こんにちは、不動産のOTOMOです。
2025年に日商簿記試験2級のネット試験に合格することができました。

その体験談と、不動産業界でも簿記を持っておくと有利というお話をします。
不動産業界で簿記2級は必要なのか?私が簿記を取ろうと思ったきっかけ
私は20代は不動産業界以外で営業を経験してきたため、簿記を学ばずともなんとかやってこれました。大学は経済学部だったので、簿記の授業をとったものの、やはり学生で学ぶ知識と実務を経た上で学ぶ知識は違います。
簿記の重要性を痛感したのは、不動産業界に入ってからです。
不動産業界に入った頃は、不動産調査や宅建の知識を覚えることに必死でしたが、ある程度一巡すると、今度は会計の知識が不足していることに気づきます。
私は、経営者や知識豊富な投資家の方と話を合わせることができず、怒られてばかりでした。
不動産は、会社によって手がける領域が異なります。
仲介であれば手数料がそのまま粗利益となるので計算しやすいですが、自社の買取再販や収益物件の計算には簿記の知識や原価の計算知識が必須かつ税金の知識も関わってきます。
このままではダメだと思い、簿記の勉強を始めることにしました。
私が起業していた時のお話
もう一つ、エピソードがあります。
私は不動産業界に入る前、コンテンツ制作の会社を立ち上げていたのですが、何よりも簿記の知識を学ぶべきだったと猛省しています。
簿記や税金の知識がない理由で、大きく方向性を誤ったことがありました。結果として事業はうまくいきませんでしたが、簿記の知識を持っておくことで防げた失敗も多かったです。
理論と実学は違いますが、しかし何より簿記の知識は学ぶべきものだと実感します。
最終的な申告は専門家に任せるにしても、自分で知識を身につけておく重要性は私の数々の失敗から痛いほど学びました。
簿記の知識は上を目指すなら必須
簿記の資格自体はマストではないが、知識は必要だと思っています。
企業の会計には大きく2種類あり、財務会計と管理会計があります。
簡単に言えば財務会計は外向けの利害関係者向け、管理会計は社内の経営管理をするための会計です。
管理会計では予算や原価を管理しますが、こちらは任意であり、業界や会社によって管理の仕方が異なります。
会社や社長のスタイルによって、どこまでの管理を行なっているかは異なり、私も数社経験していますが、利益の算出の仕方も違いました。
簿記とはそもそも何か?を理解しておくことで、利益の違い(粗利益・営業利益)、原価の考え方、損益分岐点の考えがスムーズになります。
自分が1プレイヤーの時は自分の成績を突き詰めれば良いのですが、マネジメントする立場になる時、経営目線で物事を見るときには簿記は必須ではないでしょうか。
どの程度知識があるのか?を示すために、簿記2級持っています、と言えると説得力があるなと思い、私は取得しました。
もちろん目的は実務に必要な知識を身につけるため、ですので最短合格というよりは、会計の本なども読みながら、1年かけてじっくり学ぶ選択肢をとりました。
簿記2級合格の勉強方法と道のり
私は、FP2級合格後に簿記2級の勉強を始めました。
簿記は3級を数年前に取得していましたが、簿記2級は私にとっては難易度が高かったです。
宅建やFP試験と簿記試験の大きな違いは、電卓を使うことにあります。ここが勉強を億劫にさせてしまう点かもしれません。
私の毎日のライフスタイルは、電車通勤の時間に勉強をすることでした。宅建やFP2級は問題集があればそこに書き込みができるのですが、簿記に関しては電卓やメモ、ノートが必要です。
アプリもあるのですが、腰を据えて覚えるためには電卓は使ったほうが良いでしょう。
Funda簿記
しかし、電車の中で電卓を叩く高度な技が使えなかったためどうしようかなと考えていました。そこであるアプリと出会いました。
挫折しない簿記学習、Funda簿記を購入しました。45,000円と根は張りましたが、実際の企業の決算書の見方や実例をもとに解き進めることができたので、その後、さまざまな企業のビジネスモデルを見る上でも非常に役に立ちます。
また、ipadやパソコンで受けていたのですが、実際に間違えた問題、電卓がなくてもアプリ上で電卓機能が備わっているなど、通勤ユーザーにとっては嬉しい機能がありました。
Webテストで受ける場合は、ランダム模試もできるので、実力試しに役立ちます。
しかし、上記のアプリを一巡してWebテストに臨んだものの、なかなか通ることができませんでした。
後述しますが、私の勉強方法に問題がありました。
TAC 簿記問題集
TAC 模試 簿記のテキストを購入し模試を解きました。
Funda簿記ではiPadを使っていました。ネット試験がメインだったためWebで慣れようと思っていたためです。
しかし、最後は紙でも解いておいたほうが良いなと感じ、紙の模試を買いました。
簿記に合格するために必要と思うこと
上記の繰り返しで試験に合格することができました。勉強にかけた時間は1日1時間で1年以上です。読書なども含めた時間です。
簿記の試験の特性ですが、勉強した内容が出るとは限らない点にあります。
簿記は大問5問100点満点で構成されます。1問の仕訳でいかに得点できるかが鍵となり、2、3問は商業簿記、4ー(1)(2)・5問の工業簿記と続きます。例えば、2問では、株主資本変動計算書(SS)や連結決算が出題されます。
これは試験ごとにどちらかが出るので予測できません。連結決算は難しい割に、試験に出ないということもあり得ます。
しかし、全く勉強しないのはリスクで、全くわからないと20点満点中0点と、合格が遠のいてしまいます。(合格点は70点です)
そのため確実に落としてはいけない問題を落とさないことを第一優先にします。1、4、5問は何度も模試を繰り返し、9割以上解けるようにしておくことが合格への近道でした。
ネット試験の注意点
ネット試験で受験する際の注意点は解き終わった後に点数しか出ない点です。
どのような問題が出たかもわからないので、解き終わったすぐ後に記憶を思い返して、対処するしかありません。
つまり復習が難しかったです。得意不得意が分かれる試験だと思いました。
簿記会計で参考にした本
単に簿記だけではなく日常のビジネスに活かせる本です。
中でも、比較的さくっと読めて面白かった本を一部ご紹介します。
ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務
タイトルの通り「ざっくり」分かります。決して表面的な解説に留まらず、実践的な知識が得られる一冊でした。
内容としては深いものもあり、読み込むことで財務の解像度が上がりました。

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餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか
ビジネスストーリーで学ぶ会計の入門書。
なぜ会計を学ぶ必要があるのか?自分には関係ない。私はかつてそう思っていました。しかしビジネスを行う上で必須なのが会計。そのセンスを身につける本です。
餃子屋と高級フレンチ、どっちが儲かる?というタイトルから確かに気になる、という本でした。ストーリー仕立てでとても面白かったです。

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【新版】財務3表一体理解法 (朝日新書)
会計といえばこの本、有名ですね。昔読んだ時はあまり理解できませんでしたが、改めて読むと決算書の全体の流れを掴むことができます。
特に中小企業では決算書を見る機会がなかったり、またキャッシュフロー計算書がなかったりするのが実態ですが、これらの知識を押さえておくことで、企業のお金の動きがどうなっていくのかを勉強することができます。

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決算書×ビジネスモデル大全
実際の企業の決算書の事例をもとに書かれた本です。不動産に関するテーマの事例もあり、例えば大和ハウスと飯田GHDの決算の違いなども解説されています。
また、過去の倒産事例で不動産会社モリモトの事例が取り上げられていたりなど、不動産業の特徴も勉強できます。

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決算書×ビジネスモデル大全: 会社の数字から儲かる仕組みまでいっきにわかる
タイパ コスパがいっきに高まる決算書の読み方
こちらも実際に存在する企業の事例をもとにビジネスモデルが解説されています。特にマリオットとハイアットの違い、ネットフリックスのモデルなど、頭にスッと入ってくる本でした。。

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テキストには書いていない 決算書の新常識
広い視点で決算書について学ぶことができます。読みやすく、バランスシートの読み方など、テーマごとに学ぶことができます。

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まとめ
以上、私は数回ネット試験を受けて、これで無理ならやめようと思った最終回で合格しました。
1回の受験で6,000円と決して安く無いので、できれば一発で合格を勝ち取りたいところです。
いずれにせよ、この簿記試験にじっくり取り組めたことで、仕事の実務でも活かせる知識が身につきました。
簿記会計は、経営者含め、ビジネスシーンでの共通言語。知らないとビジネスの機会を逃すことも多くあります。
簿記を取ろうか迷っている方は、3級でも大いに価値があると思います。
ぜひチャレンジしてみてください♩
この記事が何らかの参考になれば幸いです。