業界の今後|不動産業ビジョン2030を解説

シノケングループの海外事業展開を分析

本日は、株式会社シノケングループについて、まとめてみたいと思います。

日本国内では、「投資用マンション会社」としてのイメージが強いかと思いますが、2020年12月末時点では連結子会社が30社あり、海外にも積極的事業展開を行っています。

そこで今回は、2020年に創業30年を迎えた際の中長期ビジョン2020,決算説明資料2021.1-3Qをもとに動きをまとめてみたいと思います。

中長期ビジョン2020

2021年12月期 第3四半期 決算説明資料

シノケングループとは?

株式会社シノケングループは、投資用不動産販売、不動産賃貸管理などを行うグループの持株会社です。

シノケングループHP

中長期ビジョン2020によると、同社は、創業者が、会社員時代に資産づくりを行なった自身の経験から、「会社員にもできる、会社員⽬線でのアパート経営」を通して、会社員の資産づくりをサポートをしたい、という思いで事業が始まりました。

そして、シノケングループの賃貸管理戸数は、徹底した企画力・運用力により、38,000戸超、入居率実績は99%を超えています。同社が企画開発を行うコンセプトは、大きく3つあり、このコンセプトを徹底追及することで、高い入居率を誇っています。

  1. 厳選した立地での展開
  2. マーケットに見合った無理のない家賃設定
  3. 入居ニーズを捉え、デザイン・仕様に反映

また、アパートメントのデザインや仕組みも、社会構造の変化に合わせて、時代に即した取り組みも兼ね備えているようです。

  • 単身高齢者の入居が可能な独自サービス「寿らいふプラン」
  • 外国人入居者向けサポート、多言語コールセンター導入
  • スマートロック・各種IoTセンサー

このように、日本国内では「投資用サービスアパートメント」を中心とした、顧客へのサポートシステムの実績・ノウハウを積み上げてきました。

シノケングループの海外展開について

上記で説明したように、国内での投資用マンションのイメージが強いシノケングループですが、海外事業の展開・M&Aを積極的に行なっています

もともとの創業は福岡ですが、そこで作り上げたモデルを東京で成功させ、ついで大阪・名古屋・仙台・札幌でも結果を残してきました。このモデルが「再現性のある」ことを示し、事業関係が異なっても、各地域で事業を軌道に乗せてきました。そして、次は海外でも適用されうることを立証し、今後一層海外展開を強化していく、という戦略を立てています。

シノケングループの海外事業のトピックと売上高

海外においては、インドネシア・中国・シンガポールにおいてグループの事業会社を有しています。

2021年第三四半期決算によると、売上高、セグメント利益ともに前年を大きく上回っています。

主なトピックス

  • 桜テラス第2号、2021年のグランドオープンに向けて準備中
  • 桜テラス第3号は2022年4月に竣工予定
  • インドネシアREITへの引き合い案件の整理、組成進捗準備
桜テラスとは?

桜テラスとは、同社が運営するサービスアパートで、ジャカルタ(インドネシア)にあります。後ほど詳しく取り上げます。

売上高

売上高は、前年同期比と比べて、+24%となっています。

年度金額前年同期比連結売上高に占める割合
2021年3Q161百万円+24%0.3%
2020年3Q130百万円

セグメント利益

年度金額前年同期比連結営業利益に占める割合
2021年3Q61百万円+126.3%1.0%
2020年3Q27百万円

シノケングループの海外での事業内容

それでは、それぞれの国別の事業内容をみていきましょう。

インドネシア向けテラス運営

ジャカルタ中心部では、シノケングループが日本で展開する「ハーモニーテラス」をインドネシア向けにローカライズし、用地仕入れ〜入居・宿泊運営まで同社が行なっています。

桜テラスHPより

長期滞在時の賃貸マンション住居としてだけでなく、出張時のホテルとしても、使えるサービスアパートメント。

そして、「ロフト付きの居住空間」の意匠がインドネシア政府に知的財産として公式に認定されています。

桜テラスプレスリリースによると、2019年1月には、桜テラス第1号が竣工し、2021年10月には桜テラス第2号の竣工、オープン予定となっています。

桜テラス第1号においては、コロナ禍の前は8ヶ月連続の満室運営の実績があり、足元では黒字経営を行なっています。この実績から、第3号、第4号も準備が進められています。

インドネシアで外資唯一のREITライセンスホルダー

同物件の気になる出口戦略ですが、同社は、外資系で唯一のREITライセンスホルダーとして、REITへの売却という出口シナリオも描くことができます。同グループのシノケンアセットマネジメントインドネシア(SAMI)は、外資系でインドネシア初となる、REITライセンスを取得しています。

SAMIについて

商号PT. Shinoken Asset Management Indonesia
住所Wisma 46 Kota BNI, 24th Floor, Jl. Jend. Sudirman Kav.1, Jakarta 10220, Indonesia
URLhttp://www.shinoken-am.co.id/

中長期ビジョンによると、このように述べられています。

SAMI によるインドネシア REIT は、インドネシアに既に進出している海外企業とこれから進出した い企業双⽅の、インドネシアにて不動産開発を安定的に⾏いたい、という関⼼や引き合いが⾮常に⾼く、当社グループによる開発物件以外で数百億円〜数千億円規模の REIT組成の需要が⾒えてきて おります。

シノケングループ中長期ビジョン2020

中国・シンガポールでも不動産仲介業を展開

シノケングループの2014年のリリースによると、シノケングループの香港の会社を通して、シンガポールの不動産会社「Hecks Realty Pte Ltd」の株式34.0%を取得し子会社化し、事業を行なっています。

shinoken & Hecks Pte Ltd.

  • シンガポールにおける売買/賃貸仲介
  • 日本人駐在員への賃貸仲介
  • 現地富裕層への日本不動産販売

加えて、中国では、希諾建(上海)物業経営管理有限公司(シノケン不動産)という会社で、日本人駐在員への賃貸仲介や、現地富裕層の日本不動産を販売を行っています。

希諾建(上海)物業経営管理有限公司

同社HPより

このように、アジアにおいて、さまざまな事業展開を行っています。

特にインドネシアにおいて、不動産・金融・建設と多角的な事業展開を行っていることがわかります。

今後のシノケングループの事業展開について

今後は、同社は「不動産のトラストDXプラットフォーム」の実現、世界中の誰もが手軽に行える、自由で安全な取引を実現を目指しています。DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略で、アナログな文化が残る不動産業界をいち早くIT化していこうという動きも見られます。

2030年12月期においては、2,000億円の売上、170億円の営業利益を目標としており、10年間で2倍近い目標を掲げています。

特に、海外事業をはじめとした新規事業に積極的に注力を目指す同社。

今後の展開についても追っていきたいと思います。

不動産業界においての今後のビジョンは、こちらの記事でもまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

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