
開発行為?開発許可??
開発行為や開発許可は、なかなかイメージがしづらい言葉です。
ここでは具体的に、開発行為とは、いったいなにを開発しているのか、開発許可とは、いったいなにを許可しているのか、詳しく解説していきたいと思います。

不動産業界で働きながら、不動産専門ブログを運営しているOTOMO(@zebrakun24)が解説します!宅建独学合格済です。
- 開発行為とは何か?がわかる
- 開発行為と開発許可の違いがわかる
- 開発行為・開発許可のイメージが掴める

目次
開発行為とはなにか?
まず、開発行為(かいはつこうい)のイメージを説明します。
建物をたてるために、道路や水路を新しく作ったり廃止する、土を盛ったり切り土をしたりして造成する、農地などを宅地に変える、などのために土地の工事を行うことです。

このように、建物をたてるために土を切り崩したり、元々農地だった場所を宅地に変えることを開発行為、といいます。
正確な言葉の定義は、都市計画法の第4条第12項をみてみましょう。
この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。
都市計画法の第4条第12項
ポイントは、特定工作物と土地の区画形質の変更にあてはまれば、それは開発行為となる点です。
特定工作物とは?
特定工作物(とくていこうさくぶつ)は、第一種特定工作物と第二種特定工作物にわかれます。
第一種特定工作物
第一種特定工作物とは、周辺の地域の環境悪化をもたらす恐れのある、下記の一定の工作物を言います。(都市計画法施行令第1条1項)
- コンクリートプラント
- アスファルトプラント
- クラッシャープラント、危険物など
プラントのイメージ

第二種特定工作物
第二種特定工作物とは、大規模な工作物で、下記の都市計画法施行令第1条2項に指定されたものを言います。
- ゴルフコース(面積関係なし)
- 1ha以上の野球場、テニス場、陸上競技上、遊園地、動物園その他の運動・レジャー施設
- 1ha以上の墓地
ゴルフコース・遊園地のイメージ


1ha(ヘクタール)とは10,000平方メートル(100メートル×100メートル)の大きさです。
区画形質の変更とは?
建物を立てるために、道路に水路を引き込んだり、盛り土をするために土地を工事することを言います。
下記の3つに当てはまれば、区画形質の変更にあたります。
- 区画の変更:道路、水路、公園などを新設、変更又は廃止すること
- 形状の変更:盛土又は切土を行う造成で土地の形状を変更すること
- 性質の変更:農地などの宅地以外の土地を建築物の建築等の用に供するために宅地に変更すること
区画形質の変更には、建物の基礎打ちや分筆・合筆などは含まれません。
宅地造成のイメージ


建物を建てること自体を開発行為というのではないんだね!
次の章では、開発許可についてみていきましょう。
開発許可とはなにか?
開発許可とは、上記で説明した開発行為をおこなうための許可制度です。
都市計画法第29条に定められており、開発行為をするためには、様々な事前調整や書類を提出した上で、都道府県知事(中核市長)に許可をもらう必要があるのです。

開発行為をしたいのならば、開発許可を取らないといけないんだね!
そして、この開発行為には開発許可が不要な場合があります。
具体的な内容を見る前に、まず、成り立ちを理解した方が分かりやすいので、説明します。
開発許可の成り立ち
都市計画法、開発許可制度が導入された昭和43年当時は、いわゆる高度経済成長期にあり、都市に人口や産業が集中していました。

その結果、道路や上下水道・学校などの施設が未整備のまま無計画に、無秩序に広がっていきました。これをスプロール現象といいます。
それを防ぐために、市街化区域・市街化調整区域という区域区分が定められました。
そして、この区域区分の中で勝手な開発ができず、また市街化すべきでない市街化調整区域では、一定のものをのぞいて開発ができないようにする。
そのような背景があり、生まれたのが開発許可制度なのです。
区域区分のイメージ

開発許可が不必要なもの
開発許可が不要なものは、第29条第1項と第2項で次のように規定されています。
第1項では、都市計画区域又は準都市計画区域内について、第2項では、都市計画区域外について規定されています。
都市計画区域又は準都市計画区域内
条文です。
都市計画法第29条第1項
都市計画法第29条第1項
都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(略)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。

都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内
都市計画法第29条第2項
都市計画法第29条第2項
都市計画区域及び準都市計画区域外 の区域内において、それにより一定の市街地を形成すると見込まれる規模として政令で定める規模以上の開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
言い回しがややこしいですが、この色付けした部分です。

以下、まとめです。

まとめ
以上、開発行為と開発許可の概要について説明しました。なかなか馴染みがない分野ですが、理解に役立てば幸いです。
開発行為とはなにかを知る
開発行為を行うためには開発許可が必要
開発行為の中には、開発許可が不要なものもある
この後は、開発許可の申請手続に移っていきますが、その流れはこちらの記事でも解説していますので、ぜひご参考ください。

不動産業界に挑戦したい方、新たな可能性を見つけたい方は、不動産専門の転職エージェントの登録もおすすめです。利用は完全無料です。
不動産業界を専門にした転職支援サービス【宅建Jobエージェント】<未経験可!毎月600名が登録!>
不動産業界専門の転職エージェント【RSG Real-Estate Agent】<100人中99.4%人が給与アップの実績!>