正直不動産。
山下智久さんが主演でドラマ化されたことで有名になりました。
私、ドラマ化する前から漫画を愛読していますが、原作も大人気漫画です。
ストーリーが面白いことはもちろんですが、不動産の取引で騙されなくなる効果が期待されます。
例えば、以下のような方は読んでみて損はないと思います。
- 不動産業界の人
- 不動産営業マン
- 不動産を買いたい、売りたい人
- 不動産を借りたい、貸したい人
- 不動産の勉強をしたい投資家の人
要は、楽しめて勉強もできて一石二鳥!という漫画なのです。
私が、正直不動産を好きすぎて誰かにシェアしたいと思いましたので、なぜ読むべきかを力説した記事を今回書かせていただきます(笑)
目次
正直不動産のあらすじ

正直不動産はその名の通り、正直な不動産屋のお話です。
嘘をいとわず営業成績を上げてきた主人公が、地鎮祭で祠を破壊してしまい、嘘がつけない体質になってしまいました。これまで嘘をついて営業成績を上げてきた主人公が、わがままな顧客や資産家たちにどう立ち向かっていくのか?を描くものがたりです。
地鎮祭は、建築で家を建てる前に土地の神を祭り、工事の無事を祈る祭事です。
その事件をきっかけにイケイケだった主人公は、顧客の不都合になることを隠して契約していたものを、隠せない体質になってしまいました。
その結果、言わなくていいことまで言って顧客を怒らせたり、嫌われたりすることもあります。でも、結果として顧客から絶大の信頼を勝ち得ることとなります。
元々、不動産業界は千に3つのことしか言わないと揶揄されるほど、嘘が多いとされています。
いいことを言ってもらえると、お客さんは気持ちの良いものです。しかし、良いことだけ言って、契約が終わったら知らんぷり、という不動産屋さんがいるのも事実。
最後に責任を追うのは、購入したお客さん自身なのですから、良いことも悪いことも全て伝えた上で、判断をするべきです。しかし、全て本音で伝えていく、というのは私たちの生活の上でもとても難しいことだと思います。
そんな私たち自身への教訓でもあり、勇気を与えてくれる、そんな漫画でもあると思います。
正直不動産の千三つとは何か?
千三つを少し深ぼってみましょう。
「千三つ(せんみつ)」という言葉を調べてみると、3つの意味があることがわかります。
①千に三つくらいしか話がまとまらない意
デジタル大辞泉より引用
土地・家屋の売買や貸金などを斡旋(あっせん)する職業。また、その人。「千三つ屋」
②千品目出しても当たるのは三品目くらいの意
食品業界で、新商品の開発の難しさをいう言葉。
③千のうち本当のことは三つしか言わない意
うそつき。
それほど不動産屋にはウソが多いということです。
嘘つきの意味
これは非常に難しいところだなと、不動産業界で働いている身として思います。
不動産営業は良くも悪くも個人で完結するので、仮に1人の営業マンとしか出会わないと、その人の言うことが「正」となってしまいます。
千に三つしか話がまとまらないの意味
また、違う意味で用いられる「千に3つしか話がまとまらない」というのは肌身に感じて分かります。
年間を通して軽い話から、真面目な話までを含めると年間1,000件ほど、様々な不動産にまつわるお話を頂きますが、実際にほとんどは契約に至りません。
千に3つは言い過ぎかもしれませんが、必ずしも具体的な話になるとは限りません。
正直不動産を読むべき3つの理由

さて、私が、正直不動産を読むべきと感じる3つの理由と魅力について語ってみます。
業界の裏側を知ることで、プロに騙されなくなる
有名な言葉に「恐怖は常に無知から生まれる」という言葉があります。
不動産で仮に失敗してしまうと、とてもダメージが大きくなります。そのダメージを防げる護身術を教えてくれるのが正直不動産です。
仮に、初めて以下の言葉をみたときに、プロでない限りよく分からないと思います。
- 仲介手数料の上限
- 不動産広告の見抜き方
- 任意売却
- 不動産投資
- 三為業者
これらを知っているか知っていないかで、数百万円損することもありますし、得することもあります。
日々、コンビニで食品を買うレベルの話であれば良いのですが、不動産の購入は一生を左右しかねないほどの金額です。
悲しいかな、本来であればフラットに伝えるべきことも、それを利用してお客さんを騙そうとする人がいるのも事実。不動産会社も商売ですので、利益をうまなければなりません。そしてお客さんが知らなければわざわざいう必要はない人や、会社もいます。
少し具体例を。
私には弟がいるのですが、賃貸契約をしようとした時に相談を受けました。見積もりが適正化見て欲しいと。
その業者さんには、賃貸手数料は1ヶ月当たり前ですよ、と言われたらしく、弟もそれを真に受けたそうです。しかし、私はその不動産屋に抗議しました。厳密には、許可がないと0.55ヶ月分しかもらってはいけない法律になっているのです。

結果、きちんとした不動産会社から紹介してもらい、費用を5万円安くすることができました。
そんな悪徳不動産会社を、主人公は真っ向から否定していきます。
つまり、完全にお客さんの立場に立って、得する方法・損をする方法を教えてくれるのです。わざわざ言ってくれないけれど、とても大切なこと、を教えてくれる不動産屋のイメージです。
私は、常々、宅建を勉強することをお勧めしているのですが、宅建は範囲が広いので、まず正直不動産を読むことで、不動産に馴染みが生まれます。
営業の本質とは何かが学べる
不動産営業の立場としても、学べることが多いです。
そもそも、営業の本質とは、お客さんに喜んでいただくことですが、一筋縄ではいかないのが現場の世界です。
自分に目標があったり、お客さんの都合を考えて言わないほうがいいかな?と思っていたこともあったり、日々試行錯誤しながら営業される方がほとんどです。
スタイルも人それぞれなので、正解がないのが営業。うーん、難しいですね。
昔、営業マンに求められるスキルは、物件を案内する商品提案力と言われていました。案内の時に、お客さんに提案し、知識を提供することで契約を取る。
それも正しいです。
しかし、昨今はネットの発達により、オンライン内見も可能になり、お客さんの方が知識を持っていたり、なんてケースも多いです。車の世界でもそうですね。
で、あれば私たち営業はどう振る舞うべきで、何が求められるのか?そのような問いを常に考えなければなりません。
正直不動産の主人公は、真っ向からお客さんと向き合い、いいこともダメなことも包み隠さずいいます。時にはお客さんを怒らせることもありますが、結果として「他の不動産会社はいいことしか言ってくれない」と言って、主人公のところで契約するシーンもあります。
今も昔も変わらない本質は「信頼を得ること」。
その信頼を得るためにどうすればいいか?というものを、主人公と自分を重ねてみることができるので、営業の勉強や本質に触れることができます。
正直者がバカを見ない世界を信じられる
最後に、これです。
このセリフ聞いたことはないでしょうか。
馬鹿正直に生きることは、時には大変で、なかなか結果につながらないこともあります。
要領よくやれる人を見ると、羨ましいなと思うと同時に、自分にはできないなと思うこともあります。よく真面目すぎるとも言われますが。
でも私は自分自身に嘘をつかずに生きることこそが人生であり、そう生きたいと思っています。
正直不動産では、最初は嘘をついて契約をしていた主人公は、最初は営業成績もわからなかったものの、嘘をつかないことによって、後々トップセールスに返り咲きます。
最初は、他に嘘をついて契約する営業マンに成績を抜かれていましたが、結果としてクレームにつながったり、信用を失ったり、ということが続き、短期的な利益が、長期的な損につながるシーンもあります。
そんなふうに勇気づけてもらえる漫画でもあります。
正直不動産のドラマも放送されました。
以上、正直不動産の魅力を説明しました。
この漫画が面白いのは、物理的に嘘がつけなくなってしまった主人公の成長を共に追えることも一つの楽しみになっています。
全てが漫画やドラマのようにいかないかもしれませんが、必ず不動産の勉強に役立つと思い、必読書としてお勧めしたいです。
東洋経済さんで一部無料公開されているので、ぜひ読んでみてください!
いつ終了するかはわかりません。
漫画を読みたい方はこちらから購入できます。
不動産業界に挑戦してみたい方は、ぜひ取り組んでみて欲しいです。
私の体験談も参考にしてください。