こんにちは、不動産のOTOMO(@zebrakun24)です。
5月21日(土)の日経朝刊を読んでいたところ「住宅仲介、担当者を指名」三菱地所が売却検討者向けサイトという見出しに目が止まりました。
該当のニュースはこちら。
三菱地所は不動産の仲介担当者を選べるサービスを始める。東京建物系など約10社の担当者100人が登録し、物件の売却検討者は担当者の経歴や実績などで選択できる。
5月21日日経新聞朝刊より一部引用
売却検討者が、仲介担当者の経歴や実績で担当者を選べるようになるサイトを、三菱地所さんが始めるというニュースです。
このニュースに対してツイートをしたところ、思った以上に反響をいただきました。
業界関係者の方にたくさんリツイートしていただき嬉しい限りです。ありがとうございます。
個人的に思うところが深いので、ブログで解説したいと思います。
目次
不動産仲介の担当指名制について
日本の不動産市場は、海外と比べて情報の透明性に課題があると言われてきました。
すでに、不透明性を打破するために、不動産エージェントを広めようという動きは各地であります。
国内ではTERASSさんのAgentlyが有名です。
今回、特徴的だと思った点は、大手である三菱地所さんが運営するという点。
運営会社の三菱地所リアルエステートサービスさんは、主に企業間取引(BtoB)の不動産仲介がメインのため、中立的な立場をとるようです。
不動産会社が、他の不動産会社向けにサービス提供するということに驚きました。
ちなみにこのニュースに対するツイートはこちらです。
この、いつかはこうなるだろうというのは、個人的なこうなってほしいという願望も含まれていました。
その願望がこのブログを続けられてきた理由でもあります。
不動産会社は売却の問い合わせをどのように対応するのか

まず、不動産会社の視点で物事を考えてみます。
今現在の不動産会社の構造はこうです。(少なくとも私のいる環境や周りでは)
- お客さんから問い合わせが来る
- 社内で担当者を割り振る
- お客さんの対応をする
不動産会社の立場で言えば、いい反響にはいい担当者をつけたい、というのが本音です。
不動産の広告費(特に売却)は、意外とバカにならないものです。
会社としても広告費をかけた分、契約率をあげたいというのは経営サイド、現場営業の本音です。
綺麗事抜きにして。
一方、お客さんの立場から見ると、この構造では、担当者を選べません。
不動産業界に限りませんが、商品やサービスがいいと思っていたのに、担当者がちょっと残念だったという経験は誰もがあるはずです。
中古本を売るとかそのレベルであれば良いのですが、何千万円、何億円する不動産の世界です。
信頼できる担当者に任せたい。
にもかかわらず選べない。
どんなに気を配っても人対人の商売ですから、完全な満足は難しいです。
現状、そこに対して特に疑問を持たずとも、現場は回っています。
不動産会社を取り巻く「売却反響の獲得」について

この構造には、不動産会社の集客方法(広告)も深く関わっていると思います。
不動産会社の命題は、不動産売却をいかに任せてもらえるか?という点です。
ネット集客や、チラシや看板、DMなど、不動産会社はあの手この手で集客を行います。
この中で「一括査定サイト」を利用している会社も多いと思います。
お客さんは、売りたい物件を査定サイトに見積もり依頼すると、複数の不動産会社に一括で問い合わせがいきます。
すると、何度も色々なところから電話がかかってきます。
知らない番号から何度も電話があるのは、現代においてあまり喜ばしいことではありません。
結果、複数の会社からどのように依頼する会社を選ぶのか?
お客さんとしても「なんとなく一番早く対応してくれたから」とか「担当がいい感じの方だったから」という理由で、物件売却を依頼する担当(会社)が決めざるを得ないのが現状だと思います。
一括査定サイトは、営業の立場、反響を取る立場から言えば、中々成果につながりません。
査定サイトの担当の方は、その問い合わせを追客していくのが成約のコツです、と言われます。
それもわかりますが、現実問題どうなのでしょうか。
私も、これまで10社以上査定サイトを使っていましたが、以下のような問題点を抱えていました。
- 結局のところお客さんが見た「空き家が高く売れるかも?」という広告と、こちらの出す査定価格に差が出てくる
- 自社で広告を出そうにも「不動産売却関連サービス」が乱立していて広告の出稿単価が高騰している
- 反響除外を受け付けてくれない
- 本気で売却したいという人は実は少ない
などなど
私のようなアナログな環境下においては、結局こんな結論になります。
『効果あるの?査定サイトの反響費用も高いし効果ないから、紹介とかアナログな営業するしかないよね』と。
これはアンバランスな仕組みだなと思っていました。
不動産屋としてはもっと自分のアピールする場が欲しい。
お客さんももっと、満足度の高いサービスを受けて欲しい。
これは私が不動産業界歴が浅いのも影響していて、少し斜に構えた見方かもしれません。
不動産仲介の担当は選べる、というのは選択肢の一つ

個人指名制を導入している不動産会社や、個人で活動されている方も、既にたくさんいらっしゃいます。
今は不動産会社の特定の個人の人を選ぶ、というほどの情報がまだ整っていません。
それよりも、そういう文化がまだないのかもしれません。
一方、個人で情報発信をされている方は、ブログやYoutubeの他、SNS、紹介などで、豊富に情報を出されています。
その人となりや考えが分かります。
お客さんも依頼しやすいです。
不動産業界の方ではないですが、ブログを中心にM&A仲介の反響をとられている方にこんな話を聞いたことがあります。
私のブログは一般的なM&A仲介会社を、どちらかと言えば否定するものです。私も大手M&A仲介会社にいたからわかりますが、仲介というモデル上不透明な部分があります。そこをさらけ出した上で、情報発信をしています。(リスクもありますが笑)
すると、やはりそのような思いを持っているお客さんもいるわけで、そんな方からのお問い合わせを多数いただきます。私の考えや信念を読み込んで問い合わせしてもらえるので、問い合わせ後のギャップがなく、ズレがありません。
お客さまも、しっかりブログを読んだ上で問い合わせる方がほとんどなので、全然思っていたのと違う!とはなりにくいようです。
高額の不動産ですから、やはり大手に任せたいという方もいます。
今現在の構造では、まず失敗したくないから安全の確率が高い方を選ぼうという心理は拭えません
そんな中で、個人を選ぶ文化というものが少しずつ醸成されていくと良いなと思います。
業界全体で情報の透明化やオープン化が進むこと。
個人を選ぶという文化がもっと広がっていくこと。
この波が今後広がっていくのではないか、広がっていけばいいなと個人的に思います。
これからの不動産業界に求められることについて

これからの不動産業界、一不動産人に求められること。
それは、一個人として、一会社として発信力をつけていく。
会社が集客に力を入れていますし、わざわざ個人として発信していかなくてもいいよね?それよりもテレアポとかチラシとかやればいいじゃん?となります。
しかし、自分の考え方を分かってもらう努力をすることは、ますます必要性を帯びてくると思います。
そうでないと、お客さまに選ばれない時代がやってくるかもしれません。
私もまずは不動産業界を多くの人に知ってほしい、という思いから、微力ながら1年前からこのようなブログを始めていました。
みていただける方も増えてきました。
少なからず以前より、不動産業界に興味を持つ方が増えたのではないかと感じています。
自分の考えを発信する場というのはSNSでもなんでもあったほうがいいです。
これまでの仕組みで対応できない点はどんどん変えていかなければいけません。
色々な課題がある社会ですが、やはり不動産という産業が持つ影響力は大きいです。
大それたことかもしれませんが、不動産業界を起点に明るい話題を巻き起こせるように、私も小さな情報発信を続けていきたいと思います!
お読みいただきありがとうございました。