不動産業界って離職率が高いイメージがあります。
不動産業界はハードと思われる方は多いようです。
実際離職率はどうなのでしょうか?
高いのか低いのかデータで検証していきます。
厚生労働省から毎年発表されている雇用動向調査結果をもとにデータを整理していきます。
目次
不動産業界の離職率をグラフで整理
それでは早速、離職率のデータを見ていきます。
不動産業界の離職率は14.8%。
これだけみてもピンときませんので、まずは、他の業界と比べてどの程度に位置するかみてみましょう。
出ていく人の数(産業別離職率)
以下、雇用動向調査結果に基づく産業別離職率です。
グラフでビジュアル化すると、
データの表も載せておきます。
産業別離職率 | 離職率 |
---|---|
宿泊業、飲食サービス業 | 26.9% |
サービス業(他に分類されないもの) | 19.3% |
生活関連サービス業 | 18.4% |
教育、学習支援業 | 15.6% |
医療、福祉 | 14.2% |
運輸業、郵便業 | 13.3% |
卸売業、小売業 | 13.1% |
学術研究、専門・技術サービス | 10.3% |
電気・ガス・熱供給 | 10.0% |
建設業 | 9.5% |
製造業 | 9.4% |
情報通信業 | 9.2% |
複合サービス事業 | 7.8% |
金融業、保険業 | 7.7% |
鉱業、採石業 | 5.6% |
これは
入ってくる人の数との差(入職率ー離職率)
ここでは、入職率と離職率の差をみます。
上から、入ってくる人が多くて出ていく人が少ない産業です。
令和2年においては、不動産業界は入職率15.5%、離職率14.8%でした。そのため、差し引くと+0.7%になります。
逆にいえば、情報通信業は多く入職して離職は少ない。
生活関連サービス業は、入職率が少なく離職率が高いというデータになります。
「業界」という括りで見るのであれば、異常値ではなく、むしろ他の業界よりもそこまで入職と離職のギャップがない、ということが分かります。
飲食業・宿泊業の離職率は26.9%となっており、またサービス業においても18%以上の数字となっています。
他の業界と比較したところで、不動産業界の過去にさかのぼってみましょう。
不動産業界の離職率4年分の推移
次に、不動産業界の過去4年分の離職率の推移を見てみましょう。
離職率過去4年分
離職率自体は、大きな変動もなく推移しているように見えます。
次に、入職率とも比較してみましょう。
入職率が上回っています。
なお、データは少し古くなりますが、2017年には不動産業の従業員数は約133万人となっており、全産業に占める割合は2.7%です。
これだけ多くの人が働く不動産業界です。
そして、上図の右をみてもらえれば分かるのですが、20代・30代がいかに少ないかが分かります。
少しデータが古いため、正確には分かりませんが、今後この層をいかに厚くするかがこの業界の未来に関わってくるかと思います。
違った見方をすれば、年齢が高い人はやめずに、若い層だけ離職率が高い可能性もあります。入職者も同様です。
この業界の構造的に、どうしてもベテランの方が多くなってくるため、一概に入職が離職を上回っているから良い、と言うわけでもありません。
不動産業界の離職率の考え方
上記で説明したのはあくまで不動産の産業全体のデータです。
どうしても業界経験がないと全体の印象で物事を捉えてしまいがちですが、不動産業全体の離職率は決して高いわけではないことを念頭におきながら業界研究を進める必要があります。
飲食業は離職率が高いですが、近年は無人レジやロボット配膳などで以前より働き方も改善されている店舗も増え始めています。
大切なことは、業界の現場の構造を知った上で、自分はどの分野の専門性を磨いていくか?を見据えていくことだと思います。
不動産業界には、仲介・買取・開発・大家業・駐車場経営など様々な分野があり、大手や中小企業かによってもかなり特徴が異なります。
物事をイメージで判断せずに、しっかりと数字や仕組みを理解することで、もしかしたら不動産業界は自分にあっていると言う可能性もあります。
これは、私の話です。笑
まとめ
以上、今回は離職率についてまとめてみました。
あくまで離職率は数字でしかありませんし、会社によっては離職率が高いところもあれば低いところもあります。
大切なのは「自分に合った会社かどうか」です。
本ブログでも不動産業界に関するリアルな情報を発信していくことで、働く若手が増えれば良いと考えています。