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競売物件はやばい?経験者が語る競売の怖さ

競売物件はやばいんでしょ?とか、怖そう、というイメージをお持ちのかたもいらっしゃいます。

結論から申し上げると「やばい」と思われる物件はたくさんあります。

それは、慣れていないと色々なトラブルに巻き込まれたり、思わぬことに遭遇したりする可能性が高い、という意味です。

例えば、ゴミ屋敷を落札してゴミを片付けたら犬の骨があった、とか、引渡し直後に人が亡くなった、とか。いきなり少しヘビーになってしまいますね、、後半で詳しい事例を紹介します。

かくいう筆者は、不動産業界に身を置いておりますので、流れを理解しています。

不動産会社には、在庫の仕入れ(つまり買取り)という大事なミッションがありますので、競売に参加することもしばしばあります。

あくまで事務的に仕事として競売に取り組んでおりますが、一般の方からするとやばい事態を引き起こしかねないと思います。

そのため、個人の方には正直あまりおすすめできません。

まずは、競売物件がどのようにして世の中に出るか、という仕組みを理解する必要があります。

競売物件の仕組み

そもそも、競売というのは、住宅ローンが払えなくなった方の物件を強制的に裁判所の効力で売却できる事です。

住宅ローンが払えなくなった、ということはローンを組んでいた方が、何かしらの問題を抱えた、ということに直結します。ご理由は職を失ったり、ご病気や精神的な理由で収入がなくなったり、など様々です。

住宅ローンを滞納して6ヶ月程度がたつと強制的に競売にかかります。

つまり、競売に出された物件は、何かしらの問題やトラブルを抱えている可能性が高い、ということを肝に命じておく必要があります。

競売物件の怖さ

そして競売に出された物件は、ネットや競売雑誌・新聞で公表され、オークション形式で価格が決まっていきます。

例えば、競売物件を手に入れたい場合、必要な書類を準備して、最低入札価格を上回る価格で入札します。

最低入札価格が100万円の場合、100万円以上であれば入札が可能です。一番高い価格で入札した人が「落札」し競売物件を手に入れることができます。

本来1,000万円の価値があるとされる物件が、仮に600万円で落札できるとしたら、通常と比べると破格でお得に感じることでしょう。

しかし、その裏に潜むトラブルを読み解かなければなりません。

不動産の競売の情報は全て事細かく開示されており、物件の中身も見ることができます。

この、不動産競売物件情報サイト3点セットと呼ばれる書類を誰でもダウンロードできます。興味がある方は覗いてみてください。

競売物件のBIT

その3点セットには、不動産の詳細、今日に至るまでの経緯、現況の写真、が事細かに書いてあります。

私がこれまでみた中でいうと、結構な確率で物が溢れかえっている(いわゆるゴミ屋敷に近いような形)物が多い気がします。

もちろん、何もないケースもあります。無事に競売で物件が手に入り、めでたしめでたし。こうなれば言うことは何もありません。

それならば、3点セットを読めばいいのでは?と思われることでしょう。

例えば、中で人が亡くなっていた、という記載も書かれていますし、現状の荷物なども事細かく見ることができますので、それも一理あります。

しかし、です。

実際に現場で何が起きているかは、明け渡しの時に初めてわかるのです。

3点セットを理解し、購入したとしても購入後にトラブルが待っています。

競売で落札した後、ここからが本当の怖さだと思っています。

競売物件、落札後の本当の怖さ

競売物件は、繰り返しになりますが、担保に取られているわけなので、住宅ローンが払えなくなったりしたときに強制的に競売にかかります。

通常の不動産取引であれば、保護されることも競売では保護されません

例えば、雨漏りやシロアリがあったとしても、その責任を追及することはできず全て買主さんの負担になります。

大量のゴミが置いてあったとしても買主さんの負担です。

加えて、起きるトラブルも買主さんで解決しなければなりません。

競売が終わるまでは、そこに人が住んでいることもあります。

通常の不動産取引であれば、引き渡しは来月でいいですか?というような調整が可能ですが、競売物件はそうではありません。

立ち退いてくれない場合は、立ち退き料を払うケースもありますが、それでも拒否され、トラブルになるケースもあります。

人間とは、追い詰められるとどのような行動に出るか分かりません。これは競売に限らずですが。

不動産業界は、本当に経験豊富なベテランの方々が揃っており、私が体験したものだけではなく、聞くだけでも怖すぎる話はたくさんあります。


・異臭がして、人が死んでいた
・ゴミ屋敷のゴミを退けたら犬の骨があった
・落札後、明け渡しがなく、部屋に無理やり入ると自殺していた
・落札して所有者になったにも関わらず、逆に言いがかりをつけられて裁判になった
・落札後に物件から人が出て行かずに立退き料を払った

・暴力団が占有していた(昔)
 などなど

さて、これらのトラブルを解決するのは誰でしょうか?

もちろん、落札した所有者です。

不動産仲介会社が間に入っていればまだしも、これらを買主さんが全て処理するとなると、とんでも無いことです。

安い裏にはとんでもないトラブルがついて回ることがある。そのような物件を購入しようとしている、ということについては肝に命じておくべきでしょう。

驚かせるつもりはありませんが、そのぐらい用心して競売には挑む必要があります。

ちなみに、競売の流れはWEBサイトでも調べられますが、裁判所に聞いて見るのもオススメですよ。

裁判所に行かれたことがない方は多いと思いますが、非常に丁寧に流れを教えてくれます。

競売を行う方は、管轄の裁判所に問い合わせてみてください。

なお、競売に興味がある方は、勉強してから購入されることを強く強くお勧めします。

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