こんにちは、不動産のOTOMO(@zebrakun24)です。
不動産営業はきつい。こんなイメージをお持ちの方は多いと思います。
ネットで「不動産営業」と検索すると「きつい」という記事も多いですね。
確かにきつい側面もありますが、ひとくくりに「きつい」としてしまうのもいかがなものかと思います。
それも「営業」とひとまとめにされている場合が多く、キツさの感じ方も人それぞれなので、ネット上の記事を鵜呑みにしてしまうのもよくありません。
そこで今回は「不動産の仕事を始めたけど、こんなはずじゃなかった」を少しでも防ぐため、不動産営業のリアルをお話していきたいと思います。
- 不動産営業が本当にきついのか知りたい
- 今不動産営業をしているがきつい
- 不動産営業がどんな仕事か知りたい
目次
不動産営業がきついと言われるのは何故か
一般的な不動産営業といえば「電話や飛び込みが多い」「詰められそう」。こんなイメージが多いと思います。
しかし、不動産営業といえども「大手」での営業なのか、「中小」での営業なのかで、業務が異なり、さらに、売買なのか、賃貸なのか、管理なのか、仕入れなのか、で大きく異なります。
その中で、一部のキツい意見が目立ってしまうため「不動産営業はキツい」という構図ができてしまうのではと思います。
営業の仕事、というよりも、その会社の営業スタイルや、職種内容がきついかどうか、この点を見るべきだと思います。
不動産営業がきつい、と感じるのは人や目的による
さて、世の中には多くの会社があり、不動産業界はその一部です。
他にも「激務」と言われていたり「ブラック」と言われている企業もあります。
ただ、実際にそこで働いている人はそこまでそう思っていないこともあるなど、世間の言葉に振り回されすぎないことも大切です。
Aさんが「きつい」と感じることが、Bさんにとっては「きつくない」と感じることもあります。
Aさんがとにかく成長し、高収入を得たい!という動機で働いていれば本人にとっては、厳しいことも承知の上でしょう。Bさんはまったりゆるく働いていたいのに、ガンガン行こうぜ!という環境では当然きついと感じるわけです。
このギャップを防ぐには、可能な限り不動産営業のきつさと不動産営業の種類を知っておくことが大切です。
人によって、キツさが仕事のハードさなのか、収入なのか、といったように定義も変わってくると思います。
不動産営業のきつさの種類
まずは、営業のキツさを事実に基づいて紹介します。
これは、不動産業界のクセ、と言いますか多くの営業マンが直面する言葉です。
一般的な不動産営業(住宅)で考えてみます。
労働時間が長い
不動産営業は労働時間が長いです。
これにはいくつか理由があります。
不動産の「案内」という業務でイメージしてみましょう。
案内には「情報を提供する」「物件を数件見にいく」「申し込みをする」「契約する」という幾つかのステップがあります。
この中でも「物件を見にいく」時間は、車で行くことがほとんどで、さらに数件となると数時間の移動時間と案内時間が発生します。
加えて、その後のやりとりでも、銀行や役所など、紙の書類を必要とする作業も発生するので、必然的に業務が長くなります。
また、基本的にお客さんに合わせて動きますし、仕事が終わってからでないと無理、という人にはその時間で対応をすることになります。
ただ、この辺りは自分次第でコントロールや調整が可能な範囲だと思います。
土日に休みがない
不動産業界は、土日休みではないところが多いです。
どちらかといえば、土日にお客さんが来店することが多いので、土日に売り上げが上がります。
火曜日・水曜日休みといった業者さんは多いようです。
私個人的には、土日の方が電車が空いているので、このリズムにすっかり慣れてしまったので、結構おすすめではないかと思います。
家族で土日が過ごせない、といった点は少し難点ですが。。。
ただ、これも会社によります。
例えば、企業の不動産部であったり、法人営業部、などの部隊であると、お客さんである企業(法人)が土日に休むので、そのリズムに合わせることもあります。
契約が決まるまでに時間がかかる
不動産営業は契約が決まるまでに時間がかかります。
特に売買営業は、金額が数千万円、数億円と大きくなります。
その中で成果を上げていかないといけないので、相当な時間がかかります。
特に、私は未経験で不動産業界に入り、売買営業をしましたので、最初はかなり辛かったです。
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特にきついと言われる不動産営業の種類
ここではきついと言われるケースが多い営業の話をします。
私が実際に多くの不動産業界の方とお話しして、特に「キツい」と感じる仕事を紹介します。
新築投資用ワンルームマンションの販売営業
新築投資用ワンルームマンションの販売営業は、キツいです。
投資用不動産にはいくつか種類があります。テナントや事業ビル、一棟の中古アパートなど。これらは、どちらかといえば「すでに流通しているもの」を「仲介」する営業です。
しかし、新築投資用ワンルームマンション販売会社は、自社の商品を投資家に販売する仕事です。
この場合、投資用販売会社は自社の商品を販売する必要があります。
多額のコストをかけてマンションを建築して、それらを販売しなければ自分たちの赤字が膨らんでしまうためです。
マンションを「投資用」に仕立ててそれを販売し、投資家も利益を出す。これがビジネスの基本です。
しかし、悲しいかな。全ての会社がそうではありません。
自社の投資用ワンルームマンションを販売するということは、その商品しか売れない、ということです。いい悪いは置いておいて。
営業手法は基本的に「ひたすら電話」です。
あなたの携帯にもかかってきたことはないでしょうか?どこで調べたの?というような電話が・・・私もよくかかってきます。
中には法律意識が低い会社もあるので、この分野はよく調べる必要があります。
土地活用や地上げ系の営業
次に、土地活用系の営業です。これは土地を活用してアパートを建てませんか?という営業で地主さんにアプローチし続けます。
土地活用に悩んでいる人は、そもそも母数として多くありませんし、色々な会社がアプローチをかけています。
その中で一歩抜きん出るには、並々ならぬ行動量が必要です。
これは売買仲介の営業よりも長いスパンで見ていく必要があります。
私も知人がこの営業をしていますが、転職後、9ヶ月間は全く契約が決まらなかった。と言っていました。
違う分野では大きな営業成果を上げていた営業マンが、です。
これは、他の営業と比べても、結果が出るのに時間がかかりますし、結果が出るまでの期間を耐えるツラさはあるでしょう。
そもそも高額商材はポンポン契約が決まるわけではないので、地道な作業を積み重ねていくしかありません。
また、必然的に業務も長くなる傾向もあり、キツいと思われる方も多いです。
これらの求人は未経験でも募集されていることが多く、ブラックじゃないの?と思われがちです。
なぜ未経験でも可能かというとこの記事も合わせてご覧ください。
不動産会社はなぜ未経験で求人をするのか?転職して大丈夫なのか解説ノルマが厳しい財閥不動産会社の仲介営業
また、大手でも営業が激しい会社もあります。
昨今はコンプライアンスも緩くなりましたが、まだ厳しい文化が残る会社もあります。
私の周りも現役のプレイヤーや、その会社で働いていた人が会社に転職したりもしてきますが、聞いていると結構激しかったりします。
大手不動産会社といえ、部署や上司により、方針は全く異なりますので、一概にはいえません。
とはいえ大手で働いていると、あとが楽になってくるので、このキツさは将来プラスになるキツさだと思っています。
精神を疲弊するまで働く必要はありませんが、大手でまず働く、というのはおすすめです。
仲介営業は異業界からでも参入しやすく、ホワイトな会社もあります。
キツいことで有名な会社もあります。
これはネットを見ればある程度は、把握できたりもしますが、
実際に入ってみないとわからないこともあります。
外から見ているとわからないので、転職エージェントなどに相談しながら会社を調査することをお勧めします。
営業がキツくない会社の探し方
そして営業がキツくない会社ももちろんあります。
以下のような点に着目してみましょう。
地主会社
いわゆる土地所有者、自社で収益物件を得ている会社です。
特に、三井不動産や三菱地所などは、東京一等地の大家さんとも言われており、福利厚生も待遇も流石の大手企業の待遇です。しかし、中途採用はかなり狭き門です。
戦略的に転職を狙うのであれば、中堅・中小企業の地主会社をお勧めします。
世に出ていませんが、地主会社というのはたくさんあるものです。
そのような会社では、収益性が高いビジネスを行なっていることから、年収も高くなる傾向にあります。
利益率が高いと、給与も高くなるという構造の問題です。
私もいわゆるこの分類で属していますが、イメージしていた不動産業界とは異なり、ホワイトな側面がありました笑
ストック収入がメインの会社
地主会社にも共通しますが、管理手数料をメインに収益を得ている会社も営業はそこまでキツくないです。
営業がキツくなるのは、売上の見込みが単発で終わってしまうことが原因でもあります。
先程の地主会社にも共通しますが、やはりストックの収入、というのは大切です。
毎月売り上げが見えていると、営業計画も立てやすくなります。
仲介事業しかしていないと、毎月必死で動いていかなければなりません。
販売系に特化している会社がきつい、と言われる理由でもあります。
雰囲気だけではなく、会社がどんな事業を行なっているか。
その会社の売り上げ構成や事業がどのように成り立っているか?というのも、把握しておくと良いでしょう。
地域密着企業
そして、地域密着企業です。
地域密着企業は上記どちらも兼ねていることが多いです。
また、地域に密着するということは、地元で長く事業を行う、という側面と隣り合わせです。
長く事業を行なってきた実績は、他社と比べても優位性になります。
比較的緩やかな企業が多いでしょう。
ただ、地域企業にも色々な種類があり、あえて注意点を2点挙げてみたいと思います、
・競争がないと自分のスキルが向上しない
・オーナー次第で風土が変わる
地域企業は、地域で優位性を築いているため、お客さんからの信頼も厚いですが、そこに頼りすぎると、再度転職するときに市場価値が担保できません。こういうスキルや知識を身につけたい!と思って、目的意識を持って働かないと、20年勤めていて次に行き先がない、という人は何人もいます。
これは地域企業だけに限らないと思いますが…
ずっと優しい環境にいたとして、仮に会社が潰れたとき。自分の働き口を確保するためには、より厳しい環境で自分を磨いておいた方が将来の発展性はあると思います。
また、オーナー次第で風土も変わりますので、社長がどのような考え方か、何を大切にしているか、という価値観もチェックしましょう。
ここが合わないと、結局のところ「精神的にきつい」となってしまいますので、事前調査が大切です。
不動産営業を選ぶ上で大切なこと
不動産営業を選ぶ上で大切なこと。それは、
仕事は人生の大部分の時間を占めます。
仕事に求めることは人それぞれ違いますが、不動産営業はきついからやめておこう、と思わずに可能性を広げていただくきっかけになれば嬉しいです。
私も意図せず不動産業界で働いていますが、人生何があるかわからないものです。
知っておいてほしいことは、不動産営業をひとくくりにせずに、情報を調べ、そしてやりがいのある環境を勝ち取っていただきたいと思います。
私の知人に聞いたところ、同じ不動産会社(東証一部)でも、私はAさんに聞いた時は「めっちゃきつい…」と言っていた人もいれば、もう一方のBさんに聞くと「めっちゃ自由で楽しい」とのこと。
部署や職種が変わることできついかキツくないか、そして環境も大きく変わります。
きついというのは一概に悪いことではありません。
きつい環境を早めに経験して置けると、「きつかったから今が楽」と将来言えていると思います。
「キツさ」の種類を見誤らないようにしていきたいものです。