空き家管理サービスの広がりと新規事業について

空き家を巡回して、清掃や郵便転送をするサービスが増えています。

ちょうど今、関心の強いテーマでもありますので、今回は安江工務店さんの空き家見守りサービスをもとに、新規事業について考えてみました。

安江工務店の空き家見守りサービスとは?

安江工務店さんは、創業50年を超える住宅会社です。名古屋本社の上場企業で、2023年12月期の売上高は約74億円、営業利益は約3.4億円です。

出典:2023年12月期 決算説明会資料


2023年12月期 第2四半期決算説明会では、第4、第5の事業を作るために空き家みまもりサービスを開始するとの説明がありました。

最後は、新規事業の創出についてであります。当社グループは、住宅リフォーム事業をメインに新築住宅、不動産流通という三つの事業の柱で、現在まで事業を伸ばしてまいりました。今後もこの3本柱は変わることはありませんが、これから先、成長の規模とスピードを考えると、第4、第5の事業、柱が必要です。そこで、既存事業に関連する新事業を創出し、住宅関連総合企業となることを目指しております。

具体的には、先日開示しました、増え続けている空き家問題の解決策といたしまして、この秋より、空き家みまもりサービスを開始することといたしました。住宅リフォームや不動産流通事業に携わってきた「住まいのプロ」としての視点や、培ってきたノウハウを活かしたサポートを行うことで、他社との差別化を図り、空き家問題の解決に取り組んでまいります。

出典:同社ホームページ

※図左下参考

出典:2023年12月期 決算説明会資料

空き家見守りサービスについては、現在は新規事業のため、まずは顧客の利便性の追求とサービス拡大に努めている、との記載があります。

また、差別化ポイントとしては「建築」とセットした「みまもり」です。

出典:2023年12月期 決算説明会資料

同社の空き家見守りサービスについて

同社の空き家見守りサービスは、以下の3つの料金プランに分かれています。

  • 安心基本プラン
  • 屋外のみプラン
  • 屋内のみプラン

また、作業内容は以下の通りです。

屋内管理作業

  • 全室換気
  • 通水
  • 設備機器等動作確認
  • 防犯確認
  • 簡易清掃
  • 雨漏れ・カビチェック

屋外管理作業

  • ポスト内確認
  • 簡易清掃
  • 建物外部目視点検
  • 庭木の確認
  • 管理看板設置

今後の空き家見守りサービスはどうなるのか

上記でもみたように空き家管理サービスは3プラン用意されていることが多く、管理作業もそこまで大差はありません。

有名どころでは、ダスキンや大和ハウス、ALSOKなどの会社も管理サービスを提供しています。以前更新したブログでこの辺りの比較を書いていますので、よければご覧ください。

【2023年版】空き家管理サービス主要6社を比較!これからの空き家市場を考える

事業者目線で言えば、空き家管理サービスを行うことで顧客との接点が継続的に持つことができ、所有者がリフォームや売却を行う時にも声がかかりやすくなる可能性が高まります。

売却時にピンポイントで依頼をもらう競争は激化していますが、管理から入ることで、売却前のステージで接点を持ち、信頼関係を構築できる点で広がりがあるサービスです。

空き家に特化した管理サービスは、空き家の増加に伴って今後も需要が増えていくと考えていますが、いかに差別化するか。管理を実施する上では、ノウハウはもちろん、人件費も必要になるので、継続できる仕組みや他事業とのシナジーを考えていきたいところです。

先述しましたが、安江工務店さんの差別化ポイントは「建築」とセットした「みまもり」です。

大手企業であればブランド名で安心感を与えることができますが、中小企業においては、ある特定の地域に強い、だとか、付加価値をつけたサービスをするなど、工夫が必要ですね。

空き家管理サービスを掘り下げた記事はこちら

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