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行政不服審査法『再調査』の準用をわかりやすく解説

行政書士受験生
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行政不服審査法の再調査がイミフメイ・・・

これは今受験を控えている私の心境です。

肢別問題集に出てくるもののミニマム六法には載っていないし、これ覚える必要あるのか?と思いがち。

ただ、結構な頻度で見かけるので、ここでまとめておきます。

ぐちゃぐちゃで整理できていない自分に向けて書いた記事です。

行政不服審査法の再調査の準用について

まず、この準用規定が定められているのは行政不服審査法61条です。

条文を見てみましょう。

審査請求に関する規定の準用

第六十一条 第九条第四項、第十条から第十六条まで、第十八条第三項、第十九条(第三項並びに第五項第一号及び第二号を除く。)、第二十条、第二十三条、第二十四条、第二十五条(第三項を除く。)、第二十六条、第二十七条、第三十一条(第五項を除く。)、第三十二条(第二項を除く。)、第三十九条、第五十一条及び第五十三条の規定は、再調査の請求について準用する。この場合において、別表第二の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

行政不服審査法第61条

はい、頭痛いですよね。

要は、これらの規定は再調査の請求に準用しますよ、ということが書かれています。

シンプルに考えると、何条が準用されているか?整理していくだけです。

それでは整理、行ってみましょう!

再調査の請求に準用される条文リストをわかりやすく整理

漢数字を数字に直して、以下の表にしてみました。

並べてみると2章「審査請求」の条文が準用されていることがわかります。

再調査の準用リスト

条文番号テーマ除く
↓1節 審査庁及び審理関係人9審理員4項のみ
10法人でない社団又は財団の審査請求
11総代
12代理人による審査請求
13参加人
14行政庁が裁決をする権限を有しなくなった場合の措置
15審理手続の承継
16標準審理期間
↓2節 審査請求の手続き18審査請求書の提出3項のみ
19審査請求書の提出3項と5項第1号及び2号を除く
20口頭による審査請求
23審査請求書の補正
24審理手続を経ないでする却下裁決
25執行停止3項除く
26執行停止の取消し
27審査請求の取下げ
↓3節 審理手続き31口頭意見陳述5項除く
32証拠書類等の提出2項除く
39審理手続の併合又は分離
↓5節 裁決51裁決の効力発生
53証拠書類等の返還

こう見ると、1節の条文準用が多いことがわかります。

再調査の審査は、「裁決」ではなく「決定」なので、裁決の節は準用が少ない、と記憶しておくことにします。

特に準用されないものでここは覚えておいた方が良さそうだなと思うものをいくつかピックアップ。

  • 審理員となるべきものの名簿は適用されない
  • 処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない審査庁の執行停止の規定は適用されない
  • 口頭意陳述(口頭意見陳述に際し、申立人は、審理員の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、処分庁等に対して、質問を発することができる。)は適用されない
  • 不作為についての審査請求書の提出は「審査請求の年月日のみ」を記載
  • 処分庁等は、当該処分の理由となる事実を証する書類その他の物件を提出することができる。は、適用されない

条文が多くなってしまいますが、こちらも載せておきます。

再調査の準用条文

条文テーマ除く条文
9審理員4項のみ第四条又は他の法律若しくは条例の規定により審査請求がされた行政庁(第十四条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。以下「審査庁」という。)は、審査庁に所属する職員(第十七条に規定する名簿を作成した場合にあっては、当該名簿に記載されている者)のうちから第三節に規定する審理手続(この節に規定する手続を含む。)を行う者を指名するとともに、その旨を審査請求人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。)に通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる機関が審査庁である場合若しくは条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合又は第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合は、この限りでない。
一 内閣府設置法第四十九条第一項若しくは第二項又は国家行政組織法第三条第二項に規定する委員会
二 内閣府設置法第三十七条若しくは第五十四条又は国家行政組織法第八条に規定する機関
三 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百三十八条の四第一項に規定する委員会若しくは委員又は同条第三項に規定する機関
2 審査庁が前項の規定により指名する者は、次に掲げる者以外の者でなければならない。
一 審査請求に係る処分若しくは当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者又は審査請求に係る不作為に係る処分に関与し、若しくは関与することとなる者
二 審査請求人
三 審査請求人の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
四 審査請求人の代理人
五 前二号に掲げる者であった者
六 審査請求人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
七 第十三条第一項に規定する利害関係人
3 審査庁が第一項各号に掲げる機関である場合又は同項ただし書の特別の定めがある場合においては、別表第一の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとし、第十七条、第四十条、第四十二条及び第五十条第二項の規定は、適用しない。

4 前項に規定する場合において、審査庁は、必要があると認めるときは、その職員(第二項各号(第一項各号に掲げる機関の構成員にあっては、第一号を除く。)に掲げる者以外の者に限る。)に、前項において読み替えて適用する第三十一条第一項の規定による審査請求人若しくは第十三条第四項に規定する参加人の意見の陳述を聴かせ、前項において読み替えて適用する第三十四条の規定による参考人の陳述を聴かせ、同項において読み替えて適用する第三十五条第一項の規定による検証をさせ、前項において読み替えて適用する第三十六条の規定による第二十八条に規定する審理関係人に対する質問をさせ、又は同項において読み替えて適用する第三十七条第一項若しくは第二項の規定による意見の聴取を行わせることができる。
10法人でない社団又は財団の審査請求法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができる。
11総代多数人が共同して審査請求をしようとするときは、三人を超えない総代を互選することができる。
2 共同審査請求人が総代を互選しない場合において、必要があると認めるときは、第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。)は、総代の互選を命ずることができる。
3 総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。
4 総代が選任されたときは、共同審査請求人は、総代を通じてのみ、前項の行為をすることができる。
5 共同審査請求人に対する行政庁の通知その他の行為は、二人以上の総代が選任されている場合においても、一人の総代に対してすれば足りる。
6 共同審査請求人は、必要があると認める場合には、総代を解任することができる。
12代理人による審査請求審査請求は、代理人によってすることができる。
2 前項の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。
13参加人利害関係人(審査請求人以外の者であって審査請求に係る処分又は不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者をいう。以下同じ。)は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。
2 審理員は、必要があると認める場合には、利害関係人に対し、当該審査請求に参加することを求めることができる。
3 審査請求への参加は、代理人によってすることができる。
4 前項の代理人は、各自、第一項又は第二項の規定により当該審査請求に参加する者(以下「参加人」という。)のために、当該審査請求への参加に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求への参加の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。
14行政庁が裁決をする権限を有しなくなった場合の措置行政庁が審査請求がされた後法令の改廃により当該審査請求につき裁決をする権限を有しなくなったときは、当該行政庁は、第十九条に規定する審査請求書又は第二十一条第二項に規定する審査請求録取書及び関係書類その他の物件を新たに当該審査請求につき裁決をする権限を有することとなった行政庁に引き継がなければならない。この場合において、その引継ぎを受けた行政庁は、速やかに、その旨を審査請求人及び参加人に通知しなければならない。
15審理手続の承継審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。
2 審査請求人について合併又は分割(審査請求の目的である処分に係る権利を承継させるものに限る。)があったときは、合併後存続する法人その他の社団若しくは財団若しくは合併により設立された法人その他の社団若しくは財団又は分割により当該権利を承継した法人は、審査請求人の地位を承継する。
3 前二項の場合には、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又は法人その他の社団若しくは財団は、書面でその旨を審査庁に届け出なければならない。この場合には、届出書には、死亡若しくは分割による権利の承継又は合併の事実を証する書面を添付しなければならない。
4 第一項又は第二項の場合において、前項の規定による届出がされるまでの間において、死亡者又は合併前の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割をした法人に宛ててされた通知が審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又は合併後の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割により審査請求人の地位を承継した法人に到達したときは、当該通知は、これらの者に対する通知としての効力を有する。
5 第一項の場合において、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者が二人以上あるときは、その一人に対する通知その他の行為は、全員に対してされたものとみなす。
6 審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て、審査請求人の地位を承継することができる。
16標準審理期間第四条又は他の法律若しくは条例の規定により審査庁となるべき行政庁(以下「審査庁となるべき行政庁」という。)は、審査請求がその事務所に到達してから当該審査請求に対する裁決をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁(当該審査請求の対象となるべき処分の権限を有する行政庁であって当該審査庁となるべき行政庁以外のものをいう。次条において同じ。)の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
18審査請求書の提出3項のみ3 不作為についての審査請求書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 当該不作為に係る処分についての申請の内容及び年月日

三 審査請求の年月日
19審査請求書の提出3項と5項第1号及び2号を除く審査請求は、他の法律(条例に基づく処分については、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、政令で定めるところにより、審査請求書を提出してしなければならない。
2 処分についての審査請求書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 審査請求に係る処分の内容
三 審査請求に係る処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定)があったことを知った年月日
四 審査請求の趣旨及び理由
五 処分庁の教示の有無及びその内容
六 審査請求の年月日
3 不作為についての審査請求書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 当該不作為に係る処分についての申請の内容及び年月日
三 審査請求の年月日
4 審査請求人が、法人その他の社団若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合には、審査請求書には、第二項各号又は前項各号に掲げる事項のほか、その代表者若しくは管理人、総代又は代理人の氏名及び住所又は居所を記載しなければならない。
5 処分についての審査請求書には、第二項及び前項に規定する事項のほか、次の各号に掲げる場合においては、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
一 第五条第二項第一号の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合 再調査の請求をした年月日
二 第五条第二項第二号の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合 その決定を経ないことについての正当な理由
三 審査請求期間の経過後において審査請求をする場合 前条第一項ただし書又は第二項ただし書に規定する正当な理由
20口頭による審査請求口頭で審査請求をする場合には、前条第二項から第五項までに規定する事項を陳述しなければならない。この場合において、陳述を受けた行政庁は、その陳述の内容を録取し、これを陳述人に読み聞かせて誤りのないことを確認しなければならない。
23審査請求書の補正審査請求書が第十九条の規定に違反する場合には、審査庁は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
24審理手続を経ないでする却下裁決前条の場合において、審査請求人が同条の期間内に不備を補正しないときは、審査庁は、次節に規定する審理手続を経ないで、第四十五条第一項又は第四十九条第一項の規定に基づき、裁決で、当該審査請求を却下することができる。
 審査請求が不適法であって補正することができないことが明らかなときも、前項と同様とする。
25執行停止3項を除く審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
2 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置(以下「執行停止」という。)をとることができる。
3 処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取した上、執行停止をすることができる。ただし、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止以外の措置をとることはできない。
4 前二項の規定による審査請求人の申立てがあった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない。ただし、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、この限りでない。
5 審査庁は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
6 第二項から第四項までの場合において、処分の効力の停止は、処分の効力の停止以外の措置によって目的を達することができるときは、することができない。
7 執行停止の申立てがあったとき、又は審理員から第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出されたときは、審査庁は、速やかに、執行停止をするかどうかを決定しなければならない。
26執行停止の取消し執行停止をした後において、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなったとき、その他事情が変更したときは、審査庁は、その執行停止を取り消すことができる。
27審査請求の取下げ審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる。
2 審査請求の取下げは、書面でしなければならない。
31口頭意見陳述5項除く審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者(以下この条及び第四十一条第二項第二号において「申立人」という。)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。
2 前項本文の規定による意見の陳述(以下「口頭意見陳述」という。)は、審理員が期日及び場所を指定し、全ての審理関係人を招集してさせるものとする。
3 口頭意見陳述において、申立人は、審理員の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
4 口頭意見陳述において、審理員は、申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合には、これを制限することができる。
5 口頭意見陳述に際し、申立人は、審理員の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、処分庁等に対して、質問を発することができる。
32証拠書類等の提出2項除く審査請求人又は参加人は、証拠書類又は証拠物を提出することができる。
2 処分庁等は、当該処分の理由となる事実を証する書類その他の物件を提出することができる。
3 前二項の場合において、審理員が、証拠書類若しくは証拠物又は書類その他の物件を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
39審理手続の併合又は分離審理員は、必要があると認める場合には、数個の審査請求に係る審理手続を併合し、又は併合された数個の審査請求に係る審理手続を分離することができる。
51裁決の効力発生裁決は、審査請求人(当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第四十六条第一項及び第四十七条の規定による裁決にあっては、審査請求人及び処分の相手方)に送達された時に、その効力を生ずる。
2 裁決の送達は、送達を受けるべき者に裁決書の謄本を送付することによってする。ただし、送達を受けるべき者の所在が知れない場合その他裁決書の謄本を送付することができない場合には、公示の方法によってすることができる。
3 公示の方法による送達は、審査庁が裁決書の謄本を保管し、いつでもその送達を受けるべき者に交付する旨を当該審査庁の掲示場に掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載してするものとする。この場合において、その掲示を始めた日の翌日から起算して二週間を経過した時に裁決書の謄本の送付があったものとみなす。
4 審査庁は、裁決書の謄本を参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。)に送付しなければならない。
53証拠書類等の返還審査庁は、裁決をしたときは、速やかに、第三十二条第一項又は第二項の規定により提出された証拠書類若しくは証拠物又は書類その他の物件及び第三十三条の規定による提出要求に応じて提出された書類その他の物件をその提出人に返還しなければならない。

まとめ

以上、行政不服審査法の再調査の準用についてまとめてみました。

なかなかごちゃごちゃする分野ですが、一度でもみておくことで対応できることもあるかと思いまとめてみました。

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