地積更生(ちせきこうせい)登記ってなに?
誤って記録された地積を正しい地積に直す登記のことを、地積更生登記といいます。
例えば、分譲地などであれば開発会社がきちんと測量会社に依頼して分譲されているので、登記簿謄本と実際に測った面積がずれるというケースはまずありません。
しかし、昔からある土地で、情報がかなりアバウトにまとめられている場合、登記簿謄本が100㎡となっているのに、実際に図ると120㎡になっている、などといったケースもあります。
登記簿は、明治時代の測量記録がベースになっているため、実際の面積と異なっていることが多いのです。
そうなってくると、売却や相続の時に問題となります。
その面積を正すのが地積更生ということですね。
地積更生登記の流れ
登記簿の情報を修正するためには、まず正確な土地の面積を測量する必要があります。
土地が続いていて、何も目印がない状態だと、どこからどこまでが自分の土地かもわかりません。
そのため、土地の境界をはっきりさせるための測量(境界確定測量)を行い、正しい境界が記載された図面(境界画定図)が必要です。
境界確定図サンプル
この土地地積更生登記は、土地家屋調査士に依頼します。
具体的な地積更生の流れは以下の通りです。
2.現地調査
3.事前の仮測量
4.隣地立会
5.測量
6.筆界確認書の作成
7.境界杭の設置
8.登記申請
この手続きは、隣接する土地の所有者の方との立ち合いや専門の機材も必要になるため、専門家に相談をしながら進めることをお勧めします。
費用は土地の面積にもよりますが、境界確定測量(隣地境界確認書の作成)で35万円~、登記の申請費用で6万円~、かかるのが一般的で、基本的には、売主さん側の責任で行います。
公募(登記簿上の面積)上での取引として、売買が行われるケースもあります。
現況測量図や地積測量図との違い
尚、似たような言葉に現況測量図や地積測量図という図面もあるので紹介しておきます。
●現況測量図
現況で確認できる境界点で作成したもの。隣人の承認は得ていません。
●地積測量図
確定測量で決まった境界点で面積を測量し、登記することで公的な図面になります。法務局に備えられています。隣人との合意がとれているかどうかが分かりません。
●確定測量図
隣接者の同意を得た上で境界が確定したもの。そこを起点として面積を図って図面としています。
まとめ
以上、まとめると、地積更生登記とは、誤って記録された地積を正しい地積に直す登記のこと、と覚えておけばよいでしょう。
また、土地の一部が地震などの災害で登記簿と一致しなくなった場合には、地積の更正ではなく、地積の変更の登記を申請することになります。
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