こんにちは、不動産のOTOMOです。
IT業界出身、現役不動産業界に身をおく筆者が、大好きな不動産業界を調べ尽くすシリーズ!
今回は、ダイビルについての企業研究を行います。
不動産業界で働きながら、不動産専門ブログを運営しているOTOMO(@zebrakun24)が解説します!
東京か大阪で働く方であれば、一度は訪れたことがあるかもしれません。中之島に本社があります。
実際にどのようなことをしているのか。会社の概要から歴史、平均年収、抑えておきたいポイントなどのデータを紐解いていきたいと思います。
企業研究や、就職・転職の参考にしてください。
2022年3月時点の最新データです。記載情報は、WEBサイトや開示情報(IR)をもとに調査、執筆しています。
目次
ダイビルの基礎情報と特徴
ダイビルの始まりは、1923年の大正12年。
大阪商船、宇治川電気、日本電力の3社共同出資により、株式会社大阪ビルヂング(資本金300万円)が設立されました。
その2年後には「ダイビル」を大阪中之島に。さらにその2年後には東京日比谷に「日比谷ダイビル」を完成させました。当時の建物は、ニューヨークの超高層ビルで採用されていた「コアシステム」に学び建てられました。
1992年には、ダイビル株式会社に社名変更し、2013年にはダイビル本館の建て替え工事完了。さらにベトナムやシドニーへの海外進出など、積極的に事業展開を進めています。
ダイビルは、オフィスビルの賃貸を主な事業として「ビルを造り、街を創李、時代を拓く」を経営理念に、顧客重視の良質なオフィススペース提供をモットーとしています。
基礎データ
まずは、会社概要から見てみましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | ダイビル株式会社 |
設立 | 1923年(大正12年)10月15日 |
代表者 | 代表取締役 社長執行役員 園部 俊行 |
事業内容 | 不動産の所有、経営、管理及び賃貸借 |
資本金 | 12,227,847,277円 |
上場取引所 | 東京証券取引所(市場第一部) |
本社所在地 | 大阪市北区中之島3丁目6番32号 ダイビル本館 |
主要株主 | 株式会社商船三井/株式会社三井住友銀行/関西電力株式会社 |
従業員数 | 連結:2,457名/単体:86名 |
売上と利益規模(直近3年間)
続いて、有価証券報告書から直近の売上・利益を見てみましょう。
回次 | 第149期(2021年3月) | 第148期(2020年3月) | 第147期(2019年3月) |
---|---|---|---|
営業収益(百万円) | 42,909 | 42.817 | 40.637 |
経常利益(百万円) | 11,672 | 10,858 | 9,953 |
営業収益においても、経常利益においても、右肩上がりとなっています。
平均年収と従業員数(直近3年間)
次に、平均給与などを見てみましょう。
項目 | 2021年3月末 | 2020年3月末 | 2019年3月末 |
---|---|---|---|
平均給与(千円) | 9,837 | 9,537 | 9,532 |
従業員数 | 86 | 79 | 70 |
平均年齢 | 39.7 | 39.3 | 39.3 |
平均勤続年数 | 11.0 | 10.0 | 10.4 |
2021年3月末の平均年収は、約980万円でした。
上記数字は単体です。連結会社全体で見ると、従業員の内訳は、2,457人中2,220人はビル管理事業とほとんどを占めています。
ダイビルの事業内容と強み
東京・大阪・札幌の都心部にオフィスビル・商業ビルを多く所有しており、都心部に集中的に保有しています。
ダイビルのビジネスモデルと強み
ダイビルは、以下のサイクルを確立することで強みを確立し、価値を生み出しています。
- 好立地物件の取得
- ハイスペックなビルの開発
- 優良顧客の誘致
- ビルの長期保有・高品質な管理
- 顧客との信頼関係
これらのサイクルの中で、高品質なビル管理・企画開発力・テナントとの関係構築力を強みとしています。
加えて、ビルの新築時や改修時には最新の省エネ設備導入やBCPにも配慮。景観配慮の取り組みや緑地整備など、調和を意識した開発設計を行なっています。
また、私が最も共感した点は、誘致時と入居時の担当部署が変わらない点。不動産の所有と管理運営が分離し、業務の一部を外部委託するケースもありますが、重大なオフィス移転という経営判断に対して、営業担当者が伴走する点を大切にしています。
ダイビルの収益内訳
ダイビルの売上構成は、約8割は土地建物賃貸事業、約2割はビル管理事業が占めています。同社はビル管理に必要な機能「設備」「清掃」「警備」を全てダイビルグループの中に保有していることが特徴です。
特に賃貸事業においては、高い営業利益率を誇っており、同社事業の要です。2021年3月の実績値では、営業収益と営業利益は以下の通りです。
- 土地建物賃貸:約336億円
- ビル管理:約110億円
- 土地建物賃貸:約132億円(営業利益率 39%)
- ビル管理:約5億円(営業利益率4%)
保有物件は、築年数別に分散しており、幅広いポートフォリオを保有しています。
加えて、東京の日比谷、秋葉原、八重洲といった超一等地の物件をはじめ、大阪でも中之島のオフィスビル)の魅力、そして保有物件のバリエーションも強みとして挙げられます。
中之島にあるANAクラウンプラザも同社保有物件です。
ダイビルの今後のビジョン
ダイビルは、2018-2022年度において中期経営計画「Design100 プロジェクト Phase-Ⅱ」を実行中で2022年がその締めくくりとなります。
2023年には創立100周年を迎えるため、経営理念にたちもどることをメインテーマとしています。
この計画において重点施策は以下の5点でした。
- 都心大型オフィスビル取得
- 投資対象の拡充
- 海外事業の推進
- 既存アセットの競争力維持・強化
- ビル管理事業の強化・拡大(ノンアセット型事業)
この計画におけるトピックを触れておきます。
- 御堂筋ダイビル建替推進
- 八重洲ダイビル建替推進
- 275 George Street(オーストラリア)竣工
- 商船三井興産(子会社)によるノワテック買収
これらのプロジェクトにより、5年間での投資計画が行われています。
これ以外にも2019年には初の自社開発商業ビルである「BiTO AKIBA」をグランドオープンさせました。
ダイビルが求める人材
そんな「ダイビル」が求める人材はどのような人でしょうか。
キーワードは、「4 DIMENSIONS(4次元) DEVELOPER ~長期目線で変化を起こせる人材~」です。
ビルという3次元の建物を過去・現在・未来のつながりという時間軸(4次元)で創り上げていくのがダイビルの仕事。
少数精鋭のダイビルにおいては、長期目線で変化を起こせる人材が求められています。
ダイビルの採用情報
2022年3月現在、採用情報は見つけられませんでした。
新卒採用の募集要項は以下から確認できます。