宅建試験の解く順番や配分はどうすればいいだろう・・・
私も勉強し始めのころは、意識しなかったものの、本試験が近づくにつれて、もっと早く解き方にもこだわるべきと思う機会が増えました。
試験は問1から始まるから順番通り解く方がいいんじゃない?と思いがちですが、結論から言えば問1から解かないほうが良いのです。
これは単に解く順番の話ではなく、宅建試験の特性を踏まえて身構えておくことで、大敵である「焦り」に打ち勝つことができるためです。
私は試験を始めて受けた時に、この点を考えずに、問題を解く時間が足りず、2点足らずでとても悔しい思いをしました。
ここでは、私が実際に試してよかった方法と、宅建試験の特徴を踏まえた解き方の対策を解説していきます。
宅建試験の特徴を知る
宅建試験は120分(2時間)で50問を解く試験です。この間に、いかに集中力を切らさず解き続けられるか。試験慣れしている方であれば良いかもしれませんが、中々時間配分も難しいです。
※5問免除であれば、110分で45問を解きます。
試験全体を大きく分けると、以下の構成になります。
分野 | 問題番号 | 問題数 |
---|---|---|
権利関係 | 1〜14 | 14問 |
法令上の制限・税その他 | 15〜25 | 11問 |
宅建業法 | 26〜45 | 20問 |
5問免除問題 | 46〜50 | 5問 |
この中で、固めるべき、そして注力すべきは、法令上の制限・宅建業法・5問免除問題です。これらの合計だけで、36点に達することができ、複雑な権利関係とは違い、高得点を狙うことが可能な分野です。
本番でもこれは同様で、これらを落とさないためにはどうすれば良いか?が重要です。
それには、やはり解く順番と時間配分が必要です。
本試験は、13時から開始です。これも、早い段階からこの時間帯に慣れておくために、13時〜15時をどう使うか、という意識を持っておきましょう。
実践!問題を解くオススメの順番
早速ですが、私が模試を5回近く受けて、以下のスタイルが自分に合っていると思いました。
この方法で、46点を取得し、全国模試も3,000人中11位を取得することができました。
順番 | 問題番号 | 目標時間 | 時間帯 |
---|---|---|---|
①5問免除(対象の場合) | 46〜50 | 10分 | 13:00〜13:10 |
②宅建業法 | 26から始めて45まで解く | 35分 | 13:10〜13:45 |
③法令上の制限 | 16から始めて25まで解く | 15分 | 13:45〜14:00 |
④借地借家法・区分所有法・不動産登記法 | 11・12・13・14 | 10分 | 14:00〜14:10 |
⑤残りの権利関係 | 1から10で分かるところから | 35分 | 14:10〜14:45 |
⑥見直し | マークシートの見直し(ミスがないかどうか) | 5分 | 14:45〜14:50 |
⑦個数問題と不安点の見直し | 誤って選択していないか、悩んだ問題の見直し | 10分 | 14:50〜15:00 |
この方法のキモは、確実に取れるところから取っていくということです。
いろいろ試した結果、上記のスタイルが自分に合っていると思いました。
宅建試験には、罠がたくさんひそんでいます。
これまで数十年にわたり繰り返されてきたこの試験は、過去問は既に出尽くしているため、出題者側としては、問題の出し方にとても頭を使います。
そこで、50問の中に、たくさんの「罠」を散りばめることで、受験者を振るいにかけます。
問1から始めてしまうと、「焦り」が生まれてきます。
例えば、
令和2年10月の問題では、問1からあまり見慣れない「囲繞地(いにょうち)」の問題が出されました。
令和3年には、「判例問題」が問1からいきなり出ました。
問1は毎年違う主題が出るため、問1から始めるとペースを惑わされる可能性がありますね。
これも一つの罠です。
本試験は、通常の模試などと違い、平常心を保てない場合があります。
そこで、問1で思った以上の時間を費やすと、自分のペースを崩されて、残りの49点にも影響しかねません。
権利関係は、出る分野も固定されていないため、確実に出ることが分かっている、宅建業法や都市計画法・税金などから進めていくと自分のペースをつかむことが出来ると思います。
また、権利関係でも毎年出る分野があり、これは何とか得点したい分野です。それが、11・12・13・14番に該当する、借地借家法・区分所有法・不動産登記法です。合計で4点あります。
ぶっつけ本番はリスクが高いので、必ず事前の模試などで、本試験と同じ時間帯に時間を計って、トライすることをお勧めします。
市販の模試でもいいですし、各専門学校が実施している模試を上手に利用しましょう。LECの模試がお勧めです。
宅建試験で聞かれるのは問題の正否だけではない
宅建士は、重要事項説明書や契約書の「事務作業」を行うため、高額な不動産でミスをすることは許されません。
そのため、一種の「事務処理能力」や「正確性」も試されるテストなのです。実際の実務でも重要事項説明書作成は項目も多く、金額や不動産の面積の桁を間違えると、とんでもないことになります。
そのため、実務でそのようなミスをしないか、いわば宅建士としての適正があるかどうか、という点も見られていると考えてよいでしょう。
集中力を切らさないためにも、2時間という試験をどう配分していくかも、試験としてみられている、と考えても良いかもしれません。
いわば、過去問を解くのと同じぐらい、解き方にこだわる、ことも合否を分ける要素になります。
ケアレスミスを誘発する試験である、と思ってメンタル面でも万全にして挑みたいものです。
なお、要注意ポイントですが、本番と模試では体感速度が違います。
試験で全問を解き終えるのを15分前とするならば、模試では25分前に終わるくらいで解き進めていくペースを体に染み込ませておくのが良いと思います。
配分で解く練習をしておいた方が良いでしょう。本番は嫌でも緊張しますので、体感より遅くなります。
是非自分にとって良いペース配分を試してみてください。
模試型の過去問集もお勧めです。