業界の今後|不動産業ビジョン2030を解説

不動産DXとは?実際に取り組んだ事例やメリット紹介

こんにちは、不動産のOTOMOです。

私は普段、とある不動産会社で広報、兼DX担当として働いています。

元々売買営業を主な業務として行っていましたが、あまりの紙の多さ・非効率さに大きな課題感を感じて、1年半以上かけて「DXしましょう」という働きかけをしてきました。

まさに、チラシやFAXが主流の会社だったので、以下のような取り組みを実施しました。

  • 社内チャットツールの導入
  • 10年ぶりのWEBサイトのリニューアル
  • 基幹システムの入れ替え
  • SNSアカウントの新規開設
  • Dropboxの導入
  • などなど・・・

普通の会社であれば、もうすでにやってるよ!ということかもしれませんが、50代前後の社員の方が中心の環境で、反発も多かった中、様々な変化を巻き起こすことができました。

今、盛んに「DX」が叫ばれていますが、特に不動産業界は、アナログな文化が残る業界の1つです。

記事をご覧いただいている方の中にも「不動産テック」「不動産DX」という言葉に関心がある方も多いと思います。

そこで、この業界は、どのような変化をしていくべきか?また、歴史の古い会社でどのようにして、DXを受け入れてもらうか?実体験や培ったノウハウをもとに述べていきたいと思います。

実際に、使ってよかったおすすめの会社さんも紹介してみたいと思います。

OTOMO
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チャレンジすることで、得られることが大きい分野だと思います。

不動産DXとはなにか?

そもそもDXとはなんでしょうか?

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略語で、経済産業省によると、以下のように定義づけられています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

経済産業省:DX推進ガイドライン

ビジネス的な文脈では、大雑把にいうと、企業がITを活用して事業に変革を起こそう!ということです。

DX推進ガイドラインの中では、DXの実現には、経営者による強いコミットメントが必要と記されており、企業組織内の仕組みや体制の構築等が不可欠、と書かれています。

これはまさに共感する点でして、経営者がNOを出せば進まないのがDXだと思います。

加えて、現場においての組織の仕組みや、体制づくり、また現場サイトの抵抗が大きいとの指摘もあります。

私はまさにこの壁に直面しました。

OTOMO
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今も直面しながら進めています。

そして、こと不動産業界においてのDXの具体例として、三井不動産さんの事例を挙げてみます。

令和3年12月24日付の日経新聞では、以下のような記事が紹介されました。

2022年の法改正で不動産関連の電子契約書が全面解禁される中、三井不動産は購入時に必要な約1000枚の書類を原則的に電子化し、野村不動産は仲介業務に電子契約を導入する・・・

日経新聞より

そして、この施策が実現すると、売買契約書など年1億円のコスト削減につながるとのことで、素晴らしい取り組みです。

DXへの取り組み方を紹介する前に、他にも不動産DXと呼ばれる事例を紹介してみます。

不動産DXの事例・おすすめツール

不動産のDX化といっても、続かなければ意味がありません。

まず前提として、有料・無料、導入の大変さなどによって、自社が取り組めるところからが一番です。

私は、まずは気軽にトライできるものから推進派です。

「試してみる」ができるところから、少しずつ変化の耐性をつけていくのが良いです。

OTOMO
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なお、この章でおすすめするツールは、私の所感で、案件ではありません(笑)

基幹システムの導入

一番根幹となる基幹システム。

実は、結構なシステムが、売買だけ、とか賃貸だけと分かれており、オールラウンダー的なシステムが少ないのが現状です。

中でも有名なものはいえらぶCLOUDさん。

いえらぶさんHP

既存システムは、違うものを使っていたのですが、新規導入にあたり、ほぼ全てのサービスの話を聞きました。結果、いえらぶさんの担当の熱量もあり、一生懸命になってくれて、個人的にはおすすめのシステムです。(案件ではありません笑)

中には、ブラウザで使えなかったり、等なかなか運用に乗らないシステムもあるので、ここは慎重に投資を決めたいところです。

査定サイトについて

今や主流になりつつある、不動産売却査定サイト。

ユーザーさんが、一括査定ができる仕組みです。

私も広告担当として10社以上お付き合いがありましたが、各社さんの特徴があります。

そして、どの不動産会社も口を揃えていうのは、近年効果が薄くなってきている、ということ。

査定サイトの分野も変革期を迎えています。

今、すまいValueという大手が共同して作ったサイトに集中しています。

私が、これまで査定の問い合わせをもらった中ではLIFULL HOMESさんの売却査定が圧倒的に決定率が高かったです。

ここで考えることとしては、査定サイトにお金を払うぐらいなら、自社でGoogle広告を運用した方が良くない?という話です。しかし、これは一部の広告費が潤沢になる大手企業以外はおすすめできません。

私もそれを考えたことはありますが、各査定サイトが広告費を投下しすぎて、コストが見合わない構造になっていて、断念しました。

オンライン内見・遠隔空き家管理

これは、エリアによって大きく分かれます。

そもそもですが、顧客のニーズがなければ導入する意味はないと思っています。

都心のマンションを多く扱う会社さんであれば、取り入れるべきですし、地方の実需ベースの会社さんであれば、その地元の人が直接みたい!となる場合も多いので、必要に応じて導入すれば良いと思います。

私は後者の環境です。

これも別に多額の費用をかける必要もなく、ZOOMなどでオンラインでお部屋を紹介するといった手段も取れますし、InstagramやTiktokで物件を紹介する、といったこともできます。

スマホの動画でも十分に魅力を伝えることができます。

管理会社さんであれば、スマホでうつしながら空き家の様子を撮影したり、管理している物件のレポートに動画をつけることも出来ると思います。

電子入退室管理

これは、管理物件や案内時、さらには社内での管理にも使えます。

どうしても物理キーが多くなってしまう不動産業界ですが、スマホで施錠できればこれほど楽なことはありません。

案内の時に、あれ?鍵閉めたっけ?と思い、何度も現場に舞い戻った経験は誰しもあるのではないでしょうか。

そこで登場するのがスマートロックです。

AKERUN

対応する鍵の種類などにはパターンがあるのですが、これを物件管理などにも応用して、物理キーをなくす。

うん、便利です。履歴も残るので、手間を考えると、非常に合理的な手段です。

OTOMO
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まだまだありますが、紹介しきれないのでこの辺りで止めておきます。

不動産業界におけるDXの壁とは?

コスト削減に繋がり、紙の削減に繋がるのであれば、やらない理由はないのでは?と思いますし、絶対にやった方がいいと思いますよね。

しかし、そうは全ての会社がならないのが、社会の仕組みです。

私が不動産業界に入ったときの例を挙げてみます。

私はIT業界出身で、紆余曲折あり、地場の中小不動産会社に飛び込みました。

やはり、環境がガラッと変わりますので、商習慣や関わる年齢層の違い、大量の紙に驚きました。

ちょっとした連絡も電話がメインになりますし、FAXが当たり前に使われているので、

LINEで済むのでは?と思うことも、作業工数が増えます。

そのようなちょっとした変化もDXを進める上で必要です。

しかし普段から電話やFAXを使用する環境を、変えるのは容易ではありません。

そこで、大きな変化のきっかけになるのが法改正であり、外的要因であり、2022年はここが大きなチャンスとなっています。

デジタル改革関連法案の成立

元々、重要事項説明というものは紙で行われていましたが、今は売買・賃貸ともにオンラインで行うことができるようになりました。

しかし、電子契約においては対応しておらず、書面で郵送のやりとりをする必要がありました。

まだまだオンラインIT重説とは、程遠かったのです。

しかし、2021年5月に、デジタル改革関連法案が成立しました。

その中には、宅地建物取引業法の改正も含まれています。

法改正が実施されると、「解禁」となりますので、2022年5月頃から契約自体を電子契約で行う会社は増えてくると思います。

外的要因の変化

そして、コロナ禍のリモートワーク・オンライン化もそれを後押しする形になりました。

世の中自体が急激に変化を遂げる中、引っ張られる形で、各社IT化への意識を高め始めています。

今までは、ITに対応しなくても、なんとかなるし。という会社は多かったですが、これはいよいよまずいな・・・と思う企業が増えているのも肌感として感じます。

加えて、国土交通省が発表している「住生活基本計画」という住み良いまちづくりを行うための計画では、令和7年までに大手事業者のDX割合を100%にする、という目標が掲げられています。気になる方は以下も合わせてお読みください。

【徹底解説】住生活基本計画をわかりやすく解説!

そのため、これまでに言い続けてきた様々な提案が、その時期に通りやすくなった、という事実もあります。

やらざるを得ない環境になってきているのも事実で、逆に言えば、そのような変化に対応できていないと、オンラインで契約をしたい顧客を逃すビジネス機会を逃すことにも繋がります。そのため、経営者がトップダウンでさまざまなシステム導入を決めるケースも多いと思います。

しかし、役職関わらず、私は現場で起きる些細な疑問を解消していくことが、DXの本質ではないかと感じます。

壁を乗り越えるための環境は整いつつあるので、後は、その壁を壊す武器、それをDXに取り組みたい!と思う方は入手しておく必要があります。

不動産DXを行うために必要なこと

さて、自分がどのような環境にいたとしても、やはり現場の一人一人がDXに対する意識を高めていくことが、業界全体のDX化に繋がります。

まずは身の回りからということですね。

外から見ると「こうした方が絶対いいのに!」と思うことはあると思います。

そして、どんな小さなことでも良いので、それを変えていくにはどうすればいいか?を考え続けることが大切です。

加えて、現場を知ること

不動産業界は、特に現場主義の方が多いですし、意思決定する人も、現場から上がってきた人が多いと思います。そのため、DXに関する提案がトンチンカンになるケースがあります。

これは、外部からの提案や、業界経験がない人によくあるケースです。

OTOMO
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私も業界に入った時は、提案内容の薄さをよく指摘されました。

なので、自分が通したい提案がある人は、積極的に現場に出たり、現場に同行させてもらったり、と常に課題はないか?とアンテナを貼っておく必要があります。

例えば、なぜ紙を使っているのか?という所にも歴史があります。

現場に根を下ろすことは、歴史を掴み、新しい課題感に気づくことも繋がります。

私は、IT業界にいたので、連絡はLINEが効率的でしょ?と思っていましたが、売主さんがご高齢の場合はオンライン対応が出来ない場合もあります

加えて、法律が阻む壁もあります。

世の中の綺麗なことだけではなく、業界の実情を知ることは、とっても大切です。

そして、不動産DXには経営者の理解が必要です。

何事も、物事が動くときには、意思決定権者(つまり社長)GOを出すことがきっかけになります。

自分の立場が経営者であれば、投資判断をする立場になりますし、従業員の立場であれば、まず自分が認められる(発言権を持つ)ことからやっていく必要があります。

一番必要なことは、自分が必要と思うことは、諦めないこと・根気強くやること。

物事は長い年月を経て変わっていくものなので、是非DXに取り組みたい人は諦めずに、提案を続けていって欲しいと思います。

それこそが不動産業界全体のDX化に大きく貢献することになると思います。

不動産DXのメリット・デメリット

そうはいっても、道の半ばは苦しいかもしれません。

私が実際に様々な施策を行なった結果、良いメリットもありました。

そして少なからずのデメリットも。

少し事例を紹介します。

コスト削減・業務効率につながる

一番は何といっても業務が楽になることです。

これまで業務に振り回されていたことも減りますので、自分で時間をコントロールできるようになります。

多少自分本位でも良いのです。

まずは、自分が「どのようにしたら業務が楽になるか?」を考えるのが始まりです。

それが「周りの人のはたらくを楽にするにはどうすれば良いか?」につながるわけです。

加えて、周りの人の業務が楽になると、それも喜ばれ、社内でも仕事もしやすくなります。

自分を楽にするというのは大きなメリットだと思います。

経営目線が身につく

DXと経営は切っても切り離せません。

投資するときに、この投資はなんのために行うのか?という訓練にもなりますし、このコストは、人件費に置き換えるとどのぐらいプラスになるのか?といったシミュレーションにもなります。

やらない意味はない!

というレベルまで落とし込めると良いと思います。

そして、経営者は常に提案を求めています。

自分の提案が受け入れられない、ということは、まだそのステージではないということ。

提案には根拠もセットで必要です。

ぜひ何度もトライして欲しいです。

替えが効かない人材になり、収入も増える

不動産会社では、営業職の人が多いと思いますが、営業だけできていれば一生食うに困らないか、と言われるとそうではないと思います。

そして、仕事を増やしたくない、と多くの人が思う中で、このような提案をするからこそ、非常に大きな価値を産みます。

営業で1,000人中1人になるのはとても大変なことですが、営業50人中1位。そしてITやDXに50人中唯一取り組んだ内の1人、だとすると、2,500分の1の存在になることもできます。

それだけ市場からも求められ、社内での待遇も上がると思います。

実際私は上がりました。

鬼に金棒!ではないですが、やはり武器は多い方が良いですし、転職にも有利です。

不動産業界で働きたい方に!【宅建Jobエージェント】

施策がうまくいかなかった時には

そうはいっても、いきなり多額の投資を行い、施策がうまくいかなかった、ということもあるかもしれません。

そうならないためにも、先ほど紹介したように、まずはできることからスモールスタートをお勧めします。

正直10個トライして上手くいくのが1個かもしれません。

それでも、大きな実績です。

そのような積み重ねを経て、最終は大きな改革に取り組んでいく。

このような道筋が良いと思います。

もし施策がうまくいかなかったとしても、次の成功のために必要な投資だ、と解釈すれば良い話です。

誰も前例がないことをやろうとしているのですから、大丈夫です。

私も常にヒリヒリしながらやっています(笑)。

不動産DX分野は、大きなビジネスチャンスがある

以上、不動産DXについて色々と述べてみましたが、この分野は大きなビジネスチャンスがあります。

業界で働いている私がいうので間違いないと思っています。

特に、不動産テック・不動産DXを行いたいが、そのような人を採用できていない、という会社は多いように思います。

アナログな文化が根強い会社こそ、そのような気持ちは強いです。

異業界の経験を不動産業界に生かすことで、唯一無二の存在になることが可能な業界だと思っています。

大手は取り組んでいる分野ですが、中小企業でもまだまだ改善の余地があります。

今の環境でもできることにトライし、それでもダメなら自分の提案を受け入れてくれる環境に飛び込むのもありだと思います。

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