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IT重説の売買は結局いつから?いまさら聞けない概要や流れをわかりやすく解説

売買のIT重説の流れを解説

おともくん(宅建勉強中)
おともくん(宅建勉強中)

結局、売買のIT重説っていつから始まるの?

賃貸で不動産IT重説はできる。

このことは既に広く知られていますが、売買に関してはどうなのでしょうか。

実はもう既に令和3年4月から売買取引で本格運用が始まっています。

売買についてはこれまで社会実験中でしたが、実験を終え、目立ったトラブルがなかったことから本格運用へと至っています。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、非対面・非接触型のIT重説の推進がさらに後押しされる形となりました。

しかし、2021年9月現在、現場で運用をしている会社はまだまだ少ないと言えます。

ここでは、今さら聞けない、IT重説とはそもそも何なのか?実際、いつから企業は運用するのか?徹底解説してみたいと思います。

しまうまふどうさん
しまうまふどうさん

国交相が発表しているマニュアルから、ポイントを絞ってわかりやすく解説します。

なお、国土交通省マニュアルはこちら(PDF)から確認できます。

IT重説の重大なポイント

最初に、ここだけは必ず抑えておきたい、重要なポイントを述べておきます。

国土交通省マニュアル(P26)によると、以下は必須とされています。

  1. 双方向でやり取りできるIT環境の整備
  2. 記名押印済みの重要事項説明書等の事前送付
  3. 説明の相手方の重要事項説明書等の準備とIT環境の状況確認(重説実施中)
  4. 説明の相手方への取引士証の提示および視認できたことの確認
要注意!

記事の後半でも述べますが、2021年9月現在電子書類での契約には対応していませんのでご注意を!

それでは、IT重説について丁寧にみていきましょう!

IT重説とは?

おともくん(宅建勉強中)
おともくん(宅建勉強中)

そもそもIT重説の定義がよく分からないんですが、、

IT重説は、テレビ会議等のITを活用して行う重要事項説明のことを言います。

重要事項説明は、契約を行う前にする必要があり、これまでは紙ベースで対面で行われてきました。

パソコンやテレビ、タブレット端末等を利用して、対面と同様に説明を受けられることを目的としたものです。

売買取引についての社会実験では、2,000 件を超える IT 重説が実施されました。

結果として、トラブルが「なかった」と答えた割合は約90%、あったと答えた方は10%(ネットの接続不良など)と目立ったトラブルも発生しませんでした。

そのことから、令和 3 年 1 月に実施された検討会において、本格運用へ移行することが適当とされました。

おともくん(宅建勉強中)
おともくん(宅建勉強中)

もう社会実験も行われていたんですね。

IT重説の要件

IT重説はなんとなくわかるけど、具体的には、どのような流れを経て、何の決まりを守らなければいけないのか?

ここが分からない方が多いと思います。

国土交通省の発表するIT重説マニュアルによると、IT重説には下記の要件が求められます。

  1. 双方向でやり取りできるIT環境において実施されること
  2. 重要事項説明書等を事前に送付していること
  3. 説明を開始する前に重要事項説明書とIT環境を準備し、確認していること
  4. 宅地建物取引士が宅地建物取引士証を提示し、相手がそれを画面上で確認できること

これらは、宅建業法第35条第一項関係に記されています。

なお、ここで必ず押さえておきたい特に大切なことは以下の2点です。

重要!

1 重要事項説明書は事前に送ること

2 画面上で宅建士証を見せる必要があること

しまうまふどうさん
しまうまふどうさん

IT重説だからと言って、宅建士証を見せなくて良い、ということはありません!実際の見せ方は後ほど解説しますね。

IT重説のメリット

IT重説を行うことで生じるメリットには様々なものがあります。

遠隔地でも移動なし、費用なしで可能

従来の重要事項説明では、直接対面で説明を受ける必要がありました。

すると、普段東京に住んでいながら大阪で取引をする時に、飛行機や新幹線を利用することで交通費もかさみます。

また、不動産会社が遠方にある場合は移動のコストも決して低いものではありません。

このような場合に、IT重説を利用することで、交通手段や時間を気にすることなく、説明を受けることができます。

日程調整がしやすい

重要事項説明は、長時間の説明となります。そのため、仕事が忙しい方や、日中に時間が取れない方と日程を調整するのは至難の技です。

ましてや、店舗に来店していただいて説明をする、となると伸び伸びになってしまいかねません。

そこで、IT重説を用いて日程調整を比較的柔軟に、調整しやすくなることが期待されます。

おともくん(宅建勉強中)
おともくん(宅建勉強中)

合わせられる時間の幅が広がりそうですね。

リラックスして説明が受けられる

不動産取引は、ほとんどの方が一生に1度か2度携わる程度のものでしょう。

不動産会社の雰囲気によっては、緊張される方もいらっしゃるのは当然です。

当日お店に来て、いきなり重要事項説明書を受けた、という方も少なくないでしょう。

そして、IT重説では事前に重要事項説明書を送付しなければならない、ことになっていますので、事前にゆっくりと説明書を読むことができます。

そして、自宅にいながらリラックスして、事前に読んで分からなかった点なども質問することが出来ます。

来店が難しくても、契約者本人に対して説明ができる

契約者の方が怪我や病気になったりなど、移動が困難な場合、これまでは代理の方が店舗に来店して重要事項説明を受けていました。

しかし、IT重説では外に出る必要もないので、本人に直接説明を伝えることが出来ます。

加えて、非対面・非接触のIT重説のスタイルは、感染のリスクがゼロとなるメリットもあります。

しまうまふどうさん
しまうまふどうさん

直接対面でないメリットは多いです。効率化のためにも積極的に取り入れていきたいと個人的には思います。

IT重説のデメリット

それでは、次はデメリットについてみていきます。

通信トラブル

社会実験の結果、9割がトラブルがなかったとされていましたが、残りの1割の「トラブルがあった」中身は通信トラブルによるものが大きいです。

「音声トラブルが発生した」(43.6%)
「画面が映らない」(32.6%)
「インターネットにつながらない」(18.6%)等

これらは、通信機器を準備したり接続環境を整えることで解決が可能なため、事前に確認をしておくなどの対策ができそうです。

内覧をしなくても契約できる

IT重説では現地に行かなくても契約ができます

そこで問題となってくるのは行かなければ分からないこと。

ITでバーチャルな内覧が実現できたとしても、周辺の騒音や匂い、道の明るさなどは現地に行かなければわかりません。もちろん説明の際に言えばいいこともあるかもしれませんが、思ったよりひどかった、となってはトラブルの元です。

ここは改めて内覧をしたり、懸念点を示す資料を用意したりなど、対策を講じる必要があるかもしれません。

しまうまふどうさん
しまうまふどうさん

不動産会社で環境を整えていても、お客さんによっては環境がそれぞれ。立場を第一に動いていく必要があるでしょう。

IT重説実施の流れ

それでは、実際のIT重説のフローを見ていきましょう。

大きく、4つのステップがあります。

STEP1:事前準備

まず、必ず必要なことは双方向でやり取りできるIT環境の整備です。

どちらかに通信環境がなければ、その時点でIT重説は実現しません。

必要!

双方向でやり取りできるIT環境を準備する

具体的なIT機器やサービスに関する仕様等は定められていませんが、IT重説で求められるやり取りが十分可能なものを用意することが必要です。

機器について
画面・カメラ・マイク・音響機器 が備わっており、問題なく使用できる機器が必要です。


ソフトウェアについては、下記の通り大きく3分されており、いずれかのタイプが例としてあげられています。

種類サービスの概要
インスタントメッセンジャー(メッセージングアプリ)型インスタントメッセンジャーの一環として、動画通信サービスが含まれているもの。利用者自身がアカウント等を取得する必要がある。
例:LINE
テレビ会議サービス型テレビ会議の機能をブラウザー上等で提供するもの。利用者は必ずしもアカウントの取得は必要ではない。
例:Zoom、Microsoft teams、各不動産ポータルサイト提供サービス
テレビ電話サービス型電話の機能としてビデオ通話サービスを利用するもの。同じキャリアやサービスを利用する必要がある。
例:各キャリア提供テレビ電話サービス、Facetime
おともくん(宅建勉強中)
おともくん(宅建勉強中)

ZOOMでも大丈夫なんですね!

他には、必須ではありませんが、下記の書類の用意も推奨されています。

あった方が良いと推奨されている書類

個人情報保護法を踏まえた必要な分書類(同意書、プライバシーポリシー等の整備)
IT重説実施に係るの同意書(録音・録画をする場合は当該同意書を含む)

しまうまふどうさん
しまうまふどうさん

個人情報を扱うため、同意書を結んでおいた方が良いでしょう。

STEP2:IT重説実施前の対応

また、IT重説実施前には、記名押印済みの重要事項等の事前送付が必要になります。

加えて、説明の相手型が契約者当事者本人であるかどうかの確認を、免許証などでも確認しておかなければなりません。

必要!

・記名押印済みの重要事項等の事前送付
・相手が契約者当事者であるかの本人確認

通常の流れと同様に、重要事項説明書を2部作成し、記名押印して説明の相手型に送付します。そして、重要事項説明書が相手方の手元にある状態で重要事項説明を行います。説明が終わったら、内容を確認後、記名押印の上返送をしてもらいます。また、必要に応じて内覧を実施します。

説明本番に入る前に改めてお互いの通信環境を確認しておいた方が良いでしょう。

確認が必要なこと
・相手方の映像や音声を取引士側の端末等で確認できること
・取引士側の映像や音声を説明の相手方の端末で確認できること
・説明の相手方に事前に送付している重要事項説明書等が、説明の相手方の手元にあること

STEP3:IT重説実施本番

事前準備が整えば本番です。

ここで必ず必要なことは下記の2点です。

必要!

・重要事項説明書等の準備とIT環境の状況確認
・説明の相手方への取引士証の提示と視認できたことの確認

取引士証の確認

「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(不動産業課長通知)」によると、説明の相手方が取引士証を視認できたことを確認することが必要です。

重要事項説明書は、宅建業法という法律で、宅地建物取引士しか行ってはならない、とされています。

そのため、取引士ではないものが説明をしないためにも、証明である取引士証を確認する必要があるのです。

おともくん(宅建勉強中)
おともくん(宅建勉強中)

宅建士にならないと IT重説はできないですね。

具体的には、以下のような流れで確認をしてもらいます。

まずは、私の取引士証をカメラにかざします。写真と私の顔が同じ人物の確認をお願いできますか?

確認しました。

取引士証に書いてある私の氏名と登録番号を読み上げてください。

名前はおともくん。番号は●●●●●●です。

(内容が正しければ)それでは最後に、取引士証を確認した旨を声に出してお伝えください。

はい、確認しました。

ありがとうございました。それでは重要事項説明を開始させていただきます。

重要事項説明

取引士証の確認が終われば、重要事項説明の実施(説明・質疑)へと移ります。

直接目の前に相手がいるわけではないため、様々な工夫が必要です。ここでは一例をご紹介します。

工夫の一例!

・対面での重説よりも理解状況の確認を丁寧に行う
・相手方に伝わりやすいようにするために、対面での重説よりもゆっくり説明する
・音声が聞き取りやすいよう、静かな環境でIT重説を実施する
・補足資料にマークや番号を入れる
 など

IT重説実施中に環境に不具合等が生じた場合には適宜中断し、適切な対応を行うこと、とされています。

アンケート結果によると、宅建士には下記の点を求めたい、という結果が挙がっています。

STEP4 IT重説実施後の対応

IT重説が終わって、相手方の納得や理解に問題がなければ、重要事項説明書に記名押印し返送をしてもらう流れとなります。

以上がIT重説の流れとなります。

IT重説で宅建士に求められること

また、IT重説をより円滑にするために、社会実験ではアンケートが取られました。

社会実験のアンケートで宅建士には下記の点を求めたい、という結果が挙がっています。

半数は特にない、との回答でしたが、以下のような意見も多かったようです。

  • 説明や資料の工夫
  • 機器等に関する知識を持ってほしい
  • しぐさや表情を把握してほしい
  • カメラを向いて話しかけてほしい、等
しまうまふどうさん
しまうまふどうさん

目の前にいない分、より丁寧に、相手への心遣いをすることが求めますね。

売買IT重説の今後の課題と注意点

上記ではIT重説の概要を説明しました。

本格運用が始まった4月以降、現場で浸透していくのでしょうか?

私的には、変化に貪欲に取り組んでいくべきだと思っています。

ただ、ここは企業のペースに合わせて、積極的に取り組む企業には浸透し、取り組まない企業には浸透する時間がかかるでしょう(当たり前ですが)。

既存の不動産取引現場では、ITに慣れていない(使いたがらない)プレイヤーが多いためです。

不動産屋さんのIT化が進まない理由の記事でも解説しましたが、ITを使わなくても成り立つ仕組みになっています。

加えて、まだこの制度には障壁があります。

IT重説の壁

・取引士が記名押印した書面の重要事項説明書をスキャナーで電子化したものを電子メールで送付することが認められていない点

・電子書面での取引はまだ社会実証中である点 

書類だけ紙、説明だけWEB、となるとお互い使い勝手が良くない部分もあると思います。

なので、個人的にはここの電子化が統合された時点で一気に進むのではないか、と思っています。

しまうまふどうさん
しまうまふどうさん

私も不動産業界のアナログな部分を変えるため、頑張ります!

まとめ

私は、IT重説が果たす重要な点は、時代に合わせた多様な提案ができることだと考えています。

世の中には様々な立場の、様々な考えの方がいらっしゃいます。

・遠方で中々顔を合わせることができない人
・ご病気で家から動けない人
・売主さん、買主さんがご高齢でITツールをお持ちでない場合
・紙で契約をしたい、という方もいらっしゃる点
・直接現地で確認をしたい方
 など

様々な立場や考え方に合わせることができる、それがIT重説の本質ではないかと思います。

これまで非対面でできなかったことができると、より不動産の世界も取引が円滑に、便利になる世界を目指して、OTOMOでも情報発信を続けて参ります。

参考:国土交通省マニュアル