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街の不動産屋がつぶれないのはなぜ?実際に働いててわかったこと

こんにちは、不動産のOTOMO(@zebrakun24)です。

街の不動産屋さん、なぜ潰れないんだろう?

なんだか昭和だし、ちょっと入りにくい。そのような印象ないでしょうか。

かくいう私は、現在街の不動産屋(=地域密着の不動産屋)で働いています。

実際に働いてみて、その仕組みに驚くとともに、これはビジネスや商売の基本形を極めた形ではないか?と思うほどでした。

今回は、街の不動産屋のビジネスモデルを読み解くことで、潰れない理由、そして街の不動産屋で働くのはアリなのか、そのような点に迫ってみたいと思います。

街の不動産屋が潰れない、本当の理由

まず、街の不動産屋が潰れないのは合理的かつシンプルなビジネスモデルにあると考えます。

不動産屋といえば、家を借りる人に案内して、何件か回って契約する。

そんなイメージが強いかもしれません。

しかし、実に多くの分野があり、とても奥深い仕事です。

ざっくり4つに分類するだけでも、以下のような仕事があります。

  1. 流通:いわゆる不動産屋さん。売買や賃貸の営業
  2. 開発:マンションや分譲地開発を行う。俗にいうデベロッパー
  3. 管理:物件の管理やメンテナンス、建物管理を行う会社
  4. 賃貸:自分の家を貸したり、収益物件を賃貸する大家さん

そして、これらは宅建業者という免許があれば可能です。(大家業については資格もいりません)

街の不動産屋は、これらの事業をうまく組み合わせ、かつ商売の基本を徹底して利益を出し、会社を継続させているのです。

具体的に説明していきます。

街の不動産屋に学ぶ5つの商売の原則

それでは、街の不動産屋が潰れない要素を5つに分けてみていきます。

これは、私が実際に働いて感じることを中心にまとめます。なお、私はこれまで広告・アパレル・ITと様々な仕事をしてきたので、そことの対比も交えながらご説明します。

ビジネスモデルが非常にシンプル

まず、街の不動産屋のビジネスモデルがシンプルな点です。

収益が発生するまでの流れを簡単にみてみましょう。

  1. 不動産を仕入れる
  2. 仕入れた商品を売る(もしくは貸す)

①ー②が利益になります。

これは単純化した例ですが、仕入れた商品を加工する場合や、仲介する場合もあります。

加工とは、リフォームして再販売するケースや田んぼを分譲地に仕立て上げて売るイメージです。

これらは、仮に街の不動産屋の社内の人数が少なくても、建築士や建築会社さんと連携することで商品を作ることができます。

そして、仕入れる際には、儲かるか儲からないかというシンプルな議論ができます。

私の前職のIT業界では、このサービス当たるかどうかわからないけど作ってみるか、という形で作ったはいいものの全く売れない(笑)というケースもよくあります。笑

その意味で、シンプルというのは一つの特徴と思います。

ストックとフロー収益があり、経営が安定する

次に、収益について。

不動産屋さんの収益には2種類あります。

見出しにもあるように、ストックフローかに分けられます。

ストックとは、毎月安定して入ってくる収益。フローは、単発的な収益を指します。

具体例で置き換えてみましょう。

  • ストック収益・・・建物や土地を貸す賃料、貸駐車場代、物件を管理する手数料、
  • フロー収益・・・仲介手数料、分譲地の販売益、中古物件の再販売利益

うまくいっているケースとしては、家賃収入+管理手数料収入で毎月のベースを安定させ、フローで余った利益を狙うという方法。

家賃や管理手数料は毎月安定して入ってきます。コロナウイルス下でも家賃がいきなり下がったりすることはありません。これは本当にビジネスとして強いです。

コロナ前、私は広告業を営んでいたのですが、コロナで全てが吹っ飛びました。やはり、不景気の時に一番に削減されるのは広告費です。

その分、家賃収入や継続している手数料は本当に強いと感じる次第です。

逆に仲介しかやっていない不動産屋はここに当てはまりませんので注意しましょう。

固定費が低い

街の不動産屋は、固定費を低く抑えられます。

固定費は、大きく家賃人件費です。

街の不動産屋は、自社の物件を事務所として利用している場合が多いと感じます。例えば4階建てのビルの1階部分に入居したり、小店舗を構えているケース。

アパレルや小売り店舗のように、自店舗を装飾する必要もありませんし、情報が集まる仕組みさえあれば、豪華なオフィスを借りる必要もありません。

さらに、人も過剰に抱える必要はありません。不動産業は他の業種に比べて利益率が高いことがデータでも裏付けされており、コスト意識は人一倍強い業界であるとも言えます。

不動産のプロであるからこそ、家賃を抑える術も知っているように感じます。

OTOMO
OTOMO

過度にブランディングせず、本質を捉えた事業をしています。

参入障壁の高さ

参入障壁とは、新しくビジネスをするために新規参入する際の壁の高さです。

例えば、ガスや電気事業を新しく始めるのは、参入障壁がとても高いです。規制も厳しく、様々な法律問題も解決しなけばなりません。

逆にブログやSNSなどは、参入障壁が低いです。低コストで誰でも気軽に始めることができるからです。

ビジネスとはいかにこの参入障壁を高めるかが、自社の強みになったり競合との差別化につながる鍵になります。

街の不動産屋は、この参入障壁が高いため、中々新規参入が難しい分野です。

具体的にいえば、地主とのコネクション地域でのクチコミネットに出ない地域での情報網、これら自体が資産になっているためです。

不動産ビジネスは、仕入れが全てです。仕入れたものを売却したり、賃貸したりして売上を上げるので、その仕入れの情報を獲得するのに、各社が多大なコストをかけるわけです。

ネット時代と言われますが、例えば、ネットだけで特定の街の地主さんにアクセスすることは難しいです。

そして、長い年月もかかりますし、営業コストも多くかかります。

この労力をすでに積み重ねているのが、街の不動産屋です。

地域で培った信頼と実績が、街の不動産屋の一番の差別化を図る武器となり、自然と差別化を図る要因になっています。

不動産を多数保有しているケースが多い

不動産は資産性があります。土地は無くならないですし、建物も火災がない限り無くなりません。何を当たり前のことを、と思われるかもしれません。

しかし、これはアパレル業界や広告業界で働いていた私からするとものすごいことだと思うのです。

例えば、アパレル業界では自分のデザインセンスから商品を作るわけなので、お金をかけて作ったものに全く価値がない(処分できない)というパターンもあります。

広告においても、多額の資金を使ったものの効果が出ない、ということもあります。すると何も残りません。

もちろん不動産においても売り時を間違ったり、トラブルや維持費で出費がかさみ利益が少なくなることがあります。しかし、売却することができます。

街の不動産屋は不動産という資産を多く保有しているケースが多いので、これも経営的に安定する一つの理由だと思います。

資金繰りに困ったら、今保有している資産を切り崩して凌ごう、という戦略を取ることもできます。

街の不動産屋で働くのはありか?

上記では、街の不動産屋のビジネスモデルが優れている点を説明しましたが、実際に働くのはアリなのでしょうか?

これに対する問いはアリです。

私自身が働いていますので、そのような選択肢もぜひ取り入れて欲しいと思います。

これからの時代は単に不動産屋として生き残っていくには変化を取り入れていかなければなりません。

そこで、すでに培ったスキルを街の不動産屋にミックスさせることでまた新しい世界観が生み出せると思うのです。

ただし、注意点があります。

それは、ある一定以上の規模の街の不動産屋を選んだ方が良いと思います。

街の不動産屋の働き方が気になる方は、こちらの記事もご参考ください。

街の不動産屋の年収はぶっちゃけどう?就職はアリ?現役不動産屋が答えます。

まとめ

私の場合は、ITに疎い環境を自分の力で変えていきたいと思い転職を決意しましたので、最初は大変でしたが、馴染んでくると自分にしかできない仕事を作り出せるのが面白いです。

まさに、街の不動産屋DXに取り組んでいるわけです(笑)

そのようにして、街の不動産屋に新しい風をおこしていくこともできます。

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