空き家問題をグラフで解説!原因や解決策、起きるトラブル例も

この先日本の社会課題として取り上げられている「空き家問題」。

日本では、人口が減少し、出生率もこのままどんどん減り続けると言われています。

私は、不動産業界で働いていますが、空家活用・処分のご相談をよく受けます。

しかし、遠方にいらっしゃったり、相続したのはいいものの、いつか処分すればいいや、と思われている方が多いのも事実です。

しかし、放置するメリットは一つとしてありません

今回は、空き家問題の現状と、空き家問題が私たちの生活にどう影響してくるのか?をまとめてみました。

空き家問題を把握する前に知っておきたいこと

まずは、日本での総住宅数と総世帯について把握します。

2018年時点では総住宅数は6240万7千戸、総世帯は5400万1千世帯です。数字で言われてもピンとこないかもしれませんが、この数値は、1,958年から60年余、これまで右肩上がりで増え続けてきました。

総務省 平成30年住宅・土地統計調査を参考に作成(単位は千戸)

約60年前の1958年には、総住宅数:約1793万戸、総世帯数:約1864万世帯だった数字が、今日に至るまで上昇を続けています。

全体この60年間で、住宅は約4447万戸増え、世帯数も約3倍に増えています。まさに高度経済成長を遂げ人が増え、住まいが増えたのだということを改めて認識させられます。

しかし、この人口グラフを見てください。2004年にピークだった人口は、2021年の今すでに減少を始めており、30年後の2030年には1億人を下回ります

そして、2100年には、終戦時代の7,199万人よりも少なくなる試算です。想像しがたいですが、つまり、人口は減り続けるが、増え続けた住宅は、なくなるわけではないということです。

そして、国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(平成25年1月推計)によると、世帯数も平成37年(2025年)には5,243万9千世帯に、平成47年(2035年)には4,955万5千世帯にまで減少すると見込まれてます。

空き家率は13.6%と過去最高に!

次に空き家の推移を見てみます。

空き家も、年数を重ねるごとにどんどん増えていき、1958年には2%だった空き家が、60年後の現在、2018年には過去最高の13.6%をマークしています。60年間で約812万戸も増加しており、今後も高齢化により、空き家はどんどん増えていくことが想定されています。

総務省 平成30年住宅・土地統計調査を参考に作成 ※空家数単位は(千戸)

そしてそして、さらにこの空き家数は増え続けているという統計が出ています。

(株)野村総合研究所 「2018年、2023年、2028年および2033年における日本の総住宅数・空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)の予測」より引用

野村総合研究所の試算によると、平成45年(2033年)には総住宅数7,106万7千戸、空き家数2,146万6千戸、空き家率30.2%に上昇する(図)と予測されています。

空き家問題における、空き家所有リスクとは?

実際に空き家を持っていても、何も起きないんじゃないの?という疑問は、当然起こってくると思います。しかし、冒頭でも申し上げましたが、とてもおっくうなことですが、対策を講じるべきです。

人が住んでいないと住宅がだめになる  

ボロボロの小屋に伸び放題の草。その横にはきれいな住宅が建っている。

そのような光景を目にしたことがあるかもしれません。 放置することにより、シロアリ、ゴキブリ、ネズミなどが繁殖し、住居に被害が及んでしまったりすることもあります。

実際に、草が伸びすぎて隣の垣根を越えてしまったので処理してくれないか、というクレームを受けた、など様々な問題に発展することが多々あります。

私も管理物件の草抜きをすることがありますが、思ってる以上に体力を消耗しますし、抜いた草の処理も大変です。

空き家特別対策法により、固定資産税が最大6倍に?!


空き家対策の推進に関する特別措置法は、2015年の5月に施工された法律です。下記の4つに該当する空き家を「特定空き家」と定め、空き家の放置に対する行政の措置がより厳しいものとなっています。

空家等対策の推進に関する特別措置法2条2項

これらの特定空き家等に認定されると、空き家の所有者は市町村から修繕などの指導・助言を受けることになります。

改善されない場合は、勧告が出され、固定資産税の住宅用地特例から除外され、最大固定資産税が6倍にもなります。

空家等対策の推進に関する特別措置法はこちらでも確認できます。

不動産の価格下落

先ほど説明したデータを見る限り、今後も空き家は増える可能性は高いといえます。すると供給過多で価格が下落するケースも十分想定のうちに入れておかねばなりません。

また、建物自体の価値も下がってきます。よほど都心の中心などで土地の値段が上がるエリア以外は、下がることを前提で考えた方が良いと思っています。

築10年よりも築20年の建物の方が価値は下がります。雨漏りをしていなかったのに、1年ぶりに空き家に行ったら、雨漏りしていて壁が腐っていた・・・なんてことにもなりかねません。

空き家問題の解決方法

それでは、空き家をどうすればよいのでしょうか?目的により異なります。もしかすると、転勤で将来帰るために処分する必要がないかもしれません。

そんな時でも適切な対処ができるように、「売却する」「管理する」「遊休資産活用する」の3つのパターンで考えてみます。

売却する

売却をするためには、買ってくれる先を見つける必要があります。例えば、まず思い浮かぶのは不動産会社に相談してみても良いと思います。

各社対応は様々だとは思いますが、親切に相談に乗ってくれるところや対応してくれるところがおすすめです。また、大阪版空き家バンクに登録してみてもよいでしょう。

空き家として登録されている数は少ないですが、良い購入希望者と出会えるとマッチングもスムーズかもしれません。

大阪版:空き家バンク

管理を外注する

「空き家巡回サービス」とGoogleで検索してみてください。すると、各社がサービスを展開していることがわかります。

各社サービスは異なりますが、月に1回訪問してくれたり、巡回時に劣化防止を手伝ってくれたりと、手放したくはないけど管理してほしい、という人にお勧めです。

例:三井のリハウスさん

遊休資産活用を考える

こちらはリフォームをして賃貸をするパターンです。個人でDIYをして、となると少々難易度が高くなると思いますが、専門の業者に頼んで解体工事をして駐車場にしたり、コインパーキングにしたりなど様々な活用方法も出てきます。

まだ様々な決心がつかない場合には、このような手段も活用してもよいかもしれません。

空き家問題のまとめ

空き家に対して普段意識を向けることは少ないかもしれませんが、放置して得するメリットは、日本全体にとっても個人にとってもあまりありません。税金も絡んできますからね。

面倒くさいから見て見ぬふりで後回し・・・というのが人間の性ではあると思いますが、これを機に自分と空き家の関係、今後の対策や活用について考える機会になれば幸いです。

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