不動産を売りたいが、何をどうすれば良いかわからない
初めての不動産売却には不安がつきものですが、共通の課題は「高くトラブルなく売りたい」という想いでしょう。
筆者は、これまで中古戸建・土地・マンション・事業用不動産などの販売はもちろん、買取や査定も数えきれないほど行っています。
その中でお会いする方々は一部のプロを除き、売却が初めての方がほとんどです。
にもかかわらず、目の前の不動産屋さんが言っていることは正しいのか?中々判断がつかない事かと思います。
さらに、ネットにも多数の記事がありますが、その情報が100%正しいものとも限りません。
まず、不動産売却の全体像・スケジュールは以下のようになります。
流れが多くてややこしい・・・
大丈夫です。これらを一つずつ、丁寧に解説していきますので、今は読み飛ばしてください。
この記事の目的は、具体的なスケジュールを知っていただくことで、不動産売却にまつわる不安を解消し、正しく不動産屋さんと付き合うことが出来ることを目指しています。
売却は長い戦いです。
売り時を逃さないために、売却を考え始めたときぐらいから情報収集を始めておきましょう!
熱がこもりすぎて、この記事で16,000文字ほどのボリュームになってしまいましたので、すでに売却を始められている方はきになる目次からチェックしてみてください。
・不動産を売りたいが、何から初めていいかわからない
・不動産屋にだまされたくない
・不動産業界にいるが、不動産売却の流れを知りたい方
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目次
個人で初めて不動産売却をするときの注意点・ポイント
まず、いきなり売却・・・
その前に!
売却をする前に知っておきたいポイント・注意点5つを解説します。
是非読んでほしい項目ですが、具体的なスケジュールを早速知りたい方は目次から自分の今の状況に応じて選んでください!
安心してください。不動産売却は珍しいことではありません
まず売却を検討する、というケースは必ずしもポジティブなものとは限りません。
自分だけこんな理由だったらどうしよう・・・
と思われる方は多いですが、大丈夫です。
以下の理由で売却される方がほとんどです。
- 転勤がきまったため、貸そうか売ろうか迷っている
- 住宅ローンの返済に困っている
- 住み替えを考えている
- 物件を相続したため、売ろうかどうか悩んでいる
- 離婚して不動産を売却することになった
- 地元に空き家があるので処分したい
不動産を売却するということは、一大イベントで手間もかかります。
しかし、家を売るのは自分だけではない、とまずは知っていただきたいです。
悲しいことに、その不安な気持ちに漬け込んで適当なことを言う業者さんもいます。
正しい知識を身につけて、自分で判断ができるようにしましょう。
共有名義の場合は、全員の同意が必要
不動産を買ったとき、ローンを組んで買われる方がほとんどです。
その時に自分だけでローンを組んでいれば良いですが、ペアローンなどを組んだ場合、不動産が「共有名義」になっていることがあります。
名義が自分だけであれば、問題ないですが、2人・3人と共同の名義になっている場合、全員の同意がないと売却することができません。
※厳密には共有持分のみ売却は出来るのですが、トラブルになることが多くあまりお勧めできません。
また、自分が名義人でない場合(相続した場合)なども相続登記が必要です。
この辺りは不動産会社さんがリードしてくれると思いますが、家の所有者は一体誰なのか?確認しておきましょう。
いずれにしても、「名義人が自分かどうか」は重要な確認事項です。
手残りがいくら欲しいのか決めておく
ローンの有無にもよりますが、手残りがいくら必要か、を考えておきましょう。
タイミングによっては高値で売れることもありますし、かなり安値でしか売れないこともあります。
それらを踏まえて、どのぐらい手元にあれば十分なのか、を決めておくことは大切です。
手元に残る金額がわかればそこから逆算して諸費用を出して販売価格を決めていくことも可能です。
売却時は、購入時に比べてかかる費用は少ないですが、引っ越しや荷物の撤去などを含めて、余裕をもって計算しておくことが必要です。
販売価格が、市場価格とあまりにも差が大きすぎると中々売れないといったことにもつながりますが、一旦は自分の希望を決めておきましょう。
売却にはどのぐらいかかるのか?
また、売却する時期も重要です。
一般的には売却開始から引渡しまで、早ければ3ヶ月以内・長ければ1年以上かかることもあります。
不動産は3ヶ月以内に売れる「だろう」価格で売った場合、70%の確率で3ヶ月以内で決まる事になります。
また、長くても高く売りたいという場合は高めに売り出すことがあります。
これを、会社によって言い方はことなりますが、「チャレンジ価格」と呼ぶことがあります。
価格やタイミングによって、売出してすぐに決まる場合もあれば、中々決まらない事もあります。
時間がかかっても多少高値で売りたいのか・
それとも磯井で売る必要があるのか。
この辺りも想像しておきましょう。
思ったより査定額がでないことも覚悟しておく
よく売主さんから伺うのは「もっと高く売れると思っていた」という言葉です。
売りたい不動産が戸建てなのかマンションなのか、土地なのか、どこにあるのか、でも価格は大きく変わります。
不動産は需給のバランスや、土地の価格、売り出すタイミングで値段が変わります。
私が経験した取引では、
土地を購入して転売したところ、100万円近い利益が出ました
というケースもあれば、
バブル期に4,000万円で買った不動産を1,000万円近い価格でしか売れなかった
というように、高く売れることも安く売れることもあるのです。
上記は特殊な例ですが、ここで大切なことは、適正な相場を知っておく、ということです。
不動産会社によっては価格査定の仕方が違いますので、適正な価格を知っておくことは重要です。
広告は、高値で買い取ります!という言葉が多いですが、いずれにせよ、あまり過度な期待は禁物、というのが正直な意見となります。
ワンポイントアドバイス
なお、中古住宅や土地を売る場合は以下の点もチェックです!
不動産売却を決める
それでは、いざ不動産売却を開始です!
不動産売却のカギは、不動産屋さん選びにあると言っても過言ではありません。
不動産売却を決めたときには、「不動産 売りたい」や「不動産売却 ●●市」とGoogleで調べることと思います。
すると、たくさんの会社が出てきます。
ここで気をつけてほしいことは、すぐに知らないサービスに問い合わせをしないこと、です。
名の通っている大手さんであればまだ良いですが、検索をして、左上に「広告」と付いているものは、正直一目には判別が難しいです。
というのも、筆者も水道工事を頼むときに「広告」とついているホームページから問い合わせをしてぼったくり被害にあい、大失敗した経験があるので分かります笑。
もちろんすべての会社さんがそうではないのですが、はじめて見たホームページで判断することは難しいと思います。確率的な話です。
なお、ここで注意しておきたいこととして仲介手数料無料にとびつかないことです。
仲介手数料無料になる理由は、この記事でも紹介しています。
なぜ無料になるのか?としっかり説明があれば良いですが、なかにはコンサルティング料と称して別の費用を請求された、という話を聞くこともあります。
不動産屋さんには、気持ちよく協力してもらうために、仲介手数料は売却にかかってくる経費、と割り切っておくことが大切です。
仲介手数料無料の会社さんを否定するものではなく、きちんとした会社を選びましょう、ということです。
焦らず、ゆっくり行きましょう。
査定サイトについて
実際の不動産屋さんを選ぶときのポイントですが、よく言われる一括査定サイトの仕組を先に説明しておきます。
この裏側はどうなっているのか?というと、こんな感じになっています。
売主さんが不動産の個人情報を入力する
↓
一括査定サイトに情報がいく
↓
一括査定サイトサービスに登録している不動産屋さんに情報がいく
一度の問合せで、何社もの不動産屋さんから連絡がもらえるので、効率的な仕組みとも言えます。
査定サイトを使う上での注意点は、以下の点です。
査定サイトに加盟している不動産屋さんにしか情報がいかないこと
何度も電話が来る可能性あること
査定サイトの運営会社がどのような基準で不動産屋さんを選んでいるかにもよりますが、一定の基準を満たした会社から連絡がもらえると言っても良いでしょう。
査定サイトの数は山ほどあり、中には「あなたのボロ家がこんなに高く売れる?!」と少々過激な広告もあったりします。
便利なサービスではありますが、あくまで一つの手段として考えておきましょう。
なお、筆者は査定サイトを不動産屋さん側(査定を依頼される立場で)10以上利用していますが、ワンポイントアドバイスです。
査定サイトを使ってしつこい営業を受けたくない!という方は、以下の方法がお勧めです。
希望する連絡事項や備考、という欄があれば、「メールで連絡をお願いします」と書きましょう。
これで、営業マンの対応を見ることもできますし、自分の意図をきちんとくみ取ってくれるか?を判断することもできるでしょう。
不動産屋さんへの問合せ
不動産屋さんはコンビニの数よりも多いと言われており、全ての不動産屋さんをめぐるのは不可能です。
規模の大小もあり、大手だから安心、小さいから不安、ということも一概に言えません。
- 地場の不動産屋には地場のネットワーク
- 買取専門の会社には高値で買い取ってくれる可能性
- 大手ならではの手厚いサポート・アフターサービス
- よくしっている知人
いずれにしても、不動産屋さんを通して売却活動を行っていくことになります。
問合せの方法は色々あるでしょうが、
- 家に入っていたチラシを見て
- たまたまネット広告で見て
- 査定サイトを通じて
- 紹介を通じて
これらの方法で不動産屋さんを探すことになります。
どこが良いかわからない!という方で、査定サイトを使う方に、私の独断と偏見でおススメをします。
他にも、色々な査定サイトがありますが、一括査定サイトは先ほど申し上げたように、たくさんの不動産会社から連絡がきます。
大手に頼みたい方は、業界の中でも三井のリハウスさんは査定書がしっかりしていると評判です。
不動産査定で「物件価格」を決める材料にする
さて、いよいよ問い合わせをすると、何社かの不動産屋さんから連絡がきます。
ここで最も大切な「不動産査定」に移ります。
この不動産査定は、物件をいくらで売るのかという不動産屋さんの評価になります。
査定方法は、机上査定と訪問査定があります。
具体的な価格を知るためには、最終的に不動産屋さんに訪問査定をお願いすることになります。
査定をお願いすると、不動産屋さんに査定書をもらいましょう。
いきなりはちょっと・・・と思われる方に、裏技を教えます。
実は、この査定をお願いする前に、自分でも「ある程度の価格」を出すことができるのです。
地域にもよりますが、レインズマーケットインフォメーションというサイトがお勧めです。
これは実際に、取引され、決まった価格で一般向けに公開されている便利なサイトなのです。
元々「レインズ」という不動産業者専門のシステムがあり、不動産会社はそのデータを基にして、過去の成約事例などを調べたりしています。
レインズマーケットインフォメーションは、その一般向けのシステムとイメージしておきましょう。
さらに、土地の価格であればもっと簡単に調べることができます。
この記事内で紹介すると長くなってしまうので、別記事でまとめてみました。
実際に自分でできる査定方法を画像付きで解説していますので、興味のある方はトライしてみてください。
【プロも使う】不動産の価格査定が自分でもできる!お役立ちサイトと査定方法を解説
査定に書類は必要?
なお、不動産屋さんがリードしてくれると思いますが、余裕があれば、以下の書類が手元にあると売却がスムーズに進みます。
売主さんが用意するもの
- 間取り図面
- 固定資産税がわかるもの
- 登記済権利証または登記識別情報
- 免許証(本人確認用)
最低限これだけあればOKですし、間取り図面がない場合は不動産屋さんが間取り図を作成してくれます。
以下は査定の時には必要ありませんが、後々必要になってくることもあるので、この機会に一つの場所にまとめておくと、後であわてずに済みます。
- 建築設計図書、工事記録書
- ローン残高証明書、ローン証明書(ローンがある場合)
- 購入時の契約書や重要事項説明書など
以下は、参考までに不動産屋さんが用意する書類の一覧です。法務局で、不動産屋さんが書類を取り寄せます。
不動産屋が用意するもの
- 登記事項証明書(とうきじこうしょうめいしょ)
- 地図
- 地積測量図・確定測量図
- 建物図面・各階平面図
- 建築確認済証、検査済証
- マンションの管理規約、使用細則、維持管理費などの関連書類
- ハザードマップ など
この辺りは、不動産屋さんの調査の一環に含まれますので、売主さんが特にすることはありません。費用も契約が決まるまではかかりません。
売り出し価格を決めて媒介契約を結ぶ
査定価格が出たら、売却するか、しないかも含めて検討することになります。
そして、これも重要なお話です。
販売方法には、仲介売却か買取かの2種類があります。
何が違うの?
それぞれの違いを説明します。
不動産屋さんが、売主さんと買主さんの間に入って購入希望者を探します。
街中で「売物件求ム!」の看板が付いていたら、仲介会社が売主様から依頼をされて、販売活動を行っているのです。
数社に頼むこともできますし、1社専属で頼むこともできます。
SUUMOやHOMESなどに掲載されている物件も、仲介として売りだされている物件です。
買取は不動産屋さんが直接買取を行います。
不動産屋に直接買い取ってもらうと、仲介手数料がかからず、 シロアリや雨漏りなどがあっても、 ノークレームノーリターンで購入することになります。
手早く現金化したい方にはおススメですが、仲介と比べて値段が落ちることが多いです。
買取については、買取を行っている業者と買取を行っていない業者があります。
上記、仲介か買取かを、査定価格を見て決めていくことになります。
なお、以下のようなケースはどうでしょうか?
住宅ローンの支払いが厳しく、滞納をしている状態でも大丈夫でしょうか・・・
このような場合には、任意売却(にんいばいきゃく)という仕組みがあります。滞納が続くと競売になるので、一刻も早く解決しましょう。
この場合、進め方が異なりますので、以下の記事をご参考にしてください。
住宅ローン滞納したら競売になる?絶対にしてはいけないことを解説
それでは、仲介と買取の違いを具体的に見ていきましょう。
仲介売却について
さて、仲介を選んだら次は、不動産屋さんを選びます。
何社か査定をしてもらって、自分が売りたい希望とすり合わせて決めてみましょう。
あまりに適正な価格から離れすぎていると、問合せがなかったり、売れない原因になったりします。
仲介で売りだす価格は自分で決定できますので、査定価格をもとに、落としどころを不動産会社さんと相談しましょう。
なお、仲介で売り出すためには、不動産やさんと媒介(ばいかい)契約という契約を結ぶ必要があります。
3つの契約の種類がありますが、簡単に言えば、1社にお願いするか・複数社にお願いするか、どちらかを選ぶことになります。
- 専属専任(せんぞくせんにん)媒介・・・1社にしか販売を依頼できず、自分で購入者を見つけた場合でもその不動産屋を通さなければならない。
- 専任(せんにん)媒介・・・1社にしか販売を依頼できないが、自分で直接購入者を探すこともできる。
- 一般(いっぱん)媒介・・・複数社に販売を依頼することができる。
1社にお願いする契約をすると、その分不動産屋の責任も重くなり、報告義務なども生まれます。
複数社にお願いする契約であれば、不動産屋に報告義務はありません。
以下、比較表を作ってみましたので、参考にしてみてください。
媒介契約の一覧
契約の種類 | 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
---|---|---|---|
複数の会社に同時に お願いできるの? | 出来ません 1社のみです | 出来ません 1社のみです | 複数の会社に依頼 出来ます |
売主さんが直接見つけた 買主さんと契約できる? | できません (不動産会社が 間に入ります) | できます | できます |
活動状況の報告義務は あるの? | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 任意です |
レインズに登録する 義務はあるの? | 媒介契約を結んだ後、 5営業日以内 | 媒介契約を結んだ後、 7営業日以内 | 任意です |
有効期間はあるの? | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 決まりなし 3ヶ月以内が一般的 |
なお、レインズとは、不動産会社間の専門のネットワークシステムのようなものです。
媒介契約の決め方
まず前提として知っていただいて欲しいのは、不動産屋さんは「専任(専属)契約が欲しいのです。
何故ならば、一般媒介で複数の会社から出していても、自分のところで決まらなければ売上になりません。
それを踏まえた上で、どの契約を選ぶか?を考えなければなりません。
ここは考え方にもよりますが、
いろんな人と付き合うより1社にお願いしたい!
と思う方は専任(専属)契約が良いと思いますし、
複数社にお願いして様子を見たい!
という方には一般媒介がおすすめです。
なお、私の考えとしては「最終的には」信頼できる1社に依頼した方が良いと思います。
この「最終的には」というのは裏技がありますので、後ほど述べますが、1社にした方が良い理由は、報告義務も生まれ、営業マンも頑張らざるを得ないためです。
上記の表を見てもらうと、複数社にお願いできるほど、1社あたりの責任感が薄れていくことがお分りいただけると思います。
不動産営業マンは、日々様々な物件を預かっているので、売主さんの中には、本当にちゃんと活動してくれてるの?と不安になる方もいらっしゃるかと思います。
報告が義務化されている契約を結ぶことで、お互いが緊張感を持てます。
そして、活動報告を見ながら、何が悪かったのか?もっとこういう動きはできないか?などの相談が出来ます。
不動産売却は営業マンの動きが全てだと思っています。
スピード、誠実さ、努力、熱意、ネットワーク。
自分の大切な不動産を信頼できるパートナーに任せることこそが、不動産売却の成功のカギになると思います。
自分が「この人に販売をお願いしたい!」という営業マンに出会うことが出来れば、良い売却に繋がる事かと思います。
そして、最終的には、と私が述べた理由ですが、「一般媒介」を結んで更新をするときに「専任媒介」に切り替えるという裏技があります。
裏技というほどでもありませんが笑
3か月たつと、更新期間が来ますので、そのタイミングで複数社との信頼性によって、1社に絞る方法もあります。
メリットとデメリットは以下の通りになります。
依頼の数 | メリット | デメリット |
---|---|---|
複数社(一般媒介) | ・色々な会社と付き合うことができるためネットワークが広がる ・1社がダメでも、他でカバーできる ・大手や地場企業、といった組み合わせも可 ・それぞれの会社が広告を行ってくれる | ・報告がおろそかになる可能性がある(義務がない) ・レインズの登録義務がない ・人によっては、調整やコミュニケーションが大変 ・担当が、販売活動に注力してくれない可能性がある |
1社(専任or専属) | ・活動報告義務がある ・レインズ登録義務がある ・1社と信頼関係を深く築いていける ・営業マンの責任が重くなるため、良い緊張感を持って、取引ができる | ・担当が思っていた動きをしてくれない可能性がある ・担当を変えたいときに、3ヶ月間待つ必要がある ・他の会社に同時にお願いできないため、1社に依存してしまう |
買取について
買取は、仲介より価格が下がります。
しかし、不動産会社が直接買い取ってくれますので、シロアリや雨漏りなどがあっても、不動産会社の責任(リスクを負ってくれます)になります。
<宅建業登録名簿>
不動産売却の活動開始!どうやって売るの?
媒介契約を結んだら、いざ、売却活動開始です!
ここから売出を行っていきます。
居住中の場合は、住みながら家を案内することになります。
また、空き家の場合は不動産屋さんに鍵を預けて案内をしてもらいます。
不動産会社は、以下のような広告を使って販売活動を行うことが多いです。
- チラシ
- レインズ(不動産業者間のシステム)
- SUUMOやHOMESなどのポータルサイトの掲載
- 不動産屋さんの自社HP
- 売り看板(現地看板)
- 既存顧客への声掛け
- オープンハウス
基本は、これらの広告を行ってもらい買い手を探してもらいます。
不動産屋さんが精力をあげて広告活動をするのはもちろんですが、売主さんの協力も必要不可欠です
内覧の成功確率をアップさせる秘訣を解説します。
不動産売却率をUPさせる秘訣
不動産売却を行う時には「内覧(ないらん)」というステップがあります。購入者様は、高額な不動産を購入するために、実際に現地を見て買われる方がほとんどです。避けて通れない道になります。
中でも一番大切なことは第一印象をいかに良くするかです。
例えば、どこかのレストランに行った時に、トイレに入ったとしましょう。
水浸しで汚れているトイレか、ピカピカで清潔感のあるトイレか。
どちらが、次もまた来たいな、と思えるレストランかは、言うまでもないでしょう。
印象が良くなる具体的なテクニックをお伝えします。
第一印象を良くするための工夫
玄関周りの清掃と消臭
家に入った時に、まず最初に入るのは玄関です。極力スッキリとさせておきましょう。
そして、意外と自分では気がつかないのが、匂(にお)いです。特に居住中の場合は、生活をされているスペースですので、玄関にファブリーズなどの消臭剤を置いておくだけでも、入ったときの印象が大分変わってくると思います。
窓をあけて空気を通すのも良いでしょう。
また、ご案内の時に、不動産営業マンがスリッパを持参することもありますが、居住中の場合は、売主さまがスリッパを出されると、印象もグッと良くなります。
生活の匂いは自分ではなかなか分かりません。気にされる方は多いです。
お部屋の整理
こちらも同様です。お部屋は、買主さまが実際に生活をされるスペースなので、こちらも可能な限り整理をしておきたいですね。とは言っても、最低限で、一箇所に物をまとめてスッキリさせておけば良いかと思います。
空き家の場合は問題ないですが、居住されている時には、片付けられる範囲に限界がある場合もありますよね。部屋の広さが確認できれば良いですね。
収納の整理整頓
意外と見落としがちなのが、収納です。買主さんは、高額な買い物のため、隅々(すみずみ)までチェックしなければ、中々購入を決断できません。
そのため、収納もチェックいただいた方が良いでしょう。その時に、収納のなかは整理していないのでちょっと・・・となると、買主さまも不安になってしまいます。スペースを確認できるように整理されると良いかと思います。
水回り(トイレ・お風呂)
水回りについても、重要な部分です。中には、購入後にリフォームをされる方も多いので、気にされない方もいらっしゃいますが、できる限りキレイな状態にしておくと、印象もグッと良くなります。
バルコニー
バルコニーも意外とモノを置き忘れていたり、汚れていたりするものです。パッと見て、目立つ部分は掃除したり、不要なモノがあればこれを機に処分されるのもありかもしれません。
照明は極力明るく
薄暗い家よりも、明るい家の方が印象も良くなります。電気がついた状態にしておくか、もし切れている電球があれば取り替えておきましょう。
グリーンを飾る
お金をかける必要はありませんが、部屋の中にグリーンがあると、空間が一転してオシャレになります。
すでに観葉植物が部屋にあるなどの場合は、それを用いてもいいですし、DAISOなどの百円均一でもオシャレなグリーンが売っていると思います。是非上手に活用してみてください。
応対を良くする
また、案内に立ち会われる際は、出来る限り笑顔で丁寧にご対応いただくと、こちらも好印象です。対応が良ければ、全体的に印象も良くなりますね。
私も幾度となく案内に同行していますが、売主さまがご丁寧に対応をされていると、買主さまも非常に安心されるようです。この方だったら安心して購入出来る!と思われることも多いようです。
できない部分は割り切る
やはり、全ての箇所をキレイにしておくのは無理なこともあります。外壁や屋根、内部の破損している部分など、そこは正直にお話ししましょう。買主さまも、それを承知で中古物件の購入を検討されています。
出来る範囲で準備を尽くして、案内が良い結果につながることを祈りましょう。
金額変更(売れないとき)
売出を行っていますが、かなり長引いており中々売れません。
売却活動が長引いていたときは金額変更を検討しましょう。
金額を下げるタイミングは不動産屋さんとよく相談しましょう。あまり早く下げすぎると、心象も良くないこともあり、見極め時が必要です。
なお、空き家で売却が長引いているときはホームステージングを検討してみてください。
ホームステージングについて
ホームステージングはアメリカで1970年代から使われている手法です。
日本でも中古物件の流通促進にともない、主流になってきましたが、要は「空室物件に家具や小物を入れて住んでいるイメージを沸かせる手法」です。
中古住宅流通が盛んなアメリカの実験では、空室時と比べ、約30-50%が売却期間を短縮でき、価値が6-20%高まる、と発表されています。
不動産売却時の申込みの対応
無事申し込みが入ると、価格交渉がある場合があります。
不動産会社から申込が送られてきます。
別名、買付証明書とも呼ばれます。
実際の買付証明書サンプルをイメージとして載せておきます。
これは、購入者さんが、「購入の意思がありますよ」という意思表示をするための書類です。
しかし、この書類があるからと言って安心はできません。
買主さんはリフォームを前提で物件を見に来ているので、例えば床を張り替えたい、水回りを変えたい、外壁を塗りたい、などなどの希望があります。
そのリフォーム費用を踏まえた価格交渉がある場合もありますし、買付証明書がキャンセルになることもあります。
この書類は、契約を確約するものではなく、あくまで申込書ではありますが、内容に納得したらスピーディーに進めることが吉となります。
契約が決まるまでは油断ができない、と思って肝に銘じておきましょう。
いよいよ契約!そして手付金の受け取りへ
いよいよ契約です。
ここは大切なので、深ぼってみていきましょう。
契約日の設定
申込があった場合、内容に合意すれば契約日を設定します。
基本的には、買主さんの都合に合わせるのがスムーズに運びます。
大体、申込日から1~2週間以内に設定されることが多いです。
お互いの日程が合わなかったらどうするの?
その場合、持ち回り契約をすることもあります。
契約日が決まれば、いよいよ契約!
契約日の主にすることは、以下になります。
- 重要事項説明書読み合わせ
- 契約書読み合わせ
- 手付金の受け取り
- それぞれの書類に署名と捺印
以下から当日の流れを見ていきましょう。
重要事項説明の読み合わせ
契約日が決まったら、いざ契約です。
契約の場所は、契約をした不動産屋さんの事務所で行われることが多いです。
集まったら早速契約・・・というわけではなく、この契約を行う前に、重要事項説明、いわば物件の詳細説明、というものを、不動産屋さんは買主さんに行う義務があります。
不動産は高額の買い物になるので、土地を買ったけど、建物が建てれなかった!ということがないように、きちんと説明する義務があるのです。
これは、宅地建物取引士の独占業務です。
重要事項説明書と契約書というのはそれぞれ別の書類ですが、契約日同日に行うことが多いです。
契約書の読み合わせ
重要事項説明が問題なければ、契約書の説明と捺印を行います。
契約書には、主に金額やローンのこと、特約のことが書いています。
また、契約時には、告知書(物件状況報告書)の記載が求められます。
告知書は、買主さんに対して、知っていること・知らなかったことを記載します。
例えば、雨漏りのこと、リフォームをしたかしていないか、被害が過去にあったか、近隣のトラブルはなかったか、など。
ここには、過去にあったことや今の不具合などを正直に記載しましょう。
もし不具合を隠してしまったり、知っていることを知らない、とした場合、買主さんから損害賠償請求や責任追及を受ける可能性があるなど、後々のトラブルにつながる可能性もあります。
手付金の受け取り
契約の内容に問題がなく、署名・捺印を終えたら手付金を受け取ります。
手付金は、物件価格の10%程度で設定されることが多く、代金に充当されます。
例えば、1,000万円の不動産を購入するときに、手付金を100万円払うとすれば、残金は900万円、決済を行う時に買主さんが支払います。
これで、契約自体の流れは終了です。
ひとまずはお疲れ様でした!
不動産売買契約の注意点
以下、契約の時におさえておきたい注意点を解説しておきます。
お金に関わる部分で大切なことなので、是非ご参考ください。
ローン特約に注意
買主さんがローンを組んで購入されるケースがほとんどです。
しかし、ローンの正式申込が完了してから契約をするのではなく、事前審査という銀行の審査がOK(仮でOKのイメージ)であれば契約に進めます。
銀行の本審査は長い時間がかかるので、事前審査がOKであれば、その前提で契約します。
しかし、事前審査がOKでも、本審査がだめというケースもまれにあります。
そんなときに、ローン組めなかったけど、この物件を買います。
となると、あまりにも買主さんがかわいそうです。
そこで、契約には、ローン特約という、ローンが通ったらこの契約は有効ですよ、という特約をつけて契約することがほとんどです。
そのため、ローンが通るまではまだ100%契約が決まったわけではない、と思っておきましょう。
契約解除には手付金を倍返ししなければならない
契約を自己都合で解除する場合、手付金の倍返しをしなければなりません。
例えば、100万円の手付金を預かった場合は、その2倍の200万円、これを払って解除をすることが出来ます。
逆に買主さんが契約を解除したい場合は、手付の放棄(ほうき)が必要になるので、100万円は売主さんのてもとに残ることになります。
違約金が発生するタイミングに注意
ある一定の期間が過ぎると、手付金の倍返しで解除できなくなるタイミングがやってきます。
そのタイミングをすぎると、違約という形になり、違約金が発生します。
もし売却に何かしらの迷いがある場合は、契約時によく考えて事前に相談をしたり、本当に契約をしていいのか?をよく考えておくことが大切です。
契約後は、色々な費用がかかってきます。
契約不適合責任の免除特約を確認する
また、引き渡した後に、売主さんがトラブルを負うか負わないか、という話があります。
基本的に、不動産屋さんが売主になるときは、必ず一定期間責任を負わなければなりません。
これを契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)といい、宅建業法という不動産屋さんから消費者を保護するための法律で決まっているのです。
しかし、売主さんが個人の場合、宅建業法ではなく民法という法律が適用されます。
この民法では、契約不適合責任を負わない、という旨の特約を定めることができる、とされています。
売主さんの立場に立つと、この特約はつけておいた方が良いでしょう。
それを持って、買主さんが買うかどうか、を判断してもらいます。
不動産売買契約に基づくローン特約終了
ローン特約期間が過ぎた場合、そこからの解除は違約になります。
そのため、ローン特約期間は契約日から余裕をもって設定されることが多いです。
その期間内に買主さんのローンが無事通れば問題なくそのまま契約に進む形となります。
不動産の残債(ローン)繰上返済申込
さて、上記のローン特約は買主さんのローンのお話ですが、今度は売主さんのローンのお話です。
まだ自宅に住宅ローンが残っている場合には、この住宅ローンを支払わなければ売却をすることが出来ません。
難しい言い方になりますが、不動産に設定されている抵当権(ていとうけん)という権利を抹消しなければ売却ができません。
この抵当権という権利を簡単に言うと、銀行など(債権者)が住宅ローンが滞った時に、競売(けいばい)を申し立てて財産を強制的に回収できる権利です。
そのような権利がついたままで不動産の売買をしてしまうと、買い手もつかないですよね。
そこで、不動産売買の取引では、残代金の決済時に、買主さんから振り込んでもらったお金でローンを繰り上げ返済して、抵当権という権利を抹消する、という流れを取るのです。
ローン代金が売却代金を上回る場合は、残りの費用を自分で用意する必要があります。
不動産売却完了時の決済(残代金の受け取り)
さて、諸々の準備が終われば、いよいよ残代金の受け取りです。
この最終の代金の受け渡しを決済(けっさい)と言います。
平日の午前に銀行で行われることが多く、基本は買主さん指定の銀行で行います。
まさに取引の集大成で、売主さんはもちろん、買主さん、不動産会社、司法書士、銀行の方などが勢揃いします。
ここで書類に不備があったり、印鑑を間違えた!という事件があると、下手をするとその日の取引が流れることになりかねません。
大きなお金が動くこのタイミングでは、もれがないかを入念に確認しておきましょう。
不動産売却終了。引渡し
残代金決済が終わると、カギの引渡です。
これらは決済と同日に行われることが多いです。
引き渡しまでにしておきたいことを、以下まとめておきます。
決済の日までにそれぞれの手配をしておきましょう。
電気・水道・ガスの停止
引き渡し日が決まった段階で、電気・ガス・水道の停止手続きを申し込みましょう。
停止日は引き渡しの前日にしておきましょう。
残置物(ざんちぶつ)の撤去
飛ぶ鳥あとを濁さずという言葉もあるので、引き渡しの前には、部屋は綺麗にしておきましょう!
契約が終わっても後々コミュニケーションが発生する場合もありますし、何か小さいことで買主さんから後から言われるのも避けたいものです。
私が過去直面したケースでは、引き渡しの時に、部屋の状態がかなり汚れていて、買主さんが気分を害されていたことがありました。私もなんとも気まずかったです。お互い気持ちよく最後まで取引ができるのがベストですね。
不動産売却後の確定申告
最後は、確定申告です。
確定申告をしておかないと、税務署からのおたずね(不動産売却したらその旨教えてくださいねという手紙)が来ます。
基本的に、物件を買った時よりも売った時の価格が高い場合は、利益が出ますので、所得税や住民税などがかかってきます。
しかし、下回った場合は、利益が出ませんので税金がかかりません。
あとで慌てないためにも確定申告をしてスッキリ終えておきましょう。
確定申告については以下の記事で解説していますので、合わせてご参考ください。
まとめ
以上、不動産売却のスケジュールについて解説しました。
不動産売却は、一生に一度あるかないかにも関わらず、非常に分かりづらいです。
自分が納得できる流れの記事がなかったので、この記事で作ってみました。
かなり長いボリュームになってしまいましたがお読みいただきありがとうございました。
なお、わかりにくい点があれば、ご質問など受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
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それでは、皆さまの不動産売却の成功を心よりお祈りしております!
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