遊休土地転換利用促進地区ってなに・・・?
工場跡地などで、ほったらかしになっている遊休土地を有効活用していきましょう!という地区です。
この、遊休土地転換利用促進地区(ゆうきゅうとちてんかんりようそくしんちく)は、平成2年の都市計画法の改正により導入された地区のことです。
市街化区域内で、大規模な土地が活用されないまま放置されている場合に、都市計画に市町村が定めることができます。
市街化区域とは・・・
すでに市街地を形成している地区、今後10年以内に市街地を図っていく地区。
つまり、積極的にまちづくりをしていくエリアのことです。
令和2年時点の国交相の調査によると、神奈川県川崎市で5地区、平成3年にこの地区が指定されましたが、現在は全て廃止になっています。
そのため、今現在の日本での指定はありませんし、過去の例を見てもこれから多く活用される訳でもなさそうです。
川崎市の5地区に指定された場所は、もともと土地区画整理事業地内にも関わらず、未利用だったようです。
つまり、市街化を図るべき区域であったにも関わらず遊休土地化していた、のですね。
そこで、市町村がこの制度を利用して、促進地区として定め、土地利用を促しました。
土地利用の促進が目的ですから、目的が果たされれればいつまでも指定しておく必要はないですよね。
そのような理由から現在は全て廃止になっています。
遊休土地利用転換促進地区の要件
遊休土地利用転換促進地区は、都市計画法第10条の3で定められています。
以下要約します。
都市計画法 第10条の3
都市計画法
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる条件に該当する土地の区域について、遊休土地転換利用促進地区を定めることができる。
1 相当期間にわたり住宅の用、事業の用に供されていないこと
2 土地利用の増進を図る上で著しく支障となっていること
3 有効かつ適切な利用が必要なこと
4 おおむね5,000m2以上の規模の区域であること
5 当該区域が市街化区域内にあること
これらの条件に当てはまった場合、市町村は、遊休土地転換利用促進地区を定めることができます。
遊休土地である旨の通知
この地区が正式に公示されてから2年経過後、市町村長は、遊休土地である旨の通知を土地所有者に対してしなければなりません。以下条文を要約します。
都市計画法第58条の7
都市計画法
市町村長は、告示の日の翌日から起算して2年経過後に、当該土地が遊休土地である旨の通知を土地所有者に対してするものとする
1 土地所有者等がその土地を取得してから2年を経過したこと
2 その土地が1,000m2以上の一団の土地であること
3 その土地が住宅の用、事業の用等に供されていないこと等
計画の届け出、勧告、買取協議
土地所有者は、市町村長の通知から6ヶ月以内に、遊休土地の利用又は処分に関する計画の届け出が必要です。市町村長は届出内容に支障があると認めるときは、計画の変更・必要な措置を勧告します。
市町村長は、勧告に従わないときは、買取協議への通知を行います。
まとめ
今回は、遊休土地転換利用促進地区について解説してみました。
都市計画法は、良いまちづくりを行うための法律ですので、他にも様々な制度があります。詳しく知りたい方はぜひこちらの記事もご参考ください。