今回は、不動産の仕事紹介シリーズ第4弾!
用地仕入れ・買取の仕事について紹介します。
買取と聞くと、家を売るより、簡単なイメージありませんか?

販売よりかは楽そうだ。
不動産買取、仕入れ営業はかなり精神力がいります。
私も日々、買取案件を探し回ってるわけですが、これがまー決まらないんです。
そう、競合他社との比較になりますから。
しかし、とってもやりがいがあるお仕事。
そんな、用地仕入れ・買取営業の世界を解説したいと思います。

不動産業界で働きながら、不動産専門ブログを運営しているOTOMO(@zebrakun24)が解説します!
目次
用地仕入れ・買取とは?
用地仕入れの仕事は、その名の通り不動産を買い取る、仕入れることを言います。
用地とは「建設用地」などというように、何かをする目的のための土地のことです。
また、土地だけではなく、古家、空き家の買取をして解体して更地にする場合もあります。

買い取ってどうするの?
それを、売れる商品に仕上げて再販売します。
例えば、よくあるケースとしては、田んぼを買って、それを住宅用地にして、分譲地として販売したり、マンションを立てるための要地として仕入れて、マンションを建てたりする場合など。
一つの土地から、その隣の土地、隣の土地、と繋がっていくこともあり、結果的に大きな敷地になることもあります。
これは、不動産にとって欠かせないものの考え方ですが、不動産を買うときは必ず出口戦略を考えなければなりません。
その物件を仕入れて利益は出るか?ということです。
シンプルに考えた場合、500万円で仕入れた土地を、1,000万円で売ることができれば500万円の利益が出ます。
逆に、300万円でしか売れない場合は
これは例えですが、そのようなものの考え方で取り組んでいく必要があります。まあ当たり前といえば当たり前ですが笑

次に具体的な仕事内容を見ていきましょう!
用地仕入れ・買取の仕事の流れ
まず、用地仕入れ・買取の仕事の流れを見てみましょう。
- 土地を売りたいというニーズをつかむ
- 企画・試算して仕入れ価格を決める
- 売主さんに価格を提案する
- 価格・条件などが折り合えば契約
これがざっくりした流れですが、新規営業であればこの契約までを担当します。また、その後再販売まで担当することもあります。
住宅用地であれば、造成や分譲地を作ったり。ちなみに分譲地開発はかなり大変ですが、面白いですよ。
大きい土地になると、開発許可といって、都道府県知事に許可をもらって工事に取り組みます。
工事が完了して、検査済証がおりたら、販売スタートして売れると、どんどん家が立っていく様子は、まさにまちづくり。圧巻です。
用地仕入れ・買取の具体的な仕事内容
それでは、上記で述べた流れに沿って、具体的に一体何をやるのか?を解説します。
土地を売りたいというニーズをつかむ
まずは、入り口となる「土地を売りたい人」を見つけなければなりません。
昔は、地主さんのところに通って、膝を突き合わせて・・・という感じだったらしいのですが、今は時代的にもネットも発達しましたし、昔ながらのコテコテ営業では通用しない時代になってきました。
- 地権者(地主さん)に電話してアプローチし続ける。関係構築する
- 売却査定サイトを会社で契約して、家を売りたい人の情報を得る
- DMやチラシで家を売りたい人を見つける
- 不動産業者と仲良くなって情報を回してもらう など
地権者さんは、ご高齢の方が多いですので、携帯電話を使わず、固定電話やFAXがメインになることもあります。
そして、
加えて、色々な会社から営業されています。
その中で、自分を選んでもらうのが用地仕入れ営業です。
どうやったら会えるか?どうしたら販売してもらえるか?
それを常に考えて行動せねばなりません。
不動産業者のネットワークも非常に重要です。
買取を自社で行わない会社もありますので、そのような会社から情報を優先的に回してもらうために、日頃からコミュニケーションをとっておく必要があります。
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企画・試算して仕入れ価格を決める
そして、先にも述べましたが、不動産には出口戦略が必要です。
出口とは、一般的には、売却用として仕入れるか賃貸として収益を期待するか、そのために仕入れます。
どのように試算するか?
例として、古家を解体して更地として販売するパターンで考えてみましょう。
費用は参考までに適当値を入れています。
参考までに・・・
A 土地の取得原価:500万円
B 取得時の費用(不動産取得税・登記費用・解体代など)50万円
C 運用費用(固定資産税など)10万円
合計:560万円
これが取得原価になります。
そして、利益率を20%にしたい、と考えた時には販売価格は700万円になります。(560 ÷. (1-0.2))=700万円
大体は、その地域の相場に合わせて、販売価格を決めて、そこから逆算して、土地の取得原価を決めていくことが多いです。
これは、シンプルな例ですが、建物を立てる場合は、その収支も組まなければなりません。
このようにして、いくらで取得するか?決定します。
売主さんに価格を提案する
価格が決まったら、売主さんに提案します。
500万円でどうですか?
それでお願いします!
こうなればめでたしめでたしなのですが、そんな訳もなく。
また、売主さんとしても複数社で見積もりを取るのは、当然と言っていいかもしれません。
仮に、自分が不動産を売りたいとなったときに、1社しか見積もりをとっていないと不安になると思います。
もちろん、売主さんが売却を決める理由は価格だけではありません。
さまざまな要素が絡み合い、最終的に、いかに売却してもらえるか?
そこを突き詰めて、価格を決めて提案を行います。
価格・条件などが折り合えば契約
無事に価格が折り合えば、契約を締結します。
不動産会社が購入する場合は、契約と決済を同時にするケースも多いですが、契約日と決済日が分かれる場合も当然あります。
用地仕入れ、買取のやりがいや面白さ
それでは、用地仕入れの仕事のやりがいや面白さと言った点はどこにあるのでしょうか?
私が思う点を述べてみます。
まちづくりという大切な部分に関わる
仕入れは、その不動産が再度販売されるための、新たな出発点になります。
自分が仕入れをしたことで、売主さんからその意思を受け継ぎ、次の買主さんへ繋がっていきます。
そこに、また新しい人の流れが出来たり、新しいビジネスが生まれたりと、経済が循環する出発点にもなります。
その住まいに関わる出発点。
そのストーリーに立ち会えることは、他の仕事には中々ないやりがいなのではないでしょうか。
未経験から専門性が身につく
そして、用地仕入れは高度な専門知識が必要です。
特に、一般個人の方から不動産を買い取る場合は、そのトラブルも全て引き受けることになります。いわゆる、プロだから保護なしでいいよねの世界です。
だから入念に調査をしなければなりません。
かといって、この活動に専門性が必須かというとそうではありません。
未経験でも、相手が求める情報を提供できたり、信頼関係を構築したりできると、その中で自然とスキルも磨かれていきます。
転職や開業がしやすい
また、用地仕入れは不動産が一番困っているのに、誰もやりたがらない分野です。
この理由は後でもお話ししますが、結構大変な仕事だからです(笑)
つまり、このスキルを身につけることで、転職で評価してくれる会社は必ずいるはずです。
加えて、用地仕入れは前章でも述べたように、「利益を出すためにはどうすればいいか」という計算とともにやっていく必要があります。
つまり、経営者思考が磨かれます。
そのため、独立思考がある方にとってもぴったりの仕事ではないかと思う次第です。
用地仕入れ、買取の大変さ
ちょくちょく前振りをしましたが(笑)、やはり大変なこともあります。
次に、用地仕入れのリアルな大変な点、辛い点についても述べておきます。
交渉に根気と体力がいる
不動産を売る、というのはいますぐ売りたい人ばかりではありません。
今後、将来的なことも見据えて売却をしたい人にも、継続的にアプローチしていく必要があります。
そして、何度も何度も通って仲良くなったとしても、結果的に他の会社に決まってしまうこともあります。
あんなに動いたのに・・・
これは日常茶飯事です。
必ず努力が報われる世界ではありません。
1つの物件を仕入れるために、相当な労力を要します。
これを、不動産業界の用語で千三つ(せんみつ)といったりします。
千に3つの確率でしか決まらないよ、ということなのですが、まあそういうものだと思って気長に取り組むしかないです。
結果が出るまでに相当な時間がかかる
そのような背景があるので、結果が出るのに相当の時間がかかるわけですね。
私の知り合いに、上場企業の事業用地仕入れ部隊に37歳未経験で飛び込んだ猛者がいるわけですが、まあ最初の契約を取るまでに9ヶ月かかったらしいです。
しかも、その案件はおじゃんになり、結局のところ初契約は11ヶ月目。
強靭な精神力が必要です。
その分決まれば、報酬もものすごく高くなりますから、大きい仕事をしたい人、稼ぎたい人にはうってつけの仕事だと思います。
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用地仕入れ・買取の仕事をするには
用地仕入れは、結構会社によって扱う分野や、やることも異なります。
未経験でも年収1000万?!
という怪しげな広告をうたっている会社もありますから、よくよく調査が必要です。
自身で転職サイトを調べるのも良いですが、転職エージェントもおすすめです。
転職エージェントに会社の内情を聴きながら転職活動を進める方が良いでしょう。
まとめ
以上、用地仕入れの仕事内容と会社に入る方法を挙げてみました。
用地仕入れはハードだと思って挑戦した方が良いです。
軌道に乗るまでがまあ長い。
そんなこんなで、少々負の部分に焦点を当てた記事になったのですが、軌道に乗ると大きい仕事ができるので楽しいです。
興味が湧いたらぜひチャレンジしてみてください!