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【民法は捨てる?】宅建の科目別配点や難易度を解説します!

科目別難易度

宅建試験は不動産の試験でしょ?と言われます。

もちろんそうなのですが、法律の試験である、とイメージしておきましょう。

宅建業法民法といった言葉が先行しがちになりますが、基本的には

「法律をきちんと理解できていますか?」

といった点や

「きちんと事務処理できますか?」

が問われる試験となります。

それぞれの分野に特徴があり、始める時期によっても戦略が異なりますので、この記事では科目別の全体像と攻略法を徹底解説したいと思います。

この記事で分かること

・宅建試験には、どんな科目が出題されるのかが分かる

・配点や目標点などの具体的な数字が分かる

・自分はどの分野から取り組むべきかが分かる

・勉強の開始時期が分かる

OTOMO
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宅建独学で合格し、宅建士でもある筆者が解説します!

【2023年合格目標】宅建取得は独学?通信講座?勉強方法を解説します!【宅建士監修】

宅建試験の科目別配点と全体像を確認

宅建試験は全部で50問あります。その中でもカテゴリを大きく5つに分けることができます。

全問マークシートの4肢択一です。

以下、実際に出題される詳細を記載します。

分野出題範囲出題数問題番号
権利関係・民法
・借地借家法
・区分所有法
・不動産登記法
14点問1〜問14
法令上の制限・都市計画法
・建築基準法
・国土利用計画法、その他法令制限
・農地法
・宅地造成等規制法
・土地区画整理法
8点問15〜問22
税・その他・国税
・地方税
・地価公示法か不動産鑑定評価
3点問23〜問25
宅建業法・宅建業法
・住宅瑕疵担保履行法
20点問26〜問45
5問免除項目・住宅金融支援機構
・景品表示法
・統計
・土地
・建物
5点問46〜問50

上記を見ていただくと、様々な法律を学ばなければならないことが分かります。

とはいえ、法律ごとに出る分野も絞られていますので、いかにポイントを絞った勉強ができるかがカギとなります。

宅建試験の理想的な科目別攻略法について

各科目の理想的な目標点はどの程度なのでしょうか?

これには様々な意見があり、数年前までは35点目指せれば良いとされていました。

なぜなら、35点前後で合格点が推移していたためです。

しかし、令和に入ってから、37点・38点という高得点での合格ラインとなった年もあり、35点を目指すよりも40点近くを目指さなければいけない試験になってきました。

宅建という試験の特性上、満点を取ることは非常に難しいです。私も大手の全国模試で46点を取ったことがありますが、その時は、約3,000人中11位でした。50点に1人、49点に2人程いましたが、そこのラインを目指す必要はありません。

私が考える、合格に理想的な配点は以下の通りです。

分野目標点出題数
権利関係7点(50%)14点
法令上の制限7点(87%)8点
税・その他2点(66%)3点
宅建業法19点(95%)20点
5問免除項目(※)4点(80%)5点
合計39点(78%)50点

この配点については、権利関係は50%と低めに設定してありますが、他の分野は基本的に失点を1点まで抑える戦略になります。

後ほど説明しますが、権利関係は勉強したところが出るとは限らず、努力が実を結ばない可能性もあります。

なので、民法の最低ラインは50%としながらも、他の分野で高得点を狙う。

その上で民法で上乗せを狙う、という配点が理想的だと考えています。

【宅建の合格点推移】過去10年分のデータから何点取ればいいか分析してみる
5問免除科目(※)とは?

不動産業界に勤めている方で、講習を受けると5問が免除される制度です。つまり、45問の試験になりますので、制度が使える方には非常に有利な制度です。

OTOMO
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それでは、それぞれの科目の特徴と攻略方法を解説していきます!

権利関係

民法は難しいと一般的に言われます。

そして、権利関係は、以下の分野で構成されています。

  • 民法
  • 借地借家法
  • 区分所有法
  • 不動産登記法

先ほども触れましたが、民法の分野は、とても広範に渡り、勉強してもその分野が出ない可能性があります。

OTOMO
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ちなみに私は令和3年に抵当権の分野の勉強にかなり力を入れましたが、試験には出ませんでした笑

逆に、例年出る、いわゆる努力が報われる分野があります。

それが、借地借家法・区分所有法・不動産登記法です。

これらの分野は抑えておきたいところです。

また、民法は早めに学習を開始する人が反復して理解するのに向いています。

直前に力を入れてやる分野ではありませんので、上記の出る分野を中心に演習を繰り返していく必要があります。

法令上の制限

細かい数字が多く、暗記勝負です。

特に、都市計画法・建築基準法は中々普段馴染みのない分野のため、早めに着手し、理解を深めておく必要があります。

逆に、残りの分野は多少の暗記で要点を絞ることで十分特典も可能なため、全てにまんべんなくパワーをかけるよりは優先順位をつけて勉強していくと良いでしょう。

ただ、年によっては非常に難しい問題も出ますので、その時は解けないと割り切りましょう。

その年は合格基準点も下がる傾向にあります。

OTOMO
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過去問を十分にしていて、本試験で異質な問題が出たら、その問題は皆が解けない可能性が高いです。

税・その他

主に、国税と地方税、そして地価公示法と不動産鑑定評価のいずれかから3問出題されます。

この分野は深追い禁物です。本気で勉強しようと思うと、とてつもなく深い範囲まで突っ込まないといけないので。。。

宅建業法

宅建業法は、最も注力すべき分野です。

配点も多くなっています。この分野は、難しいというよりは、ケアレスミスを誘発されるように作られています。

特に、普段仕事をしながら勉強されている方ですと、ネットで飛ばし読みが主になっているかと思います。そんな中で、以下のような問題が出題されます。

以下の設問から、誤っているものはいくつあるか選びなさい。

この問題を、限りある時間の中で解いていくわけですから、誤っているものを選んでいたつもりが、正しいものを選んでいた!といううっかりミスは十分におきうるのです。

つまり、あなたの事務処理能力はありますか?と聞かれている試験問題とも言えます。

  • 個数問題が多い
  • 引っ掛けが多い
  • 組み合わせ問題も頻出

あいまいな知識だと、撃沈するので、宅建業法の知識だけではなく、ケアレスミスを防ぐ勉強も同時にしていく必要があるというのは是非とも心に留めておいていただけたら幸いです。

5問免除

この分野については、直前の対策で十分です。

一般常識の知識がほとんどで、中でも統計については試験が間近にならないと、統計が発表されません。

統計とは、不動産業界が上昇傾向か、下降傾向か、法人数は増えているのか、といった問題です。

なお、不動産会社で働いていると使える5問免除という便利な制度があります。このために転職する必要はないと思いますが、不動産業界への転職に興味がある方は、以下のサイトも覗いてみてください。

宅建試験で一番大切なこと

宅建試験で大切なことは、本番で力を出し切れるかどうかです。

試験日1ヶ月前に完璧な知識が入っていたとしても、試験当日に全て忘れてしまっていたら元も子もありません。

実際そんなことないでしょ、と思われる方もいるかもしれませんが、人間の脳はとにかく忘れやすいのです。

なので、時間に余裕がある方は、理解に時間を費やして反復回数を増やす。時間に余裕のない方は、出る問題部分を集中して、徹底的に潰していく。

そうして本番に向けて調整いく必要があります。

そのためにも、上記で説明したような科目別の戦略が必要になります。

宅建試験についてさらに知りたい方はこちらもご覧ください。

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