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行政手続法ってなに?
行政手続法を簡単にいうと、行政さん!ルール守ってね!という法律です。
行政が守るルールのことであって、私たち個人が守る法律ではありません。
私は、この言葉をはじめに聞いた時、全く実態が掴めませんでした。
今回は、イメージを掴むために、行政手続法をわかりやすく説明します。
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目次
行政手続法の目的と歴史について
まずは、法律の目的である第1条の条文を見てみます。
第一条
この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における
行政手続法 第1条公正の確保と透明性の向上 を図り、もって国民の権利利益の保護 に資することを目的とする。
まとめると、行政が、公正に手続きのルールを守って、国民の権利利益を保護しよう!ということが目的の法律です。
また、第1条には追加でこうも定められています。
第一条 2項
処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関しこの法律に規定する事項について、
行政手続法 第1条他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる 。
つまり、他の法律に定めがあったら、行政手続法ではなくて、そっちの法律に従ってくださいね!ということです。
このままだとざっくりしすぎているので、具体例で見ていきましょう。
行政手続法のイメージをわかりやすく
先程の条文に処分という言葉がありました。
ここを見ていきましょう。
例えば、ラーメン屋を開きたい!という人がいたとします。
ラーメン屋を開くためには「営業許可」が必要です。
許可の申請は行政に対して出します。
行政は、申請が出された時に、ラーメン屋やっていいよ、やったらダメだよ、という処分をします。
このことを申請に対する処分といいます。
一方、すでにラーメン屋をやっている人に対して、そのお店違法だから、営業停止しなさいね!という処分のことを不利益処分と言います。
このように、いろんな用語が出てくるのがややこしいところですが、
申請に対する処分と不利益処分
どちらの処分かで、行政手続法の定めるルールが異なるので、これは正確に覚えておく必要があります。
これらの処分は、本人にとってはとても重要なことです。
この判断を、役所の人の気分で決められていたら、たまったものではありません。
そのため、法律で公正に手続きしてね!ということが定められているのですね。
申請に対する処分について
ラーメン屋を開く人は、役所に申請をするときに、どんな基準があるのか?は気になるはずです。
本人としては、多額の費用を払ってお店作りをしているわけですから、基準を見れないと、お店もつくりようがありません。
そこで、行政手続法では「審査基準を定め、これを公にしないとダメですよ」ということが定められています。
第五条
行政庁は、審査基準を定めるものとする 。2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。
行政手続法 第5条
つまり、行政庁は、審査基準を定め、そして具体的にし、公にしなければならない、となっているわけです。
仮に、大阪府吹田市でラーメン屋を開くと考えて見ましょう。
開業したい人が「吹田市 食品 営業許可」で調べたとします。
すると、吹田市のホームページの審査基準というページを見つけました。
記載されていることを見て見ましょう。
まずは、申請に対する処分(赤枠)からです。
上記の
さらに「標準処理期間」という文言も定められています。こちらも条文があります。
標準処理期間について
第六条
行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(略)を定めるよう
行政手続法 第6条努める とともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない 。
標準処理期間は、必ず定めなければならないものではありません。定めた時は、公にしておかなければならない、とされています。
つまり、吹田市は標準処理期間を定めたので、公にしています。条文の通りになっていますね。
審査基準について
ちなみに、審査基準はこのようになっています。
不利益処分について
次に、不利益処分(青枠)です。
不利益処分は、冒頭でもお話した通り、ラーメン屋が違法だから閉店しなさいね!という、行政からの処分です。
申請に対する処分のように、ワンアクションラーメン屋さんからあるのではなく、一方的な処分になっています。
見てみると、このホームページでは、処分基準というものが公表されています。
これは、申請に対する処分と比べて、義務はあるのでしょうか?条文を見て見ましょう。
第十二条
行政庁は、処分基準を定め 、かつ、これを公にしておくよう努め なければならない。2 行政庁は、
行政手続法 第12条処分基準 を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体 的なものとしなければならない。
この通り、処分基準を定めることは義務ですが、公にしておくことは努力義務になっています。処分に対する申請の場合は、必ず公開しなければならなかったのですが、これはなぜでしょう?
理由としては、処分基準を公にしておくと、悪いことをする人が現れるかもしれないからです。
吹田市では、処分基準が公表されているので、例として見てみます。
すると、違反による衛生上の危害拡大の恐れがある場合・・・と書いてあります。
悪い人は、そしたらこの場合は、、、と抜け道を探して悪さをする可能性があります。
そのため、公にすることが義務とされていないのですね。
行政手続法のまとめ
以上、今回は行政手続法の中でも「申請に対する処分」と「不利益処分」を解説しました。
今回はイメージを掴むため、大枠の説明になりましたが、まだまだ細かい部分がたくさんあります。
ただ、この点を区別すると理解がしやすいので、行政手続法とはそのような法律か!という理解にお役立ていただけたらと思います。
自分がラーメン屋を運営している気持ちで、法律を学んでいくのも面白いかもしれません。
なお、行政不服審査法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
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