住宅ローンが払えなくなりました。ローン残債もまだかなり残っているし、一体どうすればいいのでしょうか?
このようなご相談をよく受けます。特に、コロナウイルスによる収入の減少や、体調を崩してしまったことにより、ローンが払えなくなる方は増えています。
私がこれまで受けた査定相談の中では、収入減・ご病気・ご離婚・訴訟関係など、様々な理由をお伺いしました。
ここで絶対にしてはいけないことがあります。
住宅ローンを連絡なしに(無視して)滞納し続けること
です。
元々月々問題なく支払えるはずだった住宅ローンが払えなくなる、というのはまさに想定外の出来事かと思います。
フタをしてしまいたい気持ちになるかもしれません。
しかし、無視して滞納をし続けると、後でお話ししますが、良くないことになります。
加えて、避けてほしいことが
カードローンやキャッシングで一時しのぎをすること
です。
住宅ローン以上に金利が高いカードローンやキャッシングは、借りることはできますが、さらに返済に追われていくことになります。
それではどうすればいいのか?具体的に見ていきます。
住宅ローンが払えないときにまずすること
そうはいっても既に払えない、もしくは既に1カ月目滞納してしまった、無視してしまっている、という方は即刻借入先に連絡をしてください。
競売にかけられて、怖い人が家に来るのではないですか?
ドラマなどで、家が差し押さえられたシーンを見たことがあるかもしれませんが、いきなり家を手放さなければならない、ということはありません。
そもそも住宅ローンを組むためには、物件を担保に差し出す必要があります。
そのため、住宅ローンを組んだ物件に、金融機関は抵当権(ていとうけん)という権利を設定します。担保にとっていますよ、という権利です。
そのため、抵当権が設定された(ローンの残債がある)場合は、勝手に売却をすることもできませんし、抵当権者の同意が必要となるのです。
金融機関は、何より少しでも多くのお金を回収する必要があります。
そのため、無理に取り立てることもできませんから、ローンの計画の見直しや、返済計画を立てたりすることでそれに応じてくれる場合もあります。
なので、まず金融機関に、正直に状況を話すのが第一ステップです。
住宅ローン滞納後の流れ
さて、住宅ローンを一定期間滞納(約3ヶ月)すると、督促状や催告状が届くと思います。またさらに滞納が続くと、金融機関から保証会社へ住宅ローンの一括支払いが請求されます。
保証会社は、金融機関に対して一括返済を行いますので、今度は保証会社がお金を、ローンを借りている人から取り返さなければなりません。
しかし、一括で返せるわけもありません。
そこで初めて、不動産競売の申し立てが行われ、競売へと進んでいくことになります。
競売は、簡単に言えば物件のオークションのようなものです。
一つの物件に対して、何件も入札が行われて、一番高い値段を付けた人がその物件の所有権を手に入れることが出来ます。
そして、通常の相場価格の50〜70%の値段で決まることが多いです。
市況や物件によっては高値がつくこともありますが、基本は低くなると思っておいたほうがいいでしょう。
例えば、このように不動産競売物件情報サイトというものもあるので、このようなサイトでも公開されます。
競売で売れたら、そこに住み続けることもできませんし、残りのローンも返していかなければなりません。
つまりローンを滞納しても、すぐに競売になることはないが、放置しておくと強制的に競売になることを理解しておきましょう。
そうならないためにも、出来る手立てを打っておきましょう。
競売を避ける方法
これまでご説明した通り、まず基本は金融機関に相談をすることです。
できれば支払い条件が緩和されるなどが望ましいですが、そうはならない時には、今後の計画も立てておかなければなりません。
昨今は、リースバックという手法もありますが、地域により異なりますし、現実的でないケースも多いです。
そのため、よく取られる手法が任意売却というものです。
これも住宅ローンの支払いが厳しくなった場合に、住宅を売却することになります。
競売と同じじゃないんですか?
形上はそうですが、売却額も競売より高いですし、引越代の交渉なども出来ることがあります。
つまり、早めに売却の判断をすることで、競売を避けることが出来ます。
任意売却を選ぶべき理由
任意売却は、任意(に)売却(という選択肢をとる)ことです。そのため、売却の流れは普通の不動産売却と変わりません。
しかし、抵当権(金融機関が差し押さえできますよ、という権利)がついていますので、金融機関に納得をしてもらう必要があります。
任意売却をしたいのですが、いいですか?
そうして、そこからは金融機関と不動産会社のやりとりが始まり、通常の流れで進みます。
任意売却の特徴をまとめておきます。
・市場価格に近い価格で売却が可能な場合が多い
・競売より高く売れるため、残債は少なくなる
・引越し費用が出ることがある
・無理のない範囲で分割返済に応じてもらえる
・周りに知られにくい
・引渡しの日を相談できる
次に競売のリスクを説明します。
競売のリスク
・市場価格の6〜7割近い価格で強制的に売却される
・引越し費用が出ることはない
・一括返済を求められる
・新聞やネットに情報が出るのでプライバシーがない
・引渡しの日を相談できない。競落が行われた後は、不法占拠になる
競売は、上記のように強制的に物事が進められ、厳しい措置が取られるのです。
また、競売に出ると、3点セットという資料が誰でも請求可能になります。この3点セットの中には、物件の中も事細かに撮影した写真や、やり取りを示した内容も出ますので、プライバシーはほとんどないといってよいでしょう。試しにこの981.jpというサイトでも見てみてください。
払えなくなってしまった状況は変わりません。大切なことは、いかにリスクを最小限にするか、という点です。
まとめ
以上、住宅ローンが払えなくなったらまずしてほしいことをご説明しました。特に金融機関の連絡を無視してしまっている、、、という方は十分に注意してください。今更連絡しても、、と思われるかもしれませんが、金融機関も慣れているので大丈夫です。
それよりも、このまま進んで競売になってしまうことがリスクになります。
是非、まずは住宅ローンを借りている金融機関さんに相談をしてみてください。