こんにちは、不動産のOTOMO(@zebrakun24)です。
IT業界出身、現役不動産業界に身をおく筆者が、大好きな不動産業界を調べ尽くすシリーズ!
今回は、平和不動産についての企業研究を行います。
実際にどのようなことをしているのか。会社の概要から歴史、平均年収、抑えておきたいポイントなどのデータを紐解いていきたいと思います。
企業研究や、就職・転職の参考にしてください。
目次
平和不動産の基礎情報と特徴
平和不動産の一番の特徴は、日本で唯一の証券取引所ビルのオーナー不動産会社という点です。
その始まりは、1947年、昭和22年の戦後間もない頃に遡ります。「日本証券取引所の解散等に関する法律」が施行され、日本証券取引所が解散されることになりました。
当時その所有となっていた、東京、大阪、名古屋その他の証券市場建物その他を、証券取引所や証券業者に賃貸する目的で、同社が発起人となり財産を全て現物出資して設立されました。
1949年にはGHQの承認を経て日本の証券市場が再開し、その創業期に証券の街を支えました。その後、1980年には住宅分譲事業などで多角化をはかり、2000年には大阪・名古屋における建て替え事業を積極化。収益基盤の強化を図りました。
2022年には75周年を迎え、日本の金融市場発祥地である日本橋兜町・茅場町の再活性化プロジェクトや札幌再開発事業化を推進しています。
日本橋兜町は、渋沢栄一が興した街とも言われています。
基礎データ
まずは、会社概要から見てみましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 平和不動産株式会社 |
設立 | 1947年(昭和22年)7月 |
代表者 | 代表取締役社長 土本 清幸 |
事業内容 | 1.ビルディング事業 2.アセットマネジメント事業 |
資本金 | 21,492百万円 |
上場取引所 | 東京・名古屋市場第一部・福岡・札幌 |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋兜町1番10号 |
従業員数 | 102名(2021年3月31日現在) |
売上と利益規模(直近3年間)
続いて、有価証券報告書から直近の売上・利益を見てみましょう。
回次 | 第101期(2021年3月) | 第100期(2020年3月) | 第99期(2019年3月) |
---|---|---|---|
営業収益(百万円) | 35,048 | 46,639 | 39,480 |
経常利益(百万円) | 10,244 | 10,006 | 8,430 |
売上高はたな卸資産売却の減少により減収していますが、営業利益、経常利益は過去最高益を更新しています。
平均年収と従業員数(直近3年間)
次に、平均給与などを見てみましょう。
項目 | 2021年3月末 | 2020年3月末 | 2019年3月末 |
---|---|---|---|
平均給与(千円) | 10,126 | 9,926 | 9,790 |
従業員数 | 102 | 106 | 108 |
平均年齢 | 42.5 | 43.0 | 42.0 |
平均勤続年数 | 14.8 | 15.5 | 14.8 |
2021年3月末の平均年収は、約1020万円でした。
2019年から右肩上がりで給与は上がっています。
平和不動産の事業内容と強み
平和不動産の事業は、再開発事業・ビルディング事業・アセットマネジメント事業の大きく3つで構成されています。
それぞれ具体的な内容を見ていきましょう。
再開発事業
平和不動産は、創業地であり、金融の中心地「日本橋兜町・茅場町」の再活性化を推進し、東京をアジアの国際金融都市としての地位を確立することを目指しています。
兜町は東京証券取引所を中心とする証券の街でもあり、平和不動産の創業の地でもあります。
まちづくりの対象エリアは約10万㎡、同地域の第1弾プロジェクトである「KABUT ONE」は、国家戦略特区のプロジェクトとして認定されています。
加えてFinGATEというオフィスを開設することにより、Fintech企業をはじめとしたスタートアップ企業の成長に貢献しています。
これからの金融を担う独立系資産運用会社や、Fintech等の金融系ベンチャーのインキュベーション活動の総称です。
ビルディング事業
東京・大阪・名古屋・福岡・札幌・仙台など主要都市で「証券取引所ビル」や「オフィスビル」を中心に賃貸事業を展開しています。
ビルディング事業の収益内訳は賃貸収入(ストック)と物件売却収入(フロー)に2分されており、2022年3月期においては、ほぼ同規模の売上高となっています。
参考値:合計53,900百万円(賃貸:25,700百万円、売却26,700百万円+その他)
保有しているビルは50棟にも上り、内訳は以下のようになります。
アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業では、平和不動産リート投資法人のスポンサーとして、成長サポート等により、グループ全体の収益力強化につなげています。
主に、プロパティマネジメントフィー・分配金収入・仲介手数料が主な収入源です。
平和不動産の今後のビジョン
平和不動産の中期経営計画「Challenge &Progress」まちづくりに貢献する会社としての挑戦・飛躍は2020年度〜2023年度の計画とされいています。2022年には75周年を迎えた平和不動産は、この計画を通じてサステナブルな社会の実現を目指しています。
具体的な2023年度の数値目標は以下の通り。
- EPS目標 200円以上
- 連結営業利益目標 120億円以上
具体的な事業ごとの取り組みとしては、再開発事業においては「日本橋兜町・茅場町の再活性化」を目指します。KABUTONEに加えて、新プロジェクトを始動させ、まちづくりをすることを目指します。加えて「札幌再開発事業」として、道銀ビルディング再開発を事業化するとともに、市街地再開発事業に参画。
ビルディング事業では、収益向上とともに、環境配慮や防災を強化したビル運営・設備投資を行なってCO2を削減します。
平和不動産の採用情報
平和不動産の採用コンセプトは「街に染まり、街を変える」です。再開発プロジェクトというやりがいあふれる仕事に携われることはもちろん、あらゆる差別やハラスメントを排除し、ゆとりと豊かさの実現に努めています。
2022年3月現在、ホームページでキャリア採用「総合職」が募集されています。具体的には、以下のような職務内容を行います。
- オフィスビル等の開発、賃貸、管理および運営等の業務
- 収益用不動産の開発、運用およびマネジメント等の業務
- 住宅の開発ならびに不動産の仲介等の業務
- 経営企画・総務・人事、IR、財務、法務等の管理部門業務
以下のページから応募できます。
新卒採用の募集要項は以下から確認できます。
新卒採用は例年2〜3人と狭き門です。加えて、全体の従業員数から見てもわかるように、中途採用においても狭き門です。
まとめ
以上、今回は「平和不動産」について取り上げてみました。
ご覧いただきありがとうございました。
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