今回は、不動産管理の仕事解説です。
管理って営業より楽なんですよね?
この考えのまま不動産管理会社に入るとギャップがあるかもしれません。
管理の内容にもよりますが、現に、私が知っている中でも売買営業は定時で帰り、管理部は夜遅くまで残っている、そんなケースもあります。
いきなり脅すようなことを言ってすみません。もちろん定時で終わる会社もあります。
さてさて、そこで今回は、「具体的に何をするのか分かりにくい」不動産管理の仕事についてみていきましょう。
不動産業界で働きながら、不動産専門ブログを運営しているOTOMO(@zebrakun24)が解説します!
目次
不動産管理の仕事とは?
不動産管理をざっくり言いますと、「不動産オーナーから管理をお願いされる立場」になります。
登場人物をざっくり2者挙げてみます。
- 不動産オーナー
- 入居者
オーナーさんは物件の所有者です。
普段忙しい方がほとんどですので、オーナーさんの代わりに、入居者さんの対応を行うのが管理会社の主な仕事内容になります。
この管理には賃貸管理と建物管理の2種類があります。
入居者さんからは、水が出なくなった!といったトラブルがあった場合の対応や、家賃の入金管理など、それらにまつわる調整業務や管理業務を行います。これを、賃貸管理といいます。
建物にヒビが入っていたり、雨漏れが発生したり、サビがひどくなってきたり、劣化していくのが建物です。エレベーターもほったらかしではいけませんし、点検も必要ですよね。掃除も必要です。これらの建物にまつわる管理業務を建物管理と言います。
不動産賃貸管理の仕事
まず、不動産賃貸管理の仕事をざっと挙げてみましょう。
部屋の中の入居者さんのこと、とイメージすれば分かりやすいでしょう。
- 不動産オーナーさんが、海外転勤になったので、管理会社を探していた
- たまたま検索でヒットした会社に連絡をする
- 問い合わせをする
- 2年間日本にいないので、管理を任せたい、と言われる
- もちろん入居者も探して欲しい
- 依頼を受けた管理会社は、その内容で管理契約を承諾した。
こうして流れを見ると、オーナーさんの依頼に応えるための様々な業務を行うこと、とイメージできます。具体的には以下のような内容です。
賃貸管理の仕事内容
- 入金管理
- 家賃回収
- クレームの対応
- 契約の更新業務
- 退去の立ち会い
- 修繕工事手配など
もし入居者さんの家賃の支払いがなければ、その督促をしたり、水回りのトラブルも請け負います。
管理手数料は家賃の5%が相場と言われています。
さらに、契約更新についても、更新期限が決まっているのであれば、更新契約の諸手続きを行います。退去するのであれば、退去時の立ち会いや部屋の原状回復の見積もりも行います。
オーナーさんだけではなく、入居者さんとのコミュニケーションも発生するということです。
不動産管理会社は星の数ほどあるので、他の管理会社とどう差別化を図っていくか?
これが、不動産管理にこれから求められることだと思います。
不動産建物管理の仕事
次に、不動産建物管理の仕事をざっと挙げてみましょう。
建物全般(部屋以外)のこと、とイメージすれば分かりやすいでしょう。
- 建物の維持管理
- 建物の共用部分の清掃
- エレベーターなどの定期管理
- 長期修繕計画の策定
いわゆる建物メンテナンスの世界です。
建物をきれいに保ち、不動産の価値を維持するには、メンテナンスや清掃業務が欠かせません。
単なる拭き掃除・掃き掃除の世界ではなく、建物全体のことを把握して、修繕計画を立てていくことも重要な仕事の1つです。
このようなマンションにカバーがかかっているのをみたことはありませんか?これは、大規模修繕といい、マンション全体の外壁を塗り替えたり、バルコニー床の防水をしたりしています。
大規模修繕を行う計画を立てたり、業者を手配したり。入居者さんにも事前に「大規模修繕があります」とアナウンスをしなければなりません。
まとめると、日々のちょっとした管理と、計画的に行う管理、この2つの管理を回していく必要があります。
加えて、設備の維持管理も重要です。設備管理には、法定点検と任意点検があり、法定管理は法律で定められています。消防用設備の点検・簡易専用水道の検査、エレベーター管理などは法定管理です。
やることは盛り沢山です。
自主管理と委託管理の違い
また、自主管理と委託管理の違いにも触れておきます。
不動産管理会社で働く、という視点で見ると、委託管理は「委託される側」で「自主管理」は「自社の物件を管理する側」ということですね。
自主管理について
自主管理は、管理会社に委託せずに自分たちの会社で管理を行います。
単な清掃、集金代行は、正直覚えればできますし、エレベーターなどの専門技術がいる職種については外部の業者さんと連携することでカバーできます。
自主管理のメリットは、自社に建物管理のノウハウが貯まる点、柔軟に対応できる点。入居者さんともコミュニケーションが取れるので、大家さん的な立ち位置で、日々やりがいもあるでしょう。
デメリットとしては、緊急の事態には、自分たちで動かなければならない、というリスクもあります。クレームについても自分たちで動かなければならない点もそうです。
比較的大規模物件を所有している場合には、社内に修繕ができる部署があったりします。
管理委託について
一方、管理委託は、オーナーさんから管理委託を受ける形です。そのため、オーナーさんと入居者さんの板挟みになることもあると思います。
しかし、オーナーさんと信頼関係を気づくことで、また新しい仕事がいただけるのも事実。
そして、自分自身に管理のノウハウも溜まっていき、転職やスキルアップにも役立ちます。
サブリースについて
なお、サブリース契約というのもあります。
簡単に図にするとこんな感じです。
サブリース自体の仕組みは良いのですが、不正業務を行う業者さんもいます。そう、トラブルが多いのです。
そのため、コンプライアンスに徹底した会社を選ぶよう心がける必要があります。
悪事に加担してしまわないように、その会社の過去の実績を調べたり、評判を調べることも大切です。
不動産管理のやりがい・面白さ
それでは、管理の仕事のやりがいや面白さと言った点はどこにあるのでしょうか?
私が思う点を述べてみます。
人のすまいの根幹に関わるやりがいがある
管理会社は、不動産オーナーさん、そして入居者さんと関わります。どちらにとっても大切な住まいに直結するやりとりを任せていただけるので、重要な役割を担います。
すまいに関わる、ということは長期的にお付き合いをしていく、ということ。
オーナーさんと二人三脚で、空室対策を考えたり、長期的にどのように管理していくか?そのような付き合いを踏まえる中で、管理のみならず、売却したい、といった相談も受けるかもしれません。
実生活に活かせる知識が増える
普段の生活のプラスにもなります。
もし仮に、自分が不動産を借りたり、貸したりする場合。管理会社で身につけた知識は、必ずや役立つはずです。
特に、トラブルが多いのが不動産ですから、そんなトラブルに強くなる、つまり周りから頼られることも増える、と言い換えても良いでしょう。
私も不動産業界に入ってから、知人や友人から相談を受けることも増え、自分の強みとなっています。
経営的に安定する
管理は、営業活動も必要ですが、毎月・毎年続いていくものなので、いきなり売り上げが消滅することは少ないです。管理を多く預かっていれば、その分、会社としての売上が見込めるので、経営が安定しやすいです。
これが、売買仲介だと、今月は200万円売れたけど、来月はゼロといったケースも。
そのため、会社にもよりますが、あまりガツガツ営業する、というよりかは安定的に顧客をフォローし、継続率をあげる方が大切です。既存顧客を大切にしたい、という方は向いていると思います。
不動産管理の大変さ・辛い点
次に、不動産管理のリアルな大変な点、辛い点についても述べておきます。
トラブルが多い
先ほども少し述べましたが、不動産といえばトラブルが多いです。
メリットとデメリットは表裏一体。
実際の内容を知っておいた方がいいと思うので、包み隠さずお話しします(笑)
- 入居者から上の階から雨漏れがある!と電話がある
- 入居者が家賃を振り込んでくれない
- アンテナが風で折れたので、直しに来て欲しい
- 工事の騒音がうるさいとクレームがくる
などなど。
なんでも解決できるということは、自分の自信にも繋がり、トラブルを色々経験して成長できる!と乗り切りましょう笑
緊急対応や勤務時間が長くなることがある
また、勤務時間が長くなることもあります。
入居者さんの生活のことなので、必ずしも時間がきっちり守られているわけではありません。
たとえば、夜かかってきて、今は厳しいので明日対応します!で済むことがほとんどですが、よほど緊急な時もあります。
それこそ、たとえば人の命にか関わることで緊急出動することもあります。私の経験則上、年に1回歩かないかですが、それこそ、お医者さんでいうところの夜間の救急対応に近いかもしれません。
ただし、この辺りは、普段から、入居者さんとの良好なコミュニケーションを築いておくことで、
先手を打つことで、自身の勤務時間もコントロールできます。
不動産管理会社の選び方
不動産管理会社は、大手からまちの不動産屋まで規模も様々です。
最初は、ざっくりとでも賃貸管理か、建物管理か、を決めておきましょう。
不動産管理においては、その上で、興味を持った会社ごとにどのような業務をするのか、調べられる範囲で調べておきましょう。
それぞれの会社の強みも様々ですが、管理は営業に比べて、業務実態のイメージが掴みにくいため、リサーチしておいた方が入社後のギャップが少ないです。
業界大手の有名な会社を挙げておきます。ホームページを眺めてみて、イメージを掴みましょう。
賃貸管理会社(管理戸数が多い)
以下、業界の中でも大手シェアを誇る企業一例をあげてみます。
このサイトでもかなり詳しくまとめられているので、おすすめですよ。
ビルメンテナンス系
次に建物・ビルメンテナンス会社。
特に、日本ハウズイングさんは、私も仕事上やりとりすることも多いですが、管理を請け負っていることが多いような気がします。
まとめ
以上、不動産管理会社について解説しました。
ご参考になれば幸いです。