の許可(届出)が必要

この法律は、我が国の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

景観法第一条
  • 景観計画区域内において、建築物の建築等を行おうとする者は、一定事項を景観行政団体の長に届出をする必要があります。
  • 景観重要建築物の増築・改築・移転・除却・外観を変更などは、原則景観行政団体の長の許可が必要です。
しまうまふどうさん
しまうまふどうさん

なお、景観重要建築物には、浅草の神谷バーさんなどがあります。

まとめ

以上、その他法令上の制限についてまとめてみました。

これらは、その他として分類されていますので、あまり深入りする必要はありません。

宅地造成等規制法(知事の許可)などはしっかり学んでおく必要がありますので、こちらの記事もご参考ください。

宅地造成等規制法とは?画像付きでわかりやすく解説

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