先日、会社の経営理念策定、組織開発をテーマにした研修を受ける機会があり、その中で成功循環モデルについて学びました。
「成功循環モデル」は、組織が成果を上げ続けるために必要な要素とプロセスを明らかにしたもので、サイクルの回し方によって、グッドサイクルとバッドサイクルの2種類に分類されます。
出典:PHP研究所
業績と組織風土の関係性を明確に説明した理論で、「メンバー相互の関係の質」を高めることで思考や行動の質が向上し、結果の質が高まるというものです。これをグッドサイクルといいます。
一方、結果を追い求め、目先の業績を向上させると関係の質が低下する、こちらがバッドサイクルとのことでした。
短期の結果だけでなく、周囲ときちんとコミュニケーションを取れているか?関係の質を向上できているか?改めて自分を見直すきっかけになる気づきを得ました。
詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
ワークマン式「しない経営」の本を読んで感じたデジタル化の目的とは
そんな中、あるネット記事で紹介されていた本、ピンときて買ってみました。
この本です。
ワークマン式「しない経営」の本を読んで、特に印象に残った言葉がありました。
著者の土屋様は、ワークマンにCIOとして入社した際、社員全員がデータ活用し経営に参画できる仕組みとして以下を逆算して考えていたと書かれていました。
・社員を教育して、企業風土や仕事のやり方が変わるのは5年後
引用:ワークマン「しない経営」 ダイヤモンド社 著者 土屋 哲雄
・情報システムは構想1年、構築1年で導入は2年後
・情報システムの導入前に、1日も早く社員教育が必要
長期で取り組む上での考える目線です。
ワークマンではエクセル経営という方針のもと、全社員参加型でデータ分析が行われていますが、最初は程遠いアナログな環境だったそうです。
規模は全く異なりますが、私が不動産会社に飛び込んだときはデータがないところから始まりました。全て紙で、現場でこれこうやった方がいいかも?という課題を継ぎ足すように、様々な取り組みや不動産ツールも導入しました。
過去のブログにも何度か書いていますが、一番浸透している施策はスプレッドシート導入です。
無料・使いやすい・わかりやすいからです。当たり前かもしれませんが。
自分たち流にカスタマイズできることは、長期目線で見た時に威力を発揮します。年数を重ねるごとに、ここもっとこうしたい、を都度『自分たちで』対応できます。
各部署の一人一人が、データを記録する習慣をつけることで、アイデアが出てきたり議論が進むようになりました。パソコンが苦手な方も今では毎日そのシートで情報共有したり分析したり、使いこなしています。
ワークマンの場合は高度な分析ツールを入れることが必要ではなく、エクセルで全員参加型経営をすることで企業風土を変えるのが目的であると述べられていました。
試行錯誤しながら土台を全員で作っていく過程こそが、風土を変えることにも繋がっている気もします。
DXは何のためにするのか?深く考えさせられた本です。現場と実務ありき。非凡だからこそ、自分たちに出来ることでコツコツと。
何事も長い目で考えよう
長期目線で考えることは大切ですが、人により取り組む期間のイメージも違います。長い目で取り組むためには、その環境設計や前提条件を整えることも大切です。
不動産テック活用やデータ活用に悩まれている方にもおすすめの本だと思いました。他にもアンバサダーマーケティングも面白い考え方です。
上記内容は、本に書かれている前後の文脈で解釈や感じ方も異なろうかと思いますので、興味があれば読んでみてください。