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自ら売主制限(8種制限)をわかりやすく解説

8種制限とは

自ら売主制限ってなに?

売主が不動産会社(宅建業者)の時に買主さんを守るための8種類の制限のことです

宅建業者 = 不動産会社 というイメージで大丈夫です。

宅建業者には、宅建業法という法律が適用され、不動産販売に大きな責任が課されることになります。

例えば、以下のような場合には、宅建業者に8種類の制限がかけられることになります。

この場合、個人であるひよこくんを守るために、8種制限がかけられます。

反対に、以下のように、個人間や宅建業者間では8種制限の適用はありません

逆に言えば、宅建業者から物件を買うと、手厚い保証がある、と言い換えることができます。

それでは、8種類の制限とは具体的に何を指すのかを見ていきましょう。

不動産会社が売主の物件を買う方も、宅建を勉強している方にも、わかりやすく解説していきます。

他人物売買

まず、他人物売買についての制限です。

これは当たり前に聞こえるかもしれませんが、他人の家や未完成物件を売買することはダメですよ、という制限です。

宅建業法 第33条の2
宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。

宅建業法 第33条の2

勝手に人の家を売るのがダメなのは当たり前だと思うんだけど・・・

しかし、これは民法では他人物売買は可能、とされています。

なぜならば、以下のようなケースが想定されているためです。

1 契約時点では他の人の持ち物(だったが)
2 売ると約束した人が本当の持ち主からその所有権を取得した(後に)
3 約束した買主に引き渡す

ただ、リスクが高い取引になるので、宅建業法上では、プロがそのような他人の物や未完成物件の売買取引をすることはやめましょう、ということで禁止されています。

例外的に、以下の場合には、宅建業者は他人物売買を実現させることができます。

・将来自己所有となることが確実な他人物の売買
・手付金等の保全措置を講じた未完成物件の売買

クーリングオフ制度

次に、クーリングオフについて。

言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、申し込み・契約をキャンセルをすることです。

言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。

宅建業法第37条2
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、〜略〜買主は、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除を行うことができる。

宅建業法第37条

訪問販売、電話勧誘販売の場合に適用されますが、一定の宅地建物の取引も対象になります

しかし、どんな場合にもこのクーリングオフが適用されるわけではありません。

例えば、以下のような場所で申し込みを行った時(契約ではありません)クーリングオフが出来ません。

・宅建業者の事務所
・土地に定着する建物内に設けられた案内所
・買主さんから申し出た場合の自宅や勤務先 など

これらは、買主さんが自らの意思で冷静な判断ができる場所、とみなされるからです。

加えて、以下の条件の時もクーリングオフは出来ません。

・宅建業者から書面でクーリングオフの説明された日から8日を経過した時
・物件の引渡を受け、かつ代金全額支払ったとき

宅建業者は、このクーリングオフが実行されたとしても、違約じゃないか!といって損害賠償や違約金を請求することはできません

損害賠償の予定等の制限

仮に、買主さんが契約の約束を守れなかったとします。これを債務不履行といいます。

契約が守れなかった時は違約金が発生します。

しかし、損害賠償や違約金に制限がないと、大変高額になることもあり、買主さんはこれらによって不測の損害を被る場合があります。

その債務不履行を理由とする契約解除に伴う、損害賠償額の予定、又は違約金の額を不当に請求してはいけません、という制限です。

そして、この額は代金の額の10分の2を超えてはいけません。それを超えた分は無効になります。

例えば、3,000万円の物件であれば、600万円が限度になります。

損害賠償の予定と、違約金の違いって何なの?

損害賠償額の予定とは
あらかじめ契約で損害賠償額を予定しておくこと。債務不履行があった場合に、損害額の証明の必要がないので、権利行使が簡単になるという制度(民法第420条第1項)

違約金とは
債務不履行が起きたとき、義務を履行しなかった者が支払う金銭のこと。しかし、この違約金と損害賠償額の予定との区別は実際上難しいので、「違約金は賠償額の予定と推定する」旨が定められています。(民法第420条第3項)

本来は異なる性質のものですが、民法では一緒とみなされている、と理解しておきましょう。

宅建業法38条
当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2をこえることとなる定めをしてはならない。

宅建業法38条

又、この規定に反する特約は代金の額の10分の2をこえる部分について、無効となります。全てが無効になるわけではないところに注意しましょう。

手付額の制限・解約手付

不動産売買の契約を行う時には、手付金が必要になります。契約書を交わして、手付金を売主さんに渡すことで、契約が成立します。

この手付金は、実務では代金の10%や、キリよく100万円、といったケースも多いですが、宅建業者はこの手付金を多く受け取ってはいけない、という決まりがあります。

具体的には、売買代金の10分の2を超える手付金を受け取ってはいけません。

例えば、物件の価格が3,000万円であれば、宅建業者が受け取れる手付金の上限は10分の2の600万円です。

宅建業法39条
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができない。

宅建業法39条

加えて、宅建業者が契約を解除するときは、手付を倍返ししなければなりません。

仮に、宅建業者が600万円の手付金を受け取っていれば、その倍の1,200万円を買主さんに返さなければなりません。

宅建業法39条 2
宅地建物取引業者が、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手付を受領したときは、その手付がいかなる性質のものであつても、買主はその手付を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。

宅建業法39条

続いて、手付金の保全措置、という規制を見ていきましょう。

手付金等の保全措置

先程ご説明したように、手付金を預ける買主さんにも一定のリスクがあります。

買主さんが多くの手付金を預けていたのに、万が一その不動産会社が倒産した、、、なんてことにもると心配ですよね。

そこで、宅建業者は、ある一定の条件で手付金を受け取る時には、保全措置を取らなければならないことになっています。

以下、保全措置を講じなくても良いケースをご紹介します。

売買で、買主さんに所有権移転登記がなされた場合

未完成物件の場合
売買代金の額の5%以下、かつ1,000万円以下である場合

完成している物件
売買代金の10%以下、かつ1,000万円以下である場合

また、別途残金までの中間金が、手付金と合わせて5%や10%を払う場合、この場合も宅建業者は手付金の保全措置を講じなければなりません。

3,000万円の物件で、手付金300万円を受け取った後に、中間金として300万円、合計600万円受け取った

このような場合は、保全措置を講じる必要があります。

そして、この保全措置が取られない時、買主さんは手付金等を支払う必要はありません

宅建業法41条
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては、次の各号のいずれかに掲げる措置を講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。

宅建業法41条

割賦販売等の解除等の制限

割賦(かっぷ)販売とは、宅建業者への支払いを分割することを言います。

例えば、1,000万円の物件を購入する際に、500万円を2回払うようなケースですね。

この場合、売買代金額の10分の3を超える金額を受け取るまでに、登記や売主の義務を行う必要があります。

また、仮に割賦金の支払いを買主さんがしなかった場合でも、即刻契約解除ということは出来ません

30日以上の期間を定めて書面により支払いを催告し、この期間内に支払いがないときでなければ、契約の解除および残りの割賦金を請求することができないとされています。

宅建業法42条
宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払の義務が履行されない場合においては、30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない。

宅建業法42条

所有権留保等の禁止

所有権留保…?

所有権留保とは、代金全額が支払われるまで所有権を買主に移転せず、売主に留めておくことを言います。

買主さんを保護する規制といえども、手付金10万円払ったから所有権移転してね!と買主さんから言われた宅建業者は少し酷です。

このような場合、以下の例外が認められています。

宅建業者が受領した額が代金額の10分の3以下である場合は、引き渡しをする必要がありません

宅建業法43条
宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合には、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡すまでに、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、買主が、当該宅地又は建物につき所有権の登記をした後の代金債務について、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでない。

宅建業法43条

契約不適合責任の特約

不動産会社から買主さんに引き渡した物件に雨漏りやシロアリ、聞いていた話と違うことがあった場合はどうなるのでしょうか?

この場合、宅建業者は契約不適合責任を負います。

買主さんは、不適合を知った時から1年以内に通知を行うことで、追完請求や損害賠償などの権利が行使できます。

契約不適合についてはこの記事もご参考ください。

まとめ

8種制限は買主さんを守るためのものです。不動産購入は、大きな金額になるので、消費者が不利益を被らないように宅建業法で規制がかかっているわけですね。

そして、中古物件は不動産会社で買う方が良いです。中古物件を買うと給付金を受けられることもあり、保証も個人の方から買うよりは長くなります。数は少なくなってしまいますが・・・

この記事がご参考になりましたら幸いです。

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